子育て支援員とは?-新たな制度のご紹介-
子育て支援員という資格をご存じですか。
子育て支援員は2015年度より国が新しく設けた制度で、主に子育て経験のある主婦を中心に子育てのお仕事を担って頂こうという認定制度です。
保育士資格との違いは国家資格と民間の資格になり、専門知識を学習した上で試験に合格しなければならない保育士資格に対し子育て支援員は研修を受けるだけで取得できます。
今回は保育士不足解消に向けて新たに導入されたこの制度の内容をお伝えいたします。
1. 取得まで
子育て支援員は国家資格である保育士資格のように試験を受け合格する必要はありません。各自治体で行っている20時間前後の研修を修了すると資格取得となります。
研修修了後は小規模クラスの保育施設などで保育士を補助する仕事に就くことが出来るようになります。また嬉しい点としてはこの研修は基本的に無料で受けられます(交通費や昼食代等は自己負担、研修内容により自己負担でテキスト購入の場合あり)
※大阪市など研修費用がかかる自治体もあります。詳しくは各自治体へお問い合わせください。
受講にあたっては基本的には無資格でもOKなのですが、一部は保育士の経験が無いと受講できないコースもありますのでご注意ください。
無料会員登録はこちら2. 研修内容
研修内容は各自治体によって異なります。東京のように無料で研修を受講できる所もあれば、大阪のように有償の自治体もあります。研修自体の内容もそれに応じて変わりますので、ご注意ください。※以下は過去の研修内容になります、最新の受講内容等は自治体のHPよりご確認ください。申し込みが多く定員に達し次第募集は修了してしまうので、定期的にチェックされることをおすすめいたします。
東京都の場合
コース | 内容 |
---|---|
地域保育コース | 少人数の子供を預かる家庭的保育(保育ママ)や小規模保育を始め、会社の中の保育所、一時預かり事業で勤務する方向けのコースです。 |
地域子育て支援コース | 地域子育て支援拠点(地域の身近な場所で気軽に親子の交流や育児相談などができる場所)や利用者支援事業(子育てひろばなどで相談などの支援を行う事業)で勤務する方向けのコースです。 |
放課後児童コース | 学童クラブ(保護者が昼間家庭にいない児童が、放課後に過ごすことができる学校の余裕教室や児童館など)で働く放課後児童支援員の補助者として勤務する方向けのコースです。 |
社会的養護コース | 乳児院や児童養護施設などの社会的な養護を必要とする子供たちが生活する施設で、補助的な支援者として勤務する方向けのコースです。 |
大阪市の場合
コース | 内容 |
---|---|
地域保育コース | 地域型保育事業 |
一時預かり事業 | |
ファミリーサポート・センター事業 | |
子育て支援員(地域型保育事業)研修 |
以上の通り、幅広くコースがあります。ご自身が今後就きたい仕事をイメージして選ぶ事が出来るのは嬉しい点ではないでしょうか。
3. 対象者
東京都開講コースの場合
対象者:都内に在住または在勤(保育など子育て支援関係)の方で、地域において保育や子育て支援などの仕事に関心を持ち、保育や子育て支援分野の各事業などの職務に従事することを希望する方。
大阪市開講コースの場合
対象者:子育て支援員として、大阪市内の地域型(小規模、家庭的、事業所内)保育事業所※認可保育所、認定こども園等に就労予定がある又は就労意志がある方。
応募資格は以下です。
大阪市内の地域型(小規模、家庭的、事業所内)保育事業所に就労予定がある又は就労意志のある方の場合
1:家庭的保育者または家庭的保育補助者の要件を満たす方
2:家庭的保育者を希望・・・家庭的保育事業所において責任者となる場合、年度の初日において満25歳以上※満65歳以下であること※家庭的保育事業を実施する時
3:家庭的保育補助者を希望・・・年度の初日において満20歳以上満65歳以下であること。
ご覧の通り、該当の自治体にもよるとは思いますが、今の所は子育て経験の無い方でも保育の仕事に就きたい方は受講可能な模様です。
無料会員登録はこちら4. 働ける施設や業務内容
現在は子育て支援員が働ける場所は主に保育園や学童保育が中心ですが、今後、特に都市部では様々な形態の児童福祉施設が開設される事が想定されており、場所により補助だけではなくより幅広い業務が可能になるかもしれません。
現在、働ける仕事は以下の通りです。
・保育園(役割:保育士の補助的なお仕事)
・学童保育(役割:補助業務が中心)
5. 保育資格取得を目指す方にはぴったり
いかがでしたでしょうか。
子育て支援員制度が普及すれば、保育士の資格を持たない方でも保育園などでお仕事をするチャンスが出てきました。
制度発足以前までであれば保育士さんを目指す方は独自に知識・技術などを積み上げた上で試験を突破する必要がありましたが、本制度により、実際に園等で業務経験を積みながら試験を目指せます。日頃から園業務に携わっていた方が知識や技術の習得が早い事は言うまでもありません。その意味では将来的に保育士資格取得を目指す方にとっては嬉しい制度ですね。
今後の制度の動向が気になるところではありますが、費用もかかりませんし、積極的に研修を受講される事をお勧めいたします。
研修場所は自治体によりけりになりますが、例えば東京都の場合は新宿、西新宿、飯田橋、立川などが会場となっており(平成29年度(第二期)東京都子育て支援員研修時)神奈川県の場合は横浜、川崎、相模原、藤沢、厚木、海老名、大和、横須賀(平成29年度(第1〜4期))で行っていますので、交通費負担などもそこまで大きくはならないと思います。いずれにしましても一度お住まいの最寄の役所に時期や場所などを確認する事をおすすめします。
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