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保育

2022年5月11日

リズム遊びとは?ねらいや遊び方のポイント、おすすめのリズム遊びを紹介

乳幼児期における周囲の環境は、子どもの心身の成長に大きく影響することがわかっています。特に聴覚や視覚は敏感であり、この時期に行う保育はとても重要です。

近年では、リトミックと呼ばれる音楽と運動によって表現力を養う教育が注目されていますが、日本でも昔から「リズム遊び」という保育があります。
リズム遊びは主に音楽に合わせて体を動かす活動で、子どもの心身の発達に欠かせないものです。

今回は、年齢ごとに適したリズム遊びを紹介していきます。 これから保育関連に就職しようとしている方や、リズム遊びについて知りたい方は参考にしてみてください。

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1. リズム遊びとは?


リズム遊びとは、その名の通り歌やリズムに合わせて体を動かす遊びです。
動かす体の範囲は、手遊び歌のように手指のみを動かすものから、体全体を動かすものまでさまざまです。

リズム遊びのねらいは、子どもたちのリズム感や運動能力を鍛えることです。
幼少期から音楽やそれに伴う運動に触れることは、心身の成長に繋がります。

また、楽器を使って演奏したり音楽に合わせて動きを変えたりすることで、同じ遊びでも遊び方のレパートリーを増やせるなど、子どもたちを飽きさせない工夫ができます。

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2. リズム遊びのねらい


リズム遊びは子どもにとってさまざまな効果が期待できるため、多くの保育現場で取り入れられています。期待できる主な効果は次の通りです。

● リズム感が身につく
● 表現力が身につく
● 協調性が身につく
● 集中力が身につく
● 心身の成長に役立つ

以下、詳しく解説します。

■リズム感が身につく

主に音楽を用いるリズム遊びを行うと、自然とリズム感が身につきます。また、音のアップダウンやスピードの変化に触れることで、音楽を聞き分ける能力も養われるのです。

さらに、手遊び歌の多くは同じリズムやメロディが使われているため、何度も遊んでいるうちに音感も体得できます。
音感やリズム感を幼い頃から体得しておくことは、芸術面の能力を伸ばすことに繋がると言えます。

■表現力が身につく

リズム遊びは、まだ言語による表現ができない子どもたちにとって、自分の感情を表現する手段の一つです。

音楽に合わせて体を揺らしたり手をたたいたりすることで、自己表現力が養われます。
また、成長するにつれて音楽の歌詞が理解できるようになると、言葉の発達にも繋がっていきます。

■協調性が身につく

リズム遊びは基本的に一人で行う遊びではありません。
手本になってくれる保育士、一緒に遊んでくれる友達と一緒に行うのが一般的です。

意識的にみんなでリズムを揃えようと心を一つにするため、協調性が生まれるきっかけになります。

■集中力が身につく

上述の協調性に通ずる部分がありますが、リズム遊びは集中力の向上にも繋がります。
リズムを覚えるためには音楽をしっかりと聞く必要があり、保育士や友達とリズムを揃えるためには周囲をよく観察しなければなりません。

これらの行動をとるうちに、集中力が自ずと身につくのです。

■心身の成長に役立つ

リズム遊びは、手足を細かく動かしたり音楽に合わせて全身を動かしたりするため、体の成長にも良い影響を与えます。

また、上述したように表現力や集中力なども培われるため、心の成長にも良い影響を与えてくれます。

成長期の子どもにとって外遊びのように思いきり体を動かす機会は大切ですが、悪天候の日などは室内でリズム遊びを取り入れると運動代わりになるので良いです。

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3. リズム遊びの楽しみ方


リズム遊びは工夫次第で無限の楽しみ方ができます。
子どもたちに飽きを感じさせないことも保育を行う際の基本となるので、次のようなリズム遊びのアレンジアイデアを参考にしてみてください。

● 手拍子など自分の体でリズムをとる
● ピアノにあわせて体を動かす
● 楽器を使う

以下、詳しく解説します。

■手拍子など自分の体でリズムをとる

手拍子は体を使ってリズムをとる方法の一つです。
音楽に合わせてみんなで手拍子をすることで、自然と一体感が生まれます。
手だけでなくお腹や肩など他の部位もたたいて音を鳴らすと、変化が生まれるので子どもに飽きを感じさせません。

「タン・タン」といった単調なリズムに慣れてきたら、「タン・タタン」といった少し不規則なリズムを取り入れても良いです。

■ピアノにあわせて体を動かす

保育士がピアノを弾き、その音に合わせて子どもたちが自由に体を動かすというリズム遊びもあります。
ピアノの音の大小に合わせて体の動きに強弱をつけるようにすれば、表現力の向上に役立ちます。

