『社会不安症(社交不安障害)』とは? ~疾患解説・職場で配慮すべきポイント~
障がい

2021年9月10日

『社会不安症(社交不安障害)』とは? ~疾患解説・職場で配慮すべきポイント~

社会不安症は、対人関係において支障をきたす障がいで、現在人口の1~1.5%ほどいるとされています。主に10~20代に多くみられるこの社会不安症について、障がいの特徴や就業するにあたってどんなことに配慮するとよいか、人事担当者様向けにお伝えします。

目次

 

⑴社会不安症とは

社会不安症・社交不安障害・社交不安症は全て同じものを指しており、SAD(Social Anxiety Disorder)とも呼ばれております。
症状がでる場面としてよくあるのが「人前で話すとき」や「人前で何かをするとき」です。失敗して恥をかくのではないか、みんな自分の話や振る舞いをどう思うだろうか といった気持ちは誰にでもあるかと思いますが、通常は場の慣れなどによって緊張度合いも下がります。その中でも社会不安症の方は、以下のような症状が出るようになります。
 
・頭が真っ白になって言葉が出てこない、または声が震えて上手くはなすことができない
・緊張が高まり、顔が真っ赤になる
・自分に注目が集まることにストレスを感じ、めまいや震え、腹痛や下痢といった体調不良を訴える
 
このような症状が出ることに苦痛を覚え、人前に出ることを避けるようになります。仕事をはじめ、社会のコミュニティに出ることができないなど、日常生活に支障をきたしていきます。
原因はよくわかっていませんが、恐怖症状を抑える神経伝達物質(セロトニン)のバランスが崩れることが一つ挙げられます。不安に感じやすい傾向ががかけ合わされることで、症状がでやすくなるとも考えられています。
よく、恥ずかしがり屋な性格 や 内気なタイプ と括られてしまい、受診もためらわれるケースも多くあります。
しかしながら、うつ病やアルコール依存症などの併発も珍しくないため、症状悪化の前に通院をし、適切な治療を受けることが大切です。

⑵就業上の配慮例

社会不安症を持つ方を採用するにあたり、よくある配慮例をご紹介します。
・人前での発表を避ける
・電話対応は無し
上記2点は、緊張や不安感から症状が出やすい状況の為、極力避けるようにします。
・在宅勤務を行う
人目に触れない場所では、本人の能力を思う存分発揮できます。
コミュニケーションはチャット等を文字でのやりとりを基本とし、黙々と打ち込める業務が向いています。
・業務量が一定である
過度に業務量が多い場合には、緊張からくるストレスもかかりやすくなります。
体調の安定のために、日々業務量が一定であるとよいでしょう。
・予めスケジュールを用意する
突然の予定変更にストレスを感じる場合も多くあります。
事前にスケジュールを共有することで、安心して取り組むことができます。

⑶ 採用時に確認すると良いポイント

社会不安症は、その人の性格と混同することで周囲からの理解が得づらいとされています。社会不安症を持つ方を採用する際には
・どんな場面に緊張やストレスを感じるのか(避けたい場面の確認)
・逆にどんな場面であれば能力を発揮しやすいのか(得意な部分を活かせる環境探し)
を確認しましょう。特に、環境に慣れるまでは緊張を感じやすいため、事前の確認が大切です。
それに合わせて、一緒に働くチームのメンバーも障がい特性の理解が必要です。
都度症状について共有しながら、業務内容・量の調整を一緒に行えると良いでしょう。

 

⑷ まとめ


今回は社会不安症についてご紹介しました。症状の理解と共有が長期就労に必要な要素です。
当社では『社会不安症』をお持ちの障がい者の方からも、数多く転職のご相談を頂いております。
高いスキルを持った転職希望者も登録いただいておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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