保育園で行われる色水遊びとは?狙い・育まれる力・色水遊びの導入方法と遊び方を紹介
絵の具などを使って水に色をつけて遊ぶ「色水遊び」は、夏にできる遊びの中でも子どもから人気のある遊びです。遊び方がシンプルなうえに少ない材料で楽しめるため、保育の現場でも取り入れやすい遊びの一つと言えます。
今回は、色水遊びの概要と併せて、子どもに興味をもってもらうための導入方法や年齢別の遊び方を紹介します。色水遊びを保育の現場で取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 色水遊びとは
色水遊びとは、水に色をつけたり色水を混ぜて色の変化を楽しんだりする遊びのこと。ペットボトルや透明のコップを使うと混ぜた色が見えるので、色彩を楽しめるでしょう。基本的に絵の具を使うことが多いですが、子どもの年齢や遊び方次第では食紅や季節の植物を使用することもあります。
無料会員登録はこちら2. 保育における色水遊びの狙い
保育園における色水遊びには、以下の4つの狙いがあります。
- 色彩感覚を育む
- 遊びを通して道具を使いこなす
- 創造力や実行力を育む
- 知的探究心を育む
■色彩感覚を育む
色水遊びでは、子どもが遊びながら色彩感覚を身につけられます。
遊びの過程で色の濃淡や混色によって色を新たに作ったり、色の名前を学んだりすることで色彩感覚が育まれると言われています。好きな色を混ぜオリジナルの色を試しながら作っていくことで、さらに色彩感覚が豊かになるでしょう。
■遊びを通して道具を使いこなす
色水遊びはさまざまな道具を使って作業するため、手先の発達にも役立つでしょう。
また手で容器を持ち、水や色素を注いだり混ぜたりする細かい動作の繰り返しは、位置や角度、力加減をコントロールする力の発達にもつながります。色水遊びは、子どもの総合的な発達を支援する貴重な保育活動と言えるでしょう。
■創造力や実行力を育む
色水遊びは自由度が高く、結果もすぐにわかるため、自分で考え他の遊びに発展させる力、実行する力を育むことにもつながります。遊び方はシンプルですが、水の色を変えられるため、遊びながら創造性や自発性を刺激できるでしょう。
■知的探究心を育む
色水遊びは子どもの知的探究心を刺激し、どうすれば思い通りの色が作れるのか、なぜこの色になるのかといった疑問が浮かぶことで「もっと知りたい」という欲求が生まれます。
また、さまざまな実験や試行錯誤を通じて、問題を解決する方法を見つけ出します。自分自身で実験や探求を繰り返して学び、自己表現の機会を得ることで、知的な成長を遂げることができるでしょう。
3. 色水遊びに入りやすくなる保育のアイデア
子どもが色水遊びに興味関心をもつには、どのような導入方法が適しているのか紹介します。ポイントは以下の3つです。
- 色が出てくる絵本を読む
- 折り紙で色を学ぶ
- 色水マジックを見せる
■色が出てくる絵本を読む
カラフルな色が出てくる絵本の読み聞かせで、さまざまな色の存在を知るのも一つの方法。
絵本の内容は、色の表現が豊かなものを選びましょう。目を引く鮮やかなイラストや物語の展開に、子どもの興味を示す要素が含まれていることも重要です。
色への興味関心が出たり知識を吸収したりすることで、色水遊びのイメージがしやすくなるでしょう。
■折り紙で色を学ぶ
折り紙はたくさんの色があるので、どんな色があるのかを学ぶ機会にもなります。
子どもたちに自分で折り紙を選んでもらうことで、自由な発想やアイデアで創造力を表現できるでしょう。折り紙を始める前に、色の名前をクイズにしたり好きな色を選んでもらったりすることで、色を身近に感じるようになるので、積極的に取り入れてみてください。
■色水マジックを見せる
色水マジックとは、色を混ぜた水を使って驚きや変化を演出するマジックです。
色水が別の色や透明に変化する様子を見せることで、色水遊びへの関心を高める効果があります。紫キャベツで作った色水に酢や重曹を入れると色が変化する様子は、科学の原理を知らない子どもたちにはきっと魔法のように見えるでしょう。
このように「なぜ色が変わったのか、何色から何色になるのか」を考えるための導入として、色水マジックを取り入れるのは有効です。マジックショーの体験を通じて、子どもは自ら探求し、色の変化や実験の楽しみを味わうことができるでしょう。
4. 水に色をつけよう~基本の色水遊び~
まずは、基本の色水遊びの方法を紹介します。今回紹介するのは以下の3つです。
- 色つけの楽しみ方
- クレープ紙を使う色つけ遊び
- 植物を使う色つけ遊び
■色つけの楽しみ方
食紅や絵の具を溶かして楽しむ基本の色水遊びです。色つけは1~2歳児から楽しめるので、はじめての色水遊びにおすすめ。
・単色の絵の具を水に溶かす
絵の具や水の量を変えると、どのように変化するのか観察する遊び方です。透明な容器に水を入れて、絵の具を溶かして遊びましょう。
室内でも遊べますが、ビニールプールに大量の色水を作ってバケツリレーにするなどアレンジもできます。