スタッカートで弾いた場合はジャンプ、三連符で弾いた場合はスキップなどのルールを決めても良いです。

■楽器を使う

既存の音楽を使うだけでなく、時には自分たちで作った楽器を用いるのも良いです。
例えば、ペットボトルにあずきを入れたマラカスや紙コップに厚紙を貼った太鼓など、楽器を自作します。完成した楽器に絵を描いたりシールを貼ったりすることで自分だけのオリジナリティも出せます。

手作り楽器を使うことで、ほかのリズム遊びとはまた違った盛り上がり方ができるはずです。

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4. リズム遊びをする際のポイント


リズム遊びは子どもたちの心身に良い影響を与える保育ですが、いくつかのポイントに注意しておかなければ、その効果は発揮されません。

● 子どもの年齢に合った内容にする
● スペースを確保する

以下、詳しく解説します。

■子供の年齢に合った内容にする

低年齢の子どもに高度なリズム遊びはできませんし、高年齢の子どもに簡単なリズム遊びをさせては物足りません。
そのため、保育でリズム遊びを取り入れる場合は子どもの年齢に適した内容にする必要があります。

また、リズム遊びでのねらいを明確にしたり子どもたちに興味を持たせたりすることも大切です。

■スペースを確保する

保育を行う場合は安全面の配慮も必要不可欠です。
特にリズム遊びは体全体を使い走ったり飛び跳ねたりするため、広いスペースの確保が必要になります。

また、リズム遊びをする前に、「友達を押さない」などの約束事を子どもたちと決めておくことも、リスク管理として大切です。

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5. 0~1歳児向けのおすすめリズム遊び


一般的に0〜1歳の子どもは、おすわりができるようになったり歩き始めたりと成長段階はさまざま。そのため、まだ自分で思い通りに体を動かせない子どもには保育士のサポートが必要です。

0〜1歳の子どもにおすすめのリズム遊びの代表例は次の通りです。

● 大きな栗の木の下で
● 手をたたきましょう

以下、詳しく解説します。

■大きな栗の木の下で

1. おおきなくりの(両手を上げる)
2. きの(両手を頭に置く)
3. した(両手を肩に置く)
4. で(両手を下ろす)
5. あなたと(指をさす)
6. わたし(指をさす)
7. なか(片手を胸に)
8. よく(片手を胸に)
9. あそびま(首を左に)
10. しょう(首を右に)
11. おおきなくりの(両手を上げる)
12. きの(両手を頭に置く)
13. した(両手を肩に置く)
14. で(両手を下ろす)

『大きな栗の木の下で』は、手を大きく上げたり腕や首を動かしたり、全身を目いっぱい使うのが特徴です。
つま先立ちができる子どもには、「大きな栗の」の部分でつま先立ちをさせてみるのも良いです。大きく伸びをすることで、体の発達に良い影響を与えてくれます。

■手をたたきましょう

1. てをたたきましょう(手拍子)
2. タンタンタンタンタンタン(手拍子)
3. あしぶみしましょう(両手は腰で足踏み)
4. タンタンタンタンタンタンタン(両手は腰で足踏み)
5. わらいましょう(両手はパーで笑顔)
6. ワッハッハ(両手はパーで笑顔)
7. わらいましょう(両手はパーで笑顔)
8. ワッハッハ(両手はパーで笑顔)
9. ワッハッハワッハッハ(両手はパーで笑顔)
10. あぁおもしろい(両手は左右に振る)
※1~4繰り返し
11. おこりましょう(腕を組んで怒り顔)
12. プンプンプン(腕を組んで怒り顔)
13. おこりましょう(腕を組んで怒り顔)
14. プンプンプン(腕を組んで怒り顔)
15. プンプンプンプンプンプン(腕を組んで怒り顔)
16. あぁおもしろい(両手は左右に振る)
※1~4繰り返し
17. なきましょう(両手は目の前で泣き顔)
18. エンエンエン(両手は目の前で泣き顔)
19. なきましょう(両手は目の前で泣き顔)
20. エンエンエン(両手は目の前で泣き顔)
21. エンエンエンエンエンエン(両手は目の前で泣き顔)
22. あぁおもしろい(両手は左右に振る)

『手をたたきましょう』は、手拍子や足踏みだけで楽しめるリズム遊びです。
「笑う」「怒る」「泣く」といった感情を表現する部分で、動作だけでなく表情も付けるなど少し大げさに表現すると、子どもたちの表現力にも良い影響を与えます。

