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介護

2022年8月16日

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)とは?なる方法も解説

介護支援専門員として実務経験を積んでいく中で、さらにキャリアを向上させたい方、制度や社会資源についての知識を身につけたい方には、主任介護支援専門員がおすすめです。
主任介護支援専門員は、ケアマネジャーの上位職として介護支援サービスを円滑に進める役割があります。
この記事では主任介護支援専門員のなり方や役割、仕事内容などを説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

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1. 主任介護支援専門員とは


主任介護支援専門員とは、ケアマネジャー(介護支援専門員)が指定された研修を修了することで取得できる資格のことであり、2006年の介護保険改定とともに新設されました。
主に地域包括支援センターに在籍が義務付けられており、ケアマネジャーへの指導や助言を行う介護相談のスペシャリストです。

■主任介護支援専門員に求められる役割

ケアマネジャーは療養者が安心して暮らせるよう、医療機関や介護サービスなどその人に合わせたケアプランの作成をしています。
しかしケアマネジャーの育成が遅れている、資質が問われるという指摘から専門性の向上を図る目的で、主任介護支援専門員の配置が決定しました。主任介護支援専門員に求められる役割は、主に3つあります。

● ケアマネジャーの育成
ケアマネジャーへのアドバイスや指導をすることで育成を図り、一人ひとりのスキルアップを目指します。

● 社会資源の情報収集を行うこと
介護保険や福祉サービスは、定期的に改訂されたり新しく事業所ができたりするなど変化が起きるため、常に地域にアンテナを張っておく必要があります。

● 多職種や他事業所との連携を図ること
主任介護支援専門員がそれぞれの事業所と連携して情報を共有することで、円滑に療養者へ提案やサービスの開始が可能になります。

■主任介護支援専門員とケアマネジャーの違い

具体的に、主任介護支援専門員とケアマネジャーは何が違うのでしょうか?
主任介護支援専門員はケアマネジャーとしての実務経験が十分にあり、かつ主任介護支援専門員になるための講習を受けて修了することで得られる資格です。そのため、ケアマネジャーの上位資格と言えるでしょう。

一方、ケアマネジャーは居宅ケアマネと施設ケアマネに分かれています。居宅ケアマネは自宅で過ごす療養者が対象であり、施設ケアマネは介護施設に入所している利用者を対象とした、一人ひとりに合ったケアプランを作成するのが仕事です。

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2. 主任介護支援専門員の仕事内容は?


主任介護支援専門員の仕事内容について2つの点を説明していきます。

● ケアマネジャーの育成業務
リーダー的存在として新人ケアマネジャー業務を指導したり後輩にアドバイスしたりなど、人材育成が仕事になっています。

● 地域の療養者が抱える医療面・介護面の問題を見つけ出し、必要な社会資源を探すこと
地域にはどのような病気を抱えている療養者がいるのか、介護レベル・家族背景などを把握して、適した社会資源を探さなくてはなりません。そのためには、広い視野と高度な専門的知識が必要と言えるでしょう。

3. 主任介護支援専門員として働ける職場


主任介護支援専門員として働ける職場は主に3種類ありますので、職場での主な役割も含めてそれぞれ説明していきます。

● 地域包括支援センター
保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が在籍し、地域住民に医療・介護・福祉の面で総合的に支援する事業所を指します。主任介護支援専門員の役割は、地域住民の相談窓口となり、適切な福祉サービスなどの提案を行うことです。

● 介護老人福祉施設
特別養護老人ホームと呼ばれ、要介護3~5の認定を受けた65歳以上の方が利用の対象です。主任介護支援専門員の役割はケアプラン作成であり、ケアマネジャーのリーダー的存在として、人材育成の役割も担っています。

● 介護療養型医療施設
介護度が高いのに加え、たん吸引や経管栄養など医療行為を常時必要とする方が入所の対象です。病院に近い介護療養型医療施設での主任介護支援専門員の主な役割は、ケアプランを作成することです。医師も在籍しているため、医療面での知識が必要となるでしょう。

4. 主任介護支援専門員になるには?


