2歳の発達障害チェックリスト12項目!専門家に相談する目安や自閉症スペクトラムの特徴とは
保育士や子育て中の親にとって、2歳児が抱える可能性のある発達障害について知っておくことはとても大切です。
この記事では、2歳児における発達障害の特徴やチェックリスト、専門医に相談する目安、療育について紹介しています。発達障害に関する正しい知識をもっていれば、支援が必要な際、早期に適切な対応ができるようになるでしょう。
ぜひ、本記事の内容を確認し、お役立てください。
1. 2歳の発達障害チェックリスト
2歳児の発達には大きな個人差がありますが、発達障害のある子どもには次のような特徴が見られます。
- 発語の遅れ
- 味やにおいに敏感
- 音に敏感
- 1人で遊ぶ傾向
- 特定のものへのこだわり
- 繰り返し同じ動きをする
- 表情が乏しい
- 寝つきが悪い
- 激しく泣く
- 抱っこを嫌がる
- 目が合わない
- 人見知りがない
■発語の遅れ
発達障害児の場合、2歳頃から少しずつ言葉の遅れが目立ち始めます。一般的な発育では、1歳半までに3~4個の単語を話し始め、3歳頃までに「わんわん いた」などの二語文を話し始めます。
一方、発達障害がある場合は、それほど多くの言葉を発せなかったり、言葉をつなぎ合わせられなかったりします。また、言われたことをそのまま繰り返すことも多いでしょう。
■味やにおいに敏感
発達障害があると、偏食があったり味やにおいに敏感だったりします。これは感覚過敏やこだわりによるもので、子どもによって表れ方が異なります。
たとえば、色や食感に強いこだわりがある、普通の味付けを濃く感じる、食べものの粘り気を強く感じるなどです。
■音に敏感
発達障害のある子どもは、特定の音に対して過敏に反応することがあります。具体的には、スピーカーやサイレンのような大きな音を嫌がったり、雷の音を聞いて泣き出したりするなどです。
■1人で遊ぶ傾向
発達障害のある場合、1人で遊ぶことを好む傾向にあります。これは発達障害における社会性の特徴でもあり、他の子と一緒に遊ぶことに興味がなかったり、消極的であったりするためです。また、極端に人見知りをすることも報告されています。
■特定のものへのこだわり
特定のものにこだわることも発達障害の特徴。たとえば、規則的な数字や言葉、特定の文字やおもちゃ、色や形などがあります。
反応としては対象物に強い関心を示し、それ以外のものを拒否したり、そのものが変化することを嫌がったりするでしょう。
■繰り返し同じ動きをする
同じ動作を繰り返すことを「常同運動」と言いますが、これも発達障害のある子どもによく見られます。
たとえば、以下のような動きです。
- 手をたたく
- 手を握りしめる
- 体を揺らす
- 机や壁をたたく
- モノを回す
上記は幼児期によく見られる行動ですが、発達障害のある子どもは、これらの動作をより頻繁に行う傾向があります。
■表情が乏しい
発達障害のある子どもは、他者とつながろうとする気持ちが働きにくいため、表情が乏しい傾向にあります。笑いかけても微笑み返さなかったり、部屋に1人でいても泣かなかったりするなどです。
■寝つきが悪い
定型発達の子どもに比べて、高い割合で睡眠障害があることも特徴の一つ。そのため、疲れているのになかなか昼寝ができなかったり、夜中に何度も目を覚ましたりするなどが挙げられます。感覚過敏のほか、不安や緊張によって睡眠が妨げられると考えられるでしょう。
■激しく泣く
発達障害のある子どもは、コミュニケーションがうまくとれないと、自分の気持ちをうまくコントロールできないため、激しく泣いたり泣き止まなかったりすることが見受けられます。
■抱っこを嫌がる
発達障害では、感覚過敏を伴うことがあります。感覚過敏のある子どもは、少し触れられるだけで痛みや圧迫感を感じるため、抱っこされるのを嫌がることがあるでしょう。
■目が合わない
