雇用・定着に向け企業が知っておくべき『うつ病』について
障がい

2021年10月8日

雇用・定着に向け企業が知っておくべき『うつ病』について

うつ病は特別な病気ではなく、誰がいつ発症してもおかしくない病気です。今は日本人の100人に6人が、生涯のうちにうつ病に罹ると言われています。今回はうつ病の方を雇用するにあたって知っておきたいポイントをまとめました。特性・配慮事項、オススメの業務についてご紹介します。
 

目次

 

⑴ うつ病とは

うつ病の原因は明確に分かっていないものの、脳の神経伝達物質の動きが悪くなるとともに、以下のような複数の要因が絡まっていると考えられています。
①環境要因
メジャーな要因として、職場や学校・家庭環境等のあらゆる生活場面におけるストレスが挙げられます。
日常における人間関係もそうですし、生活環境の変化(結婚・妊娠・出産・離婚・転居等)、大切な人やペット・物などとの別れなど様々です。
②性格・思考傾向
うつ病を発症する方には、性格の傾向として「真面目、責任感が強い、完璧主義、他人の顔をすぐ伺う」など挙げられます。勿論、これらの性格の持ち主がみな発症するわけではありませんが、一人で問題を抱え込みやすく発症するリスクもあると考えられています。
③遺伝的要因
現在あらゆる研究が進められておりますが、明確に遺伝要因が示されているわけではありません。しかしある調査によると、親・兄弟にうつ病を発症したことがある人がいると、発症率が高くなるというデータもあります。
④身体疾患
例えば脳梗塞や脳出血等、脳の血管に障がいが起きる疾患を患った場合、3割ほどの方がうつ病を発症すると言われています。脳内の気分や感情に影響を与える部分に支障がでることで、抑うつ状態になります。そこにストレス(体が思うように動けない、これまでと同じような生活ができない、仕事に復帰できない等)が加わることで、発症すると言われています。
 
うつの症状は≪精神的症状≫と≪身体的症状≫があります。
≪精神的症状の例≫
・気分が落ち込む
・何事にも関心を持てなくなる
・集中ができない
・お酒を大量に飲む
・苛々しやすくなる
≪身体的症状の例≫
・頭痛
・睡眠障がい
・腹痛
・食欲減退
・(女性の場合)生理不順
これらは前兆に気づき対処することが大切になりますが、実際にはなかなか自身で気づくことができません。周囲が変化に気づき、声を掛け合うことが大切です。
また、再発率は約60%と言われています。継続的な治療、ストレスのかからない生活習慣の実施が必要となります。

 

⑵ 業務の配慮例と採用時のポイント

再発のリスクもあるため、負担がかかりにくい業務が向いているでしょう。
以下のポイントを元に、業務を一緒に考えていきましょう
■自分のペースで作業ができる
ノルマや時間に追われるとストレスをためやすくなります。
事前に無理のない範囲で目標を設定し、こつこつと行うことが向いています。
■急に体調が悪くなったときに代わりがいる
一人で業務を抱え込むことが、再発にもつながります。
随時進捗状況を共有し、もし休んでも代わりがいるから大丈夫!と安心材料があると良いでしょう。
■好き・得意を活かせる
決まった作業をこなす軽作業や、PCが得意であれば事務やライティング業務等、本人が無理なく続けられる仕事があるかどうかを考えると良いでしょう。
 
採用時には、
これまでどんな場面で強くストレスを感じてきたかの確認し、業務内容・職場環境を考える材料としましょう。
定期的な面談の場を設け、都度改善と実施をしていくことが大切です。

 

⑶ まとめ

今回はうつ病についてご紹介しました。新たに採用する人材だけでなく、在職中に発症する場合も多いため、職場でどのような働き方が合うか本人と一緒に考えていくことが大切です。再発防止につとめながら、経験や得意なことをお仕事にされている方もいらっしゃいます。
うつ病を持つからの採用にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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