雇用・定着に向け企業が知っておくべき『ASD(自閉症スぺクトラム）』について

目次

⑴ASDの特性

これまで「自閉症」や「アスペルガー障がい」、「広汎性発達障がい」など様々な名称で呼ばれてきていますが、2013年よりASD（自閉スペクトラム症）として一括して表現されるようになりました。よく「育て方が悪い」など言われるケースもありますが、関係ありません。生まれつきの遺伝的な要因による脳の障がいも１つ考えられていますが、遺伝・環境など複合的に影響しているとされています。人によって症状の程度は様々なため、「初めに」に書かせていただいた通りに、大人になってから気づく場合も多く見受けられます。では、実際どんなことに悩むのでしょうか？３つに分けてお伝えします。
 
■社会性（集団の中で生きていく力）：周囲との会話の中で、「空気をよむ」「雑談をする」といったことがありますが、これらはASDを持つ方が苦手としていることの１つです。そのため、人間関係にこじれが生じてしまい、上手く職場などのコミュニティの中で過ごせないといったことがあります。
 
■コミュニケーション：上記に関連しますが、相手の話の意図を正しく汲み取れないことがあります。冗談が通じず、言葉通りに受け取ることもしばしばです。また、咄嗟に自身の考えや意見を伝えることが苦手な傾向にあります。想像力に弱いとされているため、相手とのスムーズなコミュニケーションを取ることが難しいと感じることがあります。
 
■物事へのこだわり：急なルールや状況の変更など、咄嗟に対応しなくてはならない状況に対しこれまで通りのやり方を求めることがあります。強くストレスを感じたり、場合によってはパニックを起こすことがあります。複数のことを同時にこなすことも苦手としていますので、
 
ここまで主な特性をお伝えしましたが、現在完治する治療法は見つかっておりません。
ですが、それぞれの特性に合わせた訓練を行うことで、仕事などあらゆるコミュニティの中で安定して過ごすことができる方もいらっしゃいます。

⑵強みを沢山持っている！

ここまではASDの方の「苦手なこと」を中心にお伝えしてきましたが、得意なことが沢山あることをご存知でしょうか？
以下3点ご紹介します。
 
・集中力があり、持続力もある
一つのことを覚え、それを正確にこなし続けることを得意としています。データ入力や軽作業、技術職など幅広い分野での活躍が期待されます。時間を忘れるほど没頭することもありますので、時間を設定してアラームをかけたり、周囲からの声かけもあるとよいでしょう。
 
・こだわりを持って取り組める
何に対しても「こだわり」を持つのがASDの特性です。ですから、一つ一つ丁寧に、責任をもって作業を行います。几帳面な方が多いため、書類など完成度も高くなります。
 
・目からの情報に強い
「視覚優位」として、耳から聞く情報よりも、目から取り入れる情報のほうが理解がしやすいと言われています。書類の内容に不備が無いかの確認が得意で、任される方も多くいらっしゃいます。
 

⑶ 採用時に確認すると良いポイント

まずはどんな特性があるか、何が得意で何が苦手なのか、本人と共有することが大切です。
ここでご紹介した特性以外にも、感覚過敏や細かい作業が苦手など、その人によって特徴は様々です。
逆に、一般的に苦手とされていることが本人の得意なことの場合もあります。
環境（音・景色など）と人間関係（コミュニケーション）・業務内容を中心に、確認すると良いでしょう。
特にコミュニケーションについては、比喩的な表現は避け、ストレートに伝えるようにしましょう。
 

⑷ まとめ

今回はASDについてお伝えしました。
得意なこと・苦手なことが比較的わかりやすいため、その人に合ったお仕事を一緒に見つけていくことが大切です。当社では『ASD』をお持ちの障がい者の方からも、数多く転職のご相談を頂いております。
高いスキルを持った転職希望者も登録いただいておりますので、お気軽にご相談ください。
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