目が合いにくいことも発達障害の特徴の一つ。他の人の顔や表情に興味がないか、家族や友達の顔を覚えて区別することに認知発達の遅れがある可能性もあります。アイコンタクトの取りにくさは、社会性の発達が遅れている場合にも見られる症状です。
■人見知りがない
発達障害のある子どもは、他人への興味の薄さから、人見知りをしないことがあります。そのため、誰にでも話しかける、保護者がそばにいなくても平気でいるといった行動も特徴の一つです。
無料会員登録はこちら2. 発達障害について専門家に相談する目安
発達障害について専門医に相談する目安は、次のような場合です。
- 一つひとつの症状がはっきりしている
- チェックリストの症状が多く当てはまる
- 育児が困難であると感じる
- 他の子どもと比べて明らかに違うと感じる
発達障害の早期発見と早期療育は、子どもの将来の可能性を広げます。適切な支援によって、子どもの適応能力を伸ばし、社会生活の困難の軽減を目指しましょう。
無料会員登録はこちら3. 2歳頃に「自閉症スペクトラム障害」が判明することも
自閉症スペクトラム障害(ASD)の症状は、通常3歳頃に目立ち始めますが、2歳頃に判明することもあります。仲間とのコミュニケーションが難しい自閉症スペクトラム障害では、特定の興味に偏った行動をとることが特徴。以下では、2歳頃の自閉症スペクトラム障害について紹介します。
■自閉症スペクトラム障害によく見られる特徴
自閉症スペクトラム障害には、以下のような特徴があります。
- 指差しや顔のジェスチャーがない
- 睡眠障害がある
- こだわりが強い
- 好き嫌いが激しい
2歳頃になると、大人の注意を引くために「指差しをする」「顏を見る」などの行動をとりますが、自閉症スペクトラム障害の場合は、これらの行動が見られない傾向にあります。
パパやママを含む他人と目を合わせなかったり、自分で指差すのではなく、近くにいる人の手を動かしたり(クレーン現象)する場合もあります。また、夜泣きが続く、眠りが浅くなるなどの睡眠障害が表れる子どもも少なくありません。
強いこだわりや好き嫌いの傾向も特徴的です。これらの症状が長期間続く場合は、早期に専門家の診断を受けることが望ましく、適切な支援が必要です。
4. 2歳で発達障害が疑われる場合は療育の活用もおすすめ
療育とは、子どもが将来、社会の一員として自立するために必要な医療的・教育的支援を行うことです。ここでは、療育のメリットとどこで受けられるのかを解説します。
■療育はどこで受けられる?
療育の場としては、児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなどがあります。2歳児の場合、0~6歳までの未就学児を対象とする児童発達支援センター、児童発達支援事業所の利用が可能。
発達障害が疑われる段階では、まず専門医や地域相談支援センターに相談しましょう。病院では、小児科、神経内科、心療内科、精神科などで発達障害の診断や検査ができます。
また、市町村役場の福祉課に相談すると、地域の児童発達支援事業所や児童発達支援センターなどの専門施設を紹介してもらえます。その他、乳幼児健診の際に市町村が運営する療育施設を、紹介されることもあるでしょう。
■療育は子どもにも家族にもメリットがある!
発達障害のある子どもは、適切な療育を受けることで、自己肯定感を高め、コミュニケーション能力や生活能力を向上させられます。また、家族にとっても子どもの特性を理解し、必要なサポートを受けることで、ストレスを軽減できるでしょう。
早期の取り組みは精神疾患や問題行動などの二次障害を防ぐことにもつながりますので、発達障害と診断された場合は、できるだけ早く療育を開始することが大切です。
5. まとめ
この記事では、2歳児の発達障害のチェックリストや特徴、専門医に相談する目安、療育機関について解説しました。
発達障害には個人差がありますが、早期発見と適切な支援が子どもの成長につながります。子どもの発達で気になることがある場合は、1人で悩まずに専門医や支援センターへ相談してみましょう。