うつ病と双極性障がいの違いとは? ~職場での配慮ポイント~
「うつ病」と「双極性障害(躁うつ病)」
有名人の公表などにより、耳にする機会も増えてきているのではないでしょうか。
うつ病と双極性障がい(躁うつ病)は、気分の落ち込み等同じような症状もありますが、それぞれ異なる症状や対応が求められる場合もあります。
本記事では、うつ病と双極性障がいの違いと、職場での具体的な配慮について詳しく解説します。

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目次
うつ病とは
うつ病は、気分が持続的に落ち込み、興味や喜びを感じられなくなる病気です。
原因は明確ではありませんが、脳内の神経伝達物質の異常を背景に、環境要因や性格傾向、遺伝的要因、身体疾患などが様々な要因が関与しているとされています。

主な症状
- 気分が落ち込む、無気力になる
- 関心や集中力の低下
- イライラ、過度な飲酒
- 睡眠障がい(中途覚醒や入眠困難など)、頭痛や腹痛、食欲不振
うつ病についてさらに詳しく知りたい方はこちら
雇用・定着に向け企業が知っておくべき『うつ病』について | せんとなびエージェント
双極性障がいとは
双極性障がい(躁うつ病)は、気分が高まる「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。近年では脳の前部帯状回の縮小など、脳機能の異常が原因の一つとも考えられています。
主な症状
<躁状態の例>
- 自信過剰、活動過多、無計画や突発的な行動
- 睡眠時間が少なくても元気
- 多弁、浪費、危険な行動
気分が高まっている「躁状態」の際は、病気の自覚がなく、気付かないうちに周囲を傷つけてしまうこともあります。
こうした躁状態を繰り返すうちに、人間関係や家庭内でのトラブルを招いたり、場合によっては失業、破産などの社会的信用を失うリスクが大きくなることもあります。そのため周囲のサポートや躁状態のサインを把握することが重要になってきます。

<うつ状態の例>
- 気分の落ち込み、疲労感、倦怠感、興味の喪失
- 不眠(寝たいのに寝れない)や過眠
- 希死念慮
Ⅰ型(明確な躁状態)、Ⅱ型(軽躁と抑うつ)の2種類があり、治療には薬物療法と心理社会的治療が用いられます。
双極性障がいについて詳しく知りたい方はこちら
『双極性障害(躁うつ病)』とは? ~疾患解説・職場で配慮すべきポイント~ | せんとなびエージェント
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うつ病と双極性障がいの違いと職場配慮
うつ病と双極性障がいともに、ご本人にとって無理のない勤務スケジュールや、勤務体制等、職場環境を整えることは安定した長期的な就労に向けて大切なポイントです。
加えて、それぞれ症状に違いもあることから、それぞれの方の体調や症状に合わせた対応を一緒に考えていくことが必要になってきます。
うつ病の方への配慮例
- 自分のペースで作業ができる業務を与える
- 体調不良時に代替可能な体制を構築
- ストレス要因の確認と面談でのフォロー
- 軽作業や得意な分野を活かせる業務の検討
双極性障がいの方への配慮例
- 「病気の症状」として躁・うつ状態を理解する
→躁状態の後はうつ状態がくることが多いため、躁うつの波を把握し勤務スケジュールを確認する - 残業を避ける ※繁忙期の業務過多に注意
- ストレス要因の確認と面談でのフォロー
- 生活リズムを整えやすい業務(事務・単純作業・1日の流れが比較的決まっている業務など)

まとめ
うつ病と双極性障がいはそれぞれ異なる特徴を持ち、配慮すべき点も異なる部分もございます。
採用や就労の場面では、病気の理解とともに、その方が安心して働ける職場環境を整えることが、安定的な雇用・定着に結びつきます。
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