企業が知っておくべき『呼吸器機能障がい』について
障がい

2021年12月27日

企業が知っておくべき『呼吸器機能障がい』について

呼吸器機能障がいとは、肺呼吸が十分にできず酸素の吸収、二酸化炭素の排出が妨げられている状態の障がいです。
今回は、障がいの原因、等級について、配慮すべき項目など、呼吸器機能障がいの方を雇用、定着させる際に企業が知っておくべき「基本」について、まとめました。

目次

 

⑴ 呼吸器機能障がいとは?

肺のイラスト

まず、呼吸器とは「肺」「気管支」などに代表される呼吸をするための一連の器官を指します。
これらの器官の働きが悪くなると、呼吸(酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する)ことが難しくなります。

■呼吸器機能障がいの主な原因
・肺結核
・肺線維症
・肺気腫
・肺の手術の後遺症
・慢性気管支喘息 など

現在、肺結核は早期発見と治療によって、比較的に早めに治癒できるようになっています。
そのため、呼吸器機能障がいでの手帳所持者は中高年齢層が多い傾向にあります。

 

⑵ 障がい等級について

胸をおさえる女性

呼吸器機能障がいの手帳等級は1、3、4級があります。

1級:酸素療法か人工呼吸器を装着する必要があります。音声でのコミュニケーションが不便になる場合もあります。
携帯型の酸素ボンベを用いて移動ができる方もいますし、自宅や病院へ呼吸器を据え置いている方もいます。
時間をかけて体をならして、一般就労を行っている方もいます。

3級・4級:ある程度の家庭活動、社会活動は可能です。
健康管理が適切であれば、軽作業、デスクワーク、接客といったような仕事は健常者と変わらずできる方も多いです。

医師からの指示、配慮項目を守ったうえで、ご本人と相談して業務を任せていきましょう。

⑶ 就業上の配慮例

寒がる女性

職場での具体的な配慮例をご紹介していきます。

・刺激ガス、冷気、乾燥の環境を避ける
気管支粘膜が過敏になっている方が多いので、上記のような環境を避けましょう。
具体的には、座席の配慮(エアコンが直接あたる場所、乾燥しやすい場所を避ける)、炎天下やエアコンのない環境での業務を避ける、服装の配慮を行うなどが考えられます。
本人私物の加湿器やブランケットの使用を許可するという企業様もあります。

・禁煙、分煙を徹底させる
タバコの煙は、呼吸器機能障がいの方にとって非常に辛いです。
社内での禁煙、分煙を徹底しましょう。

・火気や室内の換気に気を付ける
酸素療法を行っている場合は酸素ボンベがあるため、火気に十分気を付けましょう。
また、こまめに換気を行いましょう。

・重量物の運搬、肉体労働、階段昇降などを避ける
主治医、本人と相談しながら呼吸器に負担がかかりすぎないように、業務内容を相談しましょう。

・産業医や職場相談員との面談
本人の負担になっている業務や環境がないか、定期的にヒアリングしましょう。

・衛生管理の徹底
本人は、風邪や肺炎に注意する必要があります。衛生管理の徹底に、より努めましょう。

 

⑷ まとめ


雇用・定着に向け企業が知っておくべき『呼吸器機能障がい』についてをまとめました。

呼吸器機能障がいの方は、健康管理が適切であれば、軽作業、デスクワーク、接客といったような仕事を問題なく行えるケースも多いです。

当社は『呼吸器機能障がい』をお持ちの障がい者の方からも、数多く転職のご相談を頂いておりますので、お気軽にご相談ください。


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