こどもが奇声を上げる・大声で叫ぶ理由と対処法を解説!
子どもは、何の前触れもなく、突然大きな「キー」というような声を上げることがあります。最近ではこの声を奇声と呼んで、ご近所トラブルや保育園への苦情となることも少なくありません。子どもの奇声が原因で、周りからの冷ややかな視線を感じたり、声が響いて迷惑だというような厳しい声を浴びせられて困っていたり、病気かもしれないと悩んだりしている方向けに、なぜ子どもが奇声を上げるのかという原因と対処法をご紹介します。奇声を上げる意味や心理状態が分かれば適切に対処できるでしょう。
1. こどもの奇声としつけの関係
まず、子どもの奇声はしつけとは関係ありません。子どもが奇声を上げると「親がしっかりしていないから」と昔からよくいわれてきました。実際に現在でも一定数そう思っている人がいるのが現実です。
しかし、しつけと奇声はまったく関係なく、むしろ子どもの成長過程の中で必ずある重要な段階です。まだ言葉をうまく話せない子どもや、言葉が増えたぐらいの子どものコミュニケーション方法の一つなのです。
では、奇声を上げるのはどんなときか、具体例とともに見ていきましょう。
無料会員登録はこちら2. こどもが奇声を上げる原因と対処法
子どもが奇声を上げるのは、根本的な原因として「感情を言葉に表すことができないから」です。成長につれて、自分の気持ちを言葉にして相手に伝えられるようになると、だんだんと奇声が減っていきます。とはいえ、子どもの成長は個人差が大きいため、何歳になったら奇声がなくなるか?ということは断言できません。
何かと奇声を上げる子どもを見て、「いつまで続くのか」と心配になるかもしれませんが、何年間かの出来事で、いずれは落ち着きます。子どもが奇声を上げる主な原因と対処法が分かっていれば、疲弊せずに見守ることができるでしょう。
【主な原因】 ・ 興奮してテンションが上がっている ・ 不安やストレスを感じている ・ 疲れや眠気を感じる ・ 周りの注意を引きたい ・ 感情の表現方法が分からない ・ 適切な声量が分からない |
ここからは、子どもが奇声を上げる主な原因六つと、それぞれの対処法について解説します。
■興奮してテンションが上がっている
子どもが興奮してテンションが上がるときは、おおむね下記のような状況ではないでしょうか。
・広いお店や病院など珍しい場所に行ったとき
・友達や大好きなものを目にしたとき
・遊びが楽しいと感じたとき
病院といった「静かにしていなければならないとき」に限って、子どもはテンションが上がってしまいます。しかし、静かにさせようとして子どもを無視したり、叱って押さえつけようとしたりするのはよくありません。
子どもは、「親が話を聞いてくれない」「お願いしても無駄」と感じてしまい、無力感を強めて自己主張するのをやめてしまいます。逆に奇声を抑えるために、お菓子をあげたり、何でもいうことを聞いたりするのもやめましょう。
対処法としては以下のやり方がいいでしょう。
・外出前からルールを決めておく
・子どもに騒いではいけない理由を話す
・今興味を持ったものから離れさせる→少し意味が分かりにくかったです。
・別のことに注意を引かせる
言葉で教えても一度や二度で習慣になることではありませんので、根気強く教えましょう。
■不安やストレスを感じている
奇声を上げる原因が不安やストレスで、それを和らげるためにしていることもあります。例えば、工作やブロック遊びをしている際に奇声を出すことがあります。これは、イメージ通りにできないとき、イライラを大きな声を出して発散しているのです。
子どもによっては、絵本やテレビの少し怖いシーンで奇声を上げることもあります。対処法としては、抱きしめてあげたり、話を聞いて共感してあげたりするといいでしょう。またテレビや絵本、節分の鬼が怖いなどの場合には、子どもの目を別な方に向けて、注意をそらしてあげる方法もあります。
怖いものから守ってくれたり、不快な気持ちを認めてあげたりすることで「今の自分を大事にしてくれる存在」を感じて不安が和らいでいきます。
また、普段の生活で、体いっぱい運動をさせると精神が安定しやすいです。大人でもストレスを感じたら体を動かした方がよいといわれますが、子どもも同じです。
