障がい

2020年12月2日

障がい者雇用で成功するコツ

障がい者雇用をしている企業は増えてきているものの、受入れが初めてになる事業所はまだまだ多いのではないでしょうか。

障がい者雇用で成功したいと思う気持ちは皆同じで、いかに会社として欲しいターゲットを採用できるかに固執しがちですが、採用がゴールでない限り、成功のポイントはそこではありません。

障がいのある人を受け入れたことのない職場では、障がいに対する不安があり、見えないからこそ不安が増幅します。
気を遣いすぎるとそれはそれで本人にとっても良くはなく、仕事が全然もらえずモチベーションが上がらない、という理由で退職される方もいます。

障がい者の方々の特性、受入れ現場は1つとして同じものはなく、それがゆえに「これをやれば絶対成功する」というのは存在しませんが、
私が関わらせていただいた経験を踏まえると、障がい者雇用で成功する企業の共通点、成功するコツとしては、「職場体験実習」の実施です。


簡単に言うと、障がい者を一定期間企業が受け入れることで、この実習を行うことでわかることは、
・仕事内容が適切に行えるのか
・規則正しく出社できるのか、また仕事による体力は問題ないか
・ストレスを適切に対処できるか
・報告や返事などのコミュニケーションがしっかりとれるか
などなどです。

たとえ輝かしい職歴で、PCスキルがどんなに高くても、リアルな職場ではどうかというと、働いてみないとわかりません。

実習というと、
「雇用前提なのではないか」
「計画書や申請書など様々な書式を提出しなくてはいけないのではないか」
「数週間~の実施期間がないとだめなのではないか」
などの思い込みもあるかもしれませんが、そうではありません。

たしかにそのような形態もありますが、就労移行支援事業所が個別に実施している実習であれば、柔軟に対応できるケースも多くあります。

移行支援事業所の実習生からすると、確かに就労を目指す機関ではありますが、リアルな職場体験を積み、第三者からのアセスメントをもらうことで自分を客観視でき、より向いている業務、得意不得意がわかります。

実習の進め方は就労移行支援事業所によりますが、数日単位でも実施可能で、申込書などのも特にないところもございます。

実際の雇用となると、実習生とは違う特性のある方が雇用になるかもしれませんが、受入れ側からすると、思った以上に任せられる仕事が見つかったり、もちろんその逆も発見されるはずです。

よく言われる「業務の切り出し」は、単純作業を切り出し、それを障がい者雇用枠の業務とするのが良いかというと、そうでもありません。
ご本人との面談を踏まえて、より適切な業務を任せられるよう、自部門自部署の業務内容をより詳しく把握する必要があると現場が気づけば、より具体的な業務内容を人事担当も把握でき、面接でミスマッチが防ぎやすいです。


また、より実習生が働きやすい職場にするために、
・担当職員が近くに座り、質問を気軽にできるような座席配置をする
・パソコンの作業マニュアルをカラー・イラスト入りでわかりやすく作成する
などの、環境整備や進め方において工夫がされていくことでしょう。

以上が、実習を受け入れることのメリットです。
デメリットは、受け入れ部署の調整、マンパワーがかかることでしょうか。
ただ、ミスマッチの上に配属し、早期離職となるとそれ以上の負担がかかります。

実習後、もしその実習生が就職を希望し、かつ受入れ側も問題なければ、当然そのまま面接の流れに進めることもできます。
実習生としても、実習に参加することで自己理解も深まるだけではなく、自信を持つことができ、不安を軽減することもできます。

実習の目的として、企業における実際の業務を体験して知ることや、自身の力が企業で通用するのかを試すことですので、就労先を決めるものではありませんが、上記のメリットもあるとなると、実習としての価値がでてくるはずです。

求職者も、求人票からは実務をイメージしづらいですし、企業も、書類や面接だけでは職場にマッチするか判断しづらい事実があるので、是非1度、実習受け入れを行ってみてください。

どこにまずは相談すればよいかわからないというお声がありましたら、弊社は多くの就労移行支援事業所と連携しているので、より適切な事象所をご紹介し、実習の段取りをお手伝いいたします!

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