・色の変化を楽しむ
単色の色水に別の色水を加えて、色の変化を観察してみましょう。保育士は様子を見守りながら適度にフォローする程度に留め、基本は子どもたちの自由にさせてあげます。
子どもたちが行き詰まっていたら、干渉しない程度にアドバイスしてください。
■クレープ紙を使う色つけ遊び
水の中でクレープ紙を揉むと、紙の色が溶けて色水ができます。揉み具合によって色の濃淡がどう変化するのか実験しながら簡単に楽しめるため、3歳児からできる色水遊びです。
クレープ紙ははっきりと色が出るため、子どもにも変化がわかりやすくておすすめです。
■植物を使う色つけ遊び
4歳児から実践できる色水遊びで、ビニール袋に水と採取した季節の植物を入れて強めに揉めば、色水が完成します。
予想した色と異なる結果になることも多いため、成功するためには想像力が必要になるでしょう。どんな色を作りたいのか、この植物はどんな色が出るのかについて楽しく会話をしながら、一緒に探してみるのもおすすめです。
5. 色水遊びを発展させた楽しみ方
次に、色水遊びを発展させた楽しみ方を紹介します。今回紹介するのは以下の3つです。
- ジュース屋さんごっこ
- 色水で石けん作り
- スーパーボール作り
■ジュース屋さんごっこ
【用意するもの】
- ペットボトルなどの透明な容器
- 水
- 絵の具・インク・食紅など
- 筆
【遊び方】
- 基本の作り方で色水を数種類作る
- 容器に色水を入れる
- テーブルに並べてジュース屋さんごっこ遊びをする
【ポイント】
- 役を決めて、メニューや看板なども用意するとさらに楽しめます。
- コップにラベルを書いたり、ストローをテープなどでデコレーションしみたりするのもよいでしょう。
- 誤飲の恐れがあるため、容器やストローの飲み口はしっかり封をしておいてください。
■色水で石けん作り
【用意するもの】
- 食紅
- 石けん水
- お湯
- ゼラチン
- 色水を作る容器
- 製氷機などの型
【作り方】
- お湯250mlにゼラチン30gを入れ、すぐにかき混ぜる
- 1に石けん水を60ml入れて、さらにかき混ぜる
- 別のグラスに食紅を少量入れておく
- 2を食紅と合わせる
- 混ぜ終わったら好きな型に流し込む
- 冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める
- くりぬいて取り出す
【ポイント】
- 本物の石けんとして使えるので、できあがったらみんなで手を洗ってみましょう。
- 石けん水を入れる際は早くかき混ぜると泡立ってしまうので、ゆっくりかき混ぜてください。
- つまようじを使うと型から出しやすくなります。
■スーパーボール作り
【用意するもの】
- 色水
- 割りばし
- 洗濯のり
- ホウ砂
- 塩
- ラメ(必要に応じて)
【作り方】
- 容器に色水と洗濯のりを100ccずつ入れて混ぜる(ラメ入りにする場合はここでラメを入れる)
- 水50ccにホウ砂5gを溶かし、1に加える
- 水50ccに塩15gを溶かし、2に混ぜ合わせる
- そのまま数分間放置する
- 割りばしでゆっくりかき混ぜる
- 割りばしに絡まったものを外し、水気を切る
- 手で丸めながら出てきた水分を拭く
- ボール状にすれば完成
【ポイント】
- 手順4で終わらせると、スライムが作れます。
- ボールが小さすぎると誤飲の原因になるので、注意しましょう。
6. 色水遊びをする際の注意
保育で色水遊びを実践する際に注意すべきポイントを2つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■色水の誤飲に注意する
色水は見た目がきれいなので、子どもは「おいしそう」と感じて口に入れてしまうことがあります。そのため、保育士は子どもが色水を飲まないように十分注意しましょう。
色水遊びの際は、絵の具ではなく食紅やクレープ紙など、万が一口に含んでも問題ない材料を使用するのもおすすめです。
■服や周囲の汚れに注意する
色水遊びは水や絵の具などが飛び跳ねやすいため、子どもの服だけでなく周囲を汚してしまう可能性があります。色水遊びをする前に、汚れても問題ない服に着替えたり周囲を新聞紙やビニールシートで覆ったりして、汚れ対策をしておきましょう。
もし衣服が汚れてしまった場合、沈着する前であれば、固形石けんでこすり洗いしてください。時間が経ってしまった場合は、でんぷんのりを使うとよいかもしれません。
7. まとめ
保育活動の一環で行われる色水遊びは、自由度が高く、子どもに人気の遊びです。子どもたちは色水遊びで楽しみながら色彩感覚や観察力、問題解決能力などを養えます。
今回紹介した導入方法や遊び方を実践し、子どもたちに楽しい学びの場を設けましょう。創造力や学習意欲を育む大切な経験となるので、保育の現場でも積極的に取り入れることをおすすめします。
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