■疲れや眠気を感じる
長時間のお出かけやイベントなどで疲れているときなども奇声を上げることがあります。乳児期によくある黄昏泣きもここに当てはまります。
黄昏泣きとは、夕方になるとぐずって泣いてしまう現象です。原因は諸説あり、まだはっきりとは分かっていませんが、一説には日中の疲れや眠気からくるといわれています。
大人にとって「疲れたら休む、眠いなら寝る」ということは当たり前のことですが、小さいうちはそれが理解できず、自分で寝ることもできません。
その日だけであれば、ゆっくりしたり、寝かしつけたりすることで落ち着きます。しかし、毎日続いている、もしくは頻度が高いのであれば、生活リズムや日々の習慣の見直しが必要かもしれません。
見直しのためには、記録を付けるとよいでしょう。育児日記をしっかり書こうと思わず、もっと気軽に続けていきましょう。日記にメモを書いたり、育児アプリで記録したりすることもできます。
■周りの注意を引きたい
周囲の注意を引きたい際にも奇声を上げることも。「ねぇ、見て!」とこちらを見てほしいときや、声をかけても聞いてくれないとき、とりあえず大きな声を出そうとします。また、褒めてほしいときにも奇声を上げることがあります。
最近だと、Web会議中に子どもに奇声を出された……というお悩みも増えています。大人が画面ばかり見ていることで、子どもは注意を引いて反応を見たいのでしょう。このようなケースは、自分の場合だけでなく、画面の向こうの出来事でも対応に困ってしまうものです。
そういうときは、エスカレートさせないように短時間でも一旦その場から離れ、子どもの目を見て話しかけるようにしましょう。たとえ短時間でも、子どもに伝わりやすくなります。
また事前に子どもに伝えるのも有効です。少し遊んだあと、「今から〇〇をするから遊んでいてね」といって離れると心理的にも安定して奇声を上げて呼ぶことが少なくなります。
■適切な声量が分からない
言葉がある程度出るようになってきた子どもが奇声を上げてしまうのは、声の大きさを時と場合によって使い分けることができない、というケースもあります。この場合は、声の大きさは場所によって使い分けることを教えると、だんだんと適切なボリュームになっていきます。
歌で教えたり、声の大きさに番号を付けて教えたりするのも有効です。奇声を5の声、小さな声を1の声など、声の大きさに番号を付けて、「病院は1の声で話してね」「外で離れた人に呼び掛けるときは4の声がいいね」と状況と適切な声の大きさを教えてあげるとよいでしょう。
すべてを禁止するとストレスになってしまいますので、「大きな声を出していいとき」を教えることで発散させるのも有効です。
■感情の表現方法が分からない
この他にも、感情をどう表現したらいいか分からないときに奇声を上げることがあります。
・眠い
・空腹
・喉が渇いた
など生理的なものから生まれる感情です。
生理的なものは状況から察知することができるので、すぐに対応してあげれば収まります。もし、頻繁にあるようであれば、食事やお昼寝などのタイミングが本人のリズムと合っていないのかもしれません。
子どもが同じ月齢でも欲しがる頻度や量は大きく差があるため、記録を付けるとリズムが分かり、対応しやすくなります。ただし、規則性が感じられない、どうしても不安だという場合には、下の「子どもの奇声と発達障害や病気との関係は?」を参考にしてください。それでも解決できないようであれば、医師と相談するのがよいでしょう。
無料会員登録はこちら3. こどもの奇声に対処するときのポイント
対処方法は分かっても、子どもの奇声を抑えるのに思うようにならないときもあるでしょう。そのようなときは、下記の二つのポイントに注意して子どもに接してみてください。
・イライラしたり怒鳴ったりしない
「キー」という甲高い声を不快に感じ、ついイライラしたり怒鳴ったりしてしまいがちですが、それは逆効果です。他人に子どもの声のことで注意された経験のある人は、すぐにやめさせようと思いついやってしまうこともありますが気を付けましょう。
・子どもの気持ちに寄り添う
