企業が知っておくべき『腎臓機能障がい』について
障がい

2021年11月30日

企業が知っておくべき『腎臓機能障がい』について

「腎臓機能障がい」「透析」という言葉を耳にしたことがある方は多いかもしれません。
目に見えない内部障がいですが、多くの方は透析を必要としており、周囲に障がいを伝えているからです。
しかし、実際にどんなことが大変でどんなことを配慮すべきかは知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、腎臓機能障がいの方を雇う際や、周囲にいる際に知っておくべき『腎臓機能障がい』についてご紹介いたします。

目次

 

⑴ 腎臓の働きとは?悪いとどうなるの?

腎臓の働きはいくつかありますが、最も重要な働きは「老廃物を体から排出すること」です。
血液をろ過することにより、老廃物や余分な塩分を「尿素」の形にかえて、体から排出できるようにします。
このため、腎臓の働きが悪くなると老廃物などが体に蓄積し、尿毒症になる恐れがあります。
また、老廃物を体から排出する以外にも血圧、体液量、イオンバランスを調整する働きなどもあります。

初期症状
・むくみ
・尿の変化(血尿、タンパク尿、夜間尿、頻尿)
・だるさ、貧血 など

さらに、腎臓の働きが急速に悪くなると食事療法、薬物療法、人工透析といった治療が必要となります。

 

⑵ 人工透析ってなに?~治療について~

人工透析ってなに?
人工透析とは、簡単にいうと腎臓の働き(一部分)を人工的に代替する治療のことです。
透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。

◾️血液透析とは
人工的なフィルターを通して血液から老廃物と余分な水分を濾過します。
週3回、1回あたり4時間前後の時間を要します。
時間的拘束はあるものの、医師に任せることができ、透析治療を受けている95%以上は血液透析を行なっています。

◾️腹膜透析とは
患者の腹膜を通して行う治療です。
睡眠中に行う方法や、日中に自分で透析液を交換する方法などがありますが、時間的拘束はないものの自分で行う必要があります。

腎臓機能障がいの方は、透析以外にも食事療法で塩分とタンパク質を減らす工夫をされたり、治療にともなって免疫機能が下がる方もいるので感染対策に努めたりしながら体調管理をされています。

⑶ 配慮項目について

これまでご説明してきたように、腎臓の働きが悪いと老廃物が体の中にたまりやすくなります。
その結果、疲れがたまりやすかったり、風邪になりやすいという方もいらっしゃいます。
また、老廃物を急激にためないようにしたり、汗や水分や電解質を失う環境を避けることも大事です。
ご本人や主治医の先生、支援機関と話しながら、下記のようなことに配慮していきましょう。

■具体的な配慮例
・肉体労働を避ける
・重量物の運搬を避ける、人とぶつかる危険のある業務や環境を避ける(シャントという太くした血管を守るため)
・体を動かす業務(立ち作業)は30分に1度休憩をはさむ
・夏の炎天下やクーラーのない温熱環境や、風邪をひきやすいような寒冷環境を避ける
・テレワークで業務を行う
・透析がうけられるような就業時間にする

※上記は一例ですので、ご本人と相談しながら決めていきましょう

 

⑷ まとめ


雇用・定着に向け企業が知っておくべき『腎臓機能障がい』についてをまとめました。

疲れやすい、重量物の運搬ができない、就業時間が短くなってしまう…というのはご本人からは伝えづらいということもあり、その結果、体調を崩して離職につながるケースもよく耳にします。

腎臓が悪いとどうなるのか(症状)と、どんな配慮が必要かをよく理解して、本人と話しあいながら職場定着を進めていきましょう。
当社は『腎臓機能障がい』をお持ちの障がい者の方からも、数多く転職のご相談を頂いておりますので、お気軽にご相談ください。


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