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障がい

2022年8月3日

雇用・定着に向け企業が知っておくべき『上肢障がい』について

今回は、「上肢機能障がい」の特徴や職場での配慮例をご紹介します。
配慮項目が分かりやすい「上肢障がい」ですが、それぞれの残存能力や利き手、仕事内容により配慮は多岐にわたます。
今回は「上肢障がい」の基本的な知識や、ほんの一例ではありますが、就業上の配慮例をまとめました。

⑴ 上肢障がいとは


上肢障がいとは、手・腕の部分の障がいです。
原因は、脳(運動中枢、運動神経)、その他による麻痺、筋肉・骨・関節などの部位の外傷や疾患、欠損、変形など様々です。
欠損の場合は機能が消失しておりますが、麻痺や変形の場合「動きがゆっくり、もしくは、にぶい」といった症状がでます。
痛みや痺れをともなったり、力が入りづらかったりすることもあります。
また、進行性のものもあれば、そうでないものもあり、人により状況は様々です。

【原因一例】
脊髄損傷、脊髄症、二分脊髄、脳性麻痺、脳卒中、脳出血、脳挫傷、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、切断、骨折後遺症、奇形など

⑵ 就業上の配慮例


先ほど述べたように、様々な原因や症状がある上肢障がいなので配慮項目も多岐にわたります。
ほんの一例ではございますが、下記に代表的な配慮項目をまとめました。

1)業務内容、業務スピード

麻痺や欠損などにより、行うことが困難な業務がいくつかございます。
例えば、『封入、押印、製本、お茶出し、ファイリング、筆記、PC操作』などです。
これらの業務は、避けるか、必要なときに手がかせるような体制を整えておきましょう。
支援機器を使うことも効果的です。
キーボード・マウス補助具や、音声認識ソフト、ハンズフリー電話機をを用いて健常者と変わりなくお仕事されている方も多くお見掛けします。
購入や貸与には助成金が使用できることもあるので、必要があれば検討してみてはいかがでしょうか。
また、「業務は行えるがスピードがゆっくり」という方もいらっしゃいますので、業務量や業務スピードにも配慮できるると良いでしょう。

2)通勤配慮

上肢障がいの方が見落とされやすいのが通勤の配慮です。
満員電車のなかでは、例えば、義肢の方が義肢を引き込まれたり、拘縮がある方がつり革に掴まれなかったり、バランスがとりづらかったりと、一般の方とは異なる危険が考えられます。
混雑時を避ける配慮や、時短勤務の配慮が必要な方もいらっしゃいますので注意しましょう。

3)通院配慮

ほかの障がいとも同じですが、通院に対して休暇や時短勤務などの配慮を行いましょう。
上肢障がいの方のなかには、慢性的な痛みやしびれといった症状がある方も少なくありません。
リハビリのための通院が定期的にある方もいらっしゃるので、適切な頻度で通院ができるよう、配慮していきましょう。

4)服装配慮

意外と配慮してほしいと言われることが多いのが服装についてです。
例えば、欠損部分に関してわかりづらいような服を着たいというお声や、ボタンを留めるのが難しいためワイシャツは極力着たくないというお声などをお聞きしたことがあります。
会社のルールや暗黙の了解で服装が決まっている会社様も多いとは思いますので、ご本人に許可するだけでなく周囲の方からも納得いただけるような環境づくりを同時に行っていただきたいと思います。

⑶ 最後に


具体的な配慮例をいくつかご紹介しましたが、一番大切なことは『気兼ねなく頼ることができる環境・関係性』ということです。
実際に就業している方とお話をすると、どのような配慮をいただけるかよりとあわせて、「頼みやすいか」を非常に重要視しているように感じます。
想定しきれていなかった「配慮してほしいこと」「手伝ってほしいこと」が出てきたときにご本人が気兼ねなく頼ることができて、周囲も快く受け入れることができるという環境・関係性であれば、きっと長くご活躍いただけることと存じます。

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