「子どもの気持ちに寄り添う」とは、子どもの気持ちを言語化して、共感してあげることです。言語化するというと難しく考えてしまいがちですが、短い言葉でも十分です。とにかく、私はあなたの味方だよ、ということが子どもに伝わるように接しましょう。
■イライラしたり怒鳴ったりしない
私たちが子どもに対してイライラしたり怒鳴ったりしてはいけない理由は、感情をぶつけることで逆効果になるからです。時にはさらにヒートアップしてしまうこともあります。
そのようなときは子どもが落ち着くまで待って、こちらも落ち着いた口調で話しかけるようにしましょう。だんだんと「奇声を上げても特別なことが起こるわけではない」と学習するようになります。中には無心で淡々と話しかける人もいるようです。
とはいえ、つい自分自身もイライラしてしまい、感情が収まらないときもあるでしょう。そんなときは、ほんの少しだけ子どもと離れてみると、自分を客観視できます。また、状況や自分の感情を書き留めておき、あとでふり返ることで「前も同じようなことがあった」と気が付くことができ、平静でいられるようになります。落ち着いて対処できるようになれば、子どもの奇声も収まりやすくなります。
■こどもの気持ちに寄り添う
子どもの気持ちに寄り添うことは、豊かな表現を覚えさせることにつながり、大人や友達に気持ちを伝えやすくなります。
奇声を上げた際には、まず「どうしたの?」と声をかけ、本人が説明するのを待ちましょう。状況が分かったところで、言葉に詰まったときは代弁してあげます。待たずに代弁してしまうと、逆に自分の気持ちを話さなくなってしまうこともあるため気を付けましょう。
例えば、子どもが挑戦しようとしてもうまくできずに奇声を上げてしまうときには、「ここまでできたね」「頑張っているね」と、できなくても頑張っている姿を褒めます。また、「悔しかったね」「すごく惜しかったね、あと少しでできそうだよ」と、ネガティブな気持ちを受け止めて、もう一度やってみようという声かけをするといいでしょう。
また、うまくできて奇声を上げたときには、「やったね」「うれしいね」「頑張った」「かっこいい」「すごい」など、喜びの言葉をかけてあげましょう。
無料会員登録はこちら4. こどもの奇声と発達障害や病気との関係は?
子どもの奇声が続くと、病気かもしれないと思う方もいるかもしれませんが、奇声は成長段階において、必ずあることです。
乳児から3歳前後までの子どもは、大声を上げたり、癇癪(かんしゃく)を起こしたりすることがよくあります。3歳前後と書きましたが、これはあくまでも目安です。子どもの成長は個人差が大きいので、「奇声=発達障害などの病気」とはいえません。
ただし、言葉がしっかり話せるようになる4歳以降になって、言い聞かせてもなかなか奇声が治らない場合には発達障害などの可能性もあります。6歳を過ぎたあたりでどうしても気になる場合には、専門家に診てもらうといいでしょう。
■発達障害を疑ったときの相談先は
「発達障害かもしれない……」と不安であれば、かかりつけの小児科医や精神科医に相談しましょう。他には地域の保健センターや子育て支援センターなどもあります。
発達障害の子どもの特徴として
・ 一方的に話す
・ 会話が成り立ちにくい
・ 相手の気持ちが汲み取れない
・ 融通が利かない
・ こだわりが強い
・ 落ち着きがない
・ 多動
・ 衝動的な行動がある
・ 光や音に敏感・もしくは過敏
などが挙げられます。もし、これらに当てはまっているのならば、相談してみるとよいでしょう。必要があれば、検査や適切な処方、支援を受けられますし、仮に当てはまらなかったとしても、困りごとを相談することで解決の糸口を見つけられるかもしれません。
5. まとめ
子どもの奇声は、現在もなお誤解される場面が多くありますが、心身の成長においてとても大切な段階です。無理に抑え込もうとせず、ゆったりとした気持ちで向き合うことが大切です。子どもの気持ちを受け止めてあげると、成長とともに落ち着いていきます。幼児期を過ぎてどうしても気になる場合には、専門家に診てもらいましょう。
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