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障がい

2021年7月30日

雇用・定着に向け企業が知っておくべき『身体表現性障がい』について

身体表現性障がいは、ストレスなど心の葛藤が要因となっているとされる、精神障がいに区分されるものです。企業が身体表現性障がいをお持ちの方を採用する際、知っておきたい障がい特徴や配慮についてお伝えするとともに、特性を活かして活躍できる業務内容をご紹介させていただきます。

⑴身体表現性障がいとは?


身体表現性障がいは、痛みや吐き気、しびれなどの身体症状が自覚的にあり日常生活が妨げられているにも関わらず、それを説明できる身体的疾患や精神疾患、薬の影響等の見当がつかず、最終的にはストレスや心の葛藤など心理社会的な要因によって説明されるものです。身体に現れる症状を元に病院へ行っても診断がつかないことから、「重症なのでは?」「治らないのではないか?」といった不安に駆られ、更に生活を妨げることがあります。

身体表現性障がいには大きく分けて4つの症状があります。

①身体化障がい
身体化障がいは、痛みや胃腸・性的症状・神経症状など様々な身体症状が慢性的に発生します。症状を説明できる身体疾患がないのが特徴で、この症状は女性に多いとされています。

②転換性障がい
こちらも身体の異常としては説明できませんが、随意運動(意識をして動かす運動)や感覚機能(音や匂い、味などの刺激に反応する部分)での不調・欠陥があるものです。整形外科等で診察しても異常が認められないが、手足の動きが悪くなったり(麻痺など)皮膚に違和感を覚えたり、痛みを感じなくなってしまったりといった症状が出てきます。このような症状は、ストレスなど心の葛藤により、身体症状へ移行していると考えられています。症状は通常短時間の継続で、2週間以内に症状が消えていくことが多いとされています。一方で再発が多く見られ、症状の消失・発症を繰り返していく場合もあります。

③疼痛性障がい
ひたすらに強く激しい痛みを訴えることが長期間続くものの、その痛みを説明できる身体疾患がなく最終的に精神科への受診を勧められる場合が多い症状です。痛みへのしがらみが強く、仕事にも手がつかず、鎮痛剤や精神安定剤を過剰に服用するようになることもあります。依存傾向が認められる場合には、治療の際の薬物治療にも注意が必要です。

④心気症
痛みや吐き気など様々な身体症状について、自身が重病なのではないかという誤った解釈の元で恐怖や思考に縛られてしまいます。医師からの診断を受けても受け入れず、生活に異常をきたすほど恐怖や不安を抱える場合もあります。

⑵向いているお仕事環境と必要な配慮


身体表現性障がいのなかにも様々な症状があることをお判りいただけましたでしょうか。
採用時には、候補者の症状の把握が必要となります。その上で、これまでの経験や双方の希望を元に、適切な職場環境の提供ができると良いでしょう。
以下に、身体表現性障がいを持つ方に向いているお仕事を紹介させていただきます。

■短時間勤務
心的ストレスが要因とされているため、ストレスをいかに減らすかがポイントとなります。まずは無理をせずに働くことができる時間での業務からスタートすると良いでしょう。
併せて、適度な休憩を取り、リフレッシュをしながら業務に取り組める環境がおすすめです。

■単純作業
マルチタスクを対人関係でのストレスや悩みを抱える場合もありますので、一人で黙々と取り組むことができる作業は向いています。工場での組み立て作業や事務での入力作業等、集中して取り組むことができます。

■融通がきく業務
通院の配慮や急な体調不良に対応できるように、業務量の調整ができる・一人で取り組むことができる・時間に追われないといった作業が向いています。

まとめ


ここまで身体表現性障がいについてお伝えいたしました。
本人と障がい特性について共有し、長期に安定した働き方ができるよう一緒に考えていくことが大切です。相談先を決め、安心して業務を遂行できる環境を作ることができるとより良いでしょう。
当社では『身体表現性障がい』をお持ちの障がい者の方からも、数多く転職のご相談を頂いております。
高いスキルを持った転職希望者も登録いただいておりますので、お気軽にご相談ください。

【お問い合わせフォーム】

https://st-navi.jp/agent/content/employer/

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