なぜ訪問リハの給料は高い?仕事内容や特徴について解説!
訪問リハを就業先として検討している方であれば、訪問リハの給料が高い理由を知りたい方も多いのではないでしょうか。病院などの固定の場所での勤務よりも、訪問してリハビリを行う勤務のほうが給料も高くなるのには、主に3つの理由があります。
この記事では、訪問リハの給料が高い理由と、仕事内容や特徴についてご説明します。
1. 訪問リハビリの給料が高いのはなぜ?
訪問リハの給料が高い主な理由は、以下の3つです。
● 給料形態が独特
● 1軒ごとの単価がよい
● インセンティブ(出来高制)が多い
■給料形態が独特
訪問リハの給与形態は、1訪問あたりの単価で設定されていることが多い傾向にあります。つまり1日あたりの訪問数が多いと、給料も高くなる仕組みです。ただし、移動時間は時給換算されません。拠点から近い場所への訪問も、移動に1時間以上かかる訪問も同じ1訪問としてカウントされる点に注意しましょう。
■1軒ごとの単価がよい
訪問リハは、1軒ごとの単価が高い傾向にあります。20分を一区切りとして考えるため、20分ごとに訪問単価が上がっていく計算です。
たとえば、要介護の方のご自宅に訪問した場合、時間が長くなるほど単価は高くなります。
● 20分訪問307単位
● 40分訪問614単位
● 60分訪問921単位
(※1単位10~11.1円)
■インセンティブ(出来高制)が多い
訪問リハは、ほとんどの場合インセンティブの設定があります。
インセンティブとは出来高制のことで、基本給に加えて、超過分の給料が発生することです。つまり、働いた分だけ給料が上がるのがインセンティブのメリットと言えるでしょう。
2. 【勤務先別】理学療法士などの平均年収を比較
勤務先別に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の平均年収を比較してみましょう。
H3. 病院勤務の場合
令和3年に実施された「医療経済実態調査」によると、病院勤務の場合病院の規模や収容人数などによって給料に差がでるようですが、それぞれの職種による年収の違いはそれほどありません。
開設者など | 月額給与 | 年収 |
国立 | 346,490 | 5,303,777 |
私立 | 351,439 | 5,488,074 |
医療法人 | 281,917 | 4,108,060 |
個人 | 296,131 | 4,202,434 |
※月支給額×12+賞与で計算
■訪問リハの場合
訪問リハにおけるそれぞれの平均年収は、以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
理学療法士 | 4,735,896 |
作業療法士 | 4,533,540 |
言語聴覚士 | 4,635,312 |
※月支給額×12+賞与で計算
■訪問看護での給料について
訪問看護での年収は、それぞれ訪問リハよりも平均で100万円ほど高くなります。開設者や運営先によっても多少異なりますので、あくまでも目安として参考にしてください。
3. 訪問リハビリテーションの仕事内容
ここからは、訪問リハの仕事内容をご説明していきます。
■主な仕事内容
訪問リハでの仕事内容は、理学療法士や作業療法士などの専門分野によって業務が若干異なりますが、主な内容は以下の通りです。
【訪問先で行う業務】
● 問診やバイタルチェックなどの健康管理
● 病状や身体機能の確認と把握
● 歩行や食事、排泄などの生活動作訓練
● 口腔(こうくう)ケアや食事内容のアドバイスなどの摂食えん下訓練マッサージ(麻痺や床ずれ予防のため)
● 環境整備のサポート
● 福祉用具の選定に関するアドバイス
● 家族に対する介助方法などの指導
【訪問先以外での業務】
● 退院前カンファレンスへの出席
● サービス担当者会議への出席
● リハビリテーション実施計画書や報告書作成および報告作業
● 医師や担当ケアマネジャーとの連絡業務
● その他関係者との連携
■1日のスケジュール
訪問リハの1日のスケジュールを簡単にご紹介します。
8:30 | 出社・ミーティングなど |
9:00 | 利用者宅を訪問(3~4件) |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 利用者宅を訪問(3~4件) |
16:00 | サービス担当者会議への参加 |
17:00 | 書類整理業務、主治医やケアマネへの連絡業務など |
17:30 | 退社 |
毎日同じスケジュールでの稼働ではないため、日によって訪問数や会議などは変動します。
■訪問リハビリに必要な資格
訪問リハで働くためには、理学療法士をはじめ、作業療法士や言語聴覚士などの国家資格が必要です。さらに、利用者宅への訪問には車を使う場合がほとんどであるため、運転免許証も必須です。
4. 訪問リハビリの求人を探す際の注意点
訪問リハの求人を探す場合、これからご紹介する3つのポイントに注意して探しましょう。
■給与・年収の内訳が詳細に明記されているか
求人広告に、給与や年収の内訳詳細が明記されているかを確認しましょう。
基本給や手当、賞与はもちろん、移動の交通費が支給されるかどうかも大切なポイントです。
■労働時間や休日数が明記されているか
労働時間や休日数が明記されているかを確認しましょう。
自身が希望する勤務形態かどうかや、給与と労働時間とのバランスを検討することが重要です。
■福利厚生が整っているか
福利厚生は事業所によって異なることが多いため、チェックすべき項目と言えます。求人の詳細欄から福利厚生について比較し、整っている求人を選びましょう。
5. 訪問リハビリの仕事で大変な部分とは
訪問リハの仕事は給料が高くなる反面、大変な部分もあります。訪問リハの仕事で大変な部分をあらかじめ知っておけば、心構えができるでしょう。
■訪問リハビリの仕事の大変なところ
訪問リハの大変なところは、基本的に1人ですべての作業を行うため、仕事量が多くなる点です。何か問題が起こった場合も、自分の力のみで解決する必要があります。また、移動が多く、交通状況や利用者の都合などで時間にズレが生じることもあります。常に時間に追われているところも、人によっては大変だと感じるかもしれません。
そして、利用者だけではなく訪問先の家族とのコミュニケーションも必要になるため、人とかかわることが苦手な人にとっては大変だと感じるでしょう。
■訪問リハビリにはやりがいも多い!
訪問リハは大変な部分も多い仕事ですが、その分やりがいも多い仕事です。たとえば、利用者の回復を近くで感じ取れることは、訪問リハの大きな魅力と言えるでしょう。
また、さまざまな職種や関係機関との連携をとりながら、利用者のために何が必要かを検討しながら向き合うのもやりがいにつながります。利用者に対する気付きをすぐ実践し合える環境も、病院内での勤務などとは違ったやりがいを感じられるでしょう。
6. まとめ
今回は訪問リハの給料が高い理由についてご説明してきました。訪問リハならではの大変さがある反面、高い給料やインセンティブが設定されており、やりがいも大きい仕事です。ぜひ自身の希望に合った求人を見つけ、訪問リハでスキルを発揮してください。