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6. 2~3歳児向けのおすすめリズム遊び


2〜3歳の子どもは人の真似ができるようになってくる年齢です。
また、ジャンプや片足立ちといった高度な運動もできるようになってきます。

2〜3歳の子どもにおすすめのリズム遊びの代表例は次の通りです。

● 幸せなら手をたたこう
● いとまき

以下、詳しく解説します。

■幸せなら手をたたこう

1. しあわせならてをたたこう(両手をたたく)
2. しあわせならてをたたこう(両手をたたく)
3. しあわせならたいどでしめそうよ
4. ほらみんなでてをたたこう(両手をたたく)

※以下、「手をたたこう」部分のアレンジです。

● 肩たたこう(肩をトントン)
● お腹たたこう(お腹をポンポン)
● 足ならそう(足でドンドン)
● 指ならそう(指をパチン)
● ウインクしよう(片目をつぶる)
● 手をつなごう(隣の人の手を握る)
● ジャンプしよう(高く飛ぶ)

『幸せなら手をたたこう』は、基本的に手をたたくだけのシンプルなリズム遊びの歌です。
そのぶん、アレンジを加えることでさまざまな遊び方ができます。テンポを少し早くするなど、難易度を上げることも可能です。

■いとまき

1. いとまきまきいとまきまき(両手はグーでクルクル回す)
2. ひいてひいて(横にひっぱる)
3. トントントン(げんこつを合わせる)
4. いとまきまきいとまきまき(両手はグーでクルクル回す)
5. ひいてひいて(横にひっぱる)
6. トントントン(げんこつを合わせる)
7. できたできた(万歳する)
8. 〇〇ちゃんのおくつ(差し出す仕草)

『いとまき』は、向かい合って座りながら行うリズム遊びです。
糸まきの動作が上手くできない子どもには、保育士や保護者が手助けしてあげてください。

歌詞の「〇〇」の部分には、子どもの名前を入れます。また、「おくつ」の部分は帽子や手袋に変更するのも良いです。

7. 4~5歳児向けのおすすめリズム遊び


4〜5歳は、全身を使ったリズム遊びを取り入れるのに適した年齢です。
動きの内容を理解してくる年齢なので、ゲーム性をメインに取り入れると良いです。

4〜5歳の子どもにおすすめのリズム遊びの代表例は次の通りです。

● 春が来た ● はたらくくるま

以下、詳しく解説します。

■春が来た

1. はるがきた、はるがきた、どこにきた
2. やまにきた、さとにきた、のにもきた
3. はながさく、はながさく、どこにさく
4. やまにさく、さとにさく、のにもさく
5. とりがなく、とりがなく、どこでなく
6. やまでなく、さとでなく、のでもなく

『春が来た』は同じメロディを繰り返す歌なので、そのままでは、対象年齢のわりに簡単なリズム遊びになってしまいます。
そのため、多くの保育の現場ではペットボトルや紙コップなどを使った手作り楽器で合奏する曲として選ばれることが多いです。
節を増やす、テンポを早くするなど難易度の調整もしやすくなっています。

■はたらくくるま

1. のりものあつまれ(両手でリズム)
2. いろんなくるま(両手でリズム)
3. どんどん(片手グー)
4. でてこい(片手グー)
5. はたらくくるま(両手でリズム)
6. ハガキやおてがみあつめる、ゆうびんしゃ(両手で表現)
7. まちじゅうキレイにおそうじ、せいそうしゃ(両手で表現)
8. けがにんびょうにんいそいで、きゅうきゅうしゃ(両手で表現)
9. ビルのかじには、ハシゴしょうぼうしゃ(両手で表現)
10. いろんなくるまがあるんだな(両手でリズム)
11. いろんなおしごとあるんだな(両手でリズム)
12. はしるはしるはたらくくるま(両手でリズム)

『はたらくくるま』は、体を目いっぱい使うリズム遊びです。
あえて歌詞を口に出さずにジェスチャーだけで表現して、子どもたちに乗り物を当ててもらっても盛り上がります。
さまざまな乗り物が登場するので、子どもが乗り物に興味を持つきっかけになるかもしれません。

8. リズム遊びのまとめ


リズム遊びは子どもの心身の成長に欠かせない保育の一つです。

幼少期から音楽に触れることで、リズム感はもちろん、集中力や表現力といった大人になるうえで必要となる能力を養えます。

また、子どもの成長度合いやおおよその年齢に合わせて提供するリズム遊びを選ぶことも大切です。
さらに、子どもたちに積極的に参加してもらえるよう、日頃から子どもたちの興味や関心などにも注目しておかなければいけません。

これから保育に関する仕事に携わろうとしている方は、今回紹介した内容を参考に、年齢ごとに適切なリズム遊びの選び方やアレンジ方法を覚えておきましょう。

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小野寺和菜

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。保育士。 保育士として認可保育園で5年間勤務。保育士経験に基づく求職者目線での記事作成が得意。

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