主任介護支援専門員になるには、受験資格を満たし「主任介護支援専門員研修」を受講しなければなりません。
指定された日程の研修を受講し、修了すれば資格を取得できるので、難易度は高くないでしょう。

次は主任介護支援専門員の受験資格や、研修内容について紹介していきます。

■主任介護支援専門員の受験資格

4つある条件のうち、いずれか1つを満たしていれば受験資格が得られます。

【主任介護支援専門員の受験資格】
● ケアマネジャーとして専属で勤務した経験が5年以上ある
● ケアマネジメントリーダー養成研修を修了している、または日本ケアマネジメント学会などが定める認定ケアマネジャーであり、専属で勤務した経験が3年以上ある
● 主任介護支援専門員に準ずる者として、すでに地域包括支援センターで勤務している
● ケアマネジャーとして十分な知識と経験があると都道府県から判断されている

厚生労働省の主任介護支援専門員研修ガイドラインには、上記4つの受験資格以外に、各都道府県で独自に受験資格を与える基準を設定してもよいことになっています。
研修の受講を検討している都道府県に、確認してみましょう。

■主任介護支援専門員研修

具体的な研修費用やその内容について説明していきます。
主任介護支援専門員の研修費用は3~7万円と受講する都道府県によって差があるため、あらかじめ確認しておきましょう。ちなみに、全国平均は5万円と言われています。
研修の日程についても都道府県によって異なります。連続して研修するところもりますが、一定期間内に研修日を設けて実施していることがほとんどです。

・主任介護支援専門員の研修内容

主任介護支援専門員の研修内容についてどのようなことを行うのか、厚生労働省の主任介護支援専門員ガイドラインを基に、科目と時間数を説明していきます。

科目 時間数
主任介護支援専門員の役割と視点 講義5時間
ケアマネジメント 講義2時間
人材育成・業務管理 講義3時間
運営管理におけるリスクマネジメント 講義3時間
地域援助技術 講義・演習6時間
ケアマネジメントに必要な医療との連携・多職種協働の実現 講義・演習6時間
対人援助者監督指導 講義・演習18時間
個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開 講義・演習24時間

・主任介護支援専門員研修への申込方法

主任介護支援専門員研修への申込方法について説明します。
各都道府県のホームページを見ると、主任介護支援専門員研修の申込用紙が添付されているので、プリントして書き込みましょう。
研修場所は、各都道府県の介護支援専門員協会が定めているので、詳しくは介護支援専門員協会のホームページを確認してください。

■主任介護支援専門員は更新研修が必要

主任介護支援専門員の資格には、修了証に記載されている日付から5年間と有効期限が設けられており、有効期限の2年前から更新研修が受講可能です。
研修の申込方法は、主任介護専門員の研修と同様に申込用紙を記入し、各都道府県の介護支援専門員協会が定める場所で研修を行います。
科目と時間数は以下の表を参照してください。

科目 時間数
介護保険制度および地域包括ケアシステムの動向 講義4時間
主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践 講義・演習6時間
看取り等における看護サービスの活用に関する事例 講義・演習6時間
認知症に関する事例 講義・演習6時間
入退院時等における医療との連携に関する事例 講義・演習6時間
家族への支援の視点が必要な事例 講義・演習6時間
社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例 講義・演習6時間
状態に応じた多様なサービスの活用に関する事例 講義・演習6時間


5. 最短で主任介護支援専門員の資格を取るには?


通常ケアマネジャーとしての実務経験が5年以上で、主任介護支援専門員への受験資格が得られますが、認定ケアマネジャーの資格を取れば実務経験3年以上から研修の受講が可能です。
ケアマネジャー専属で実務経験を3年積み、認定ケアマネジャーの資格を取得すれば主任介護支援専門員になれるので、2年短縮できます。
ケアマネジャーの資格がない場合は、他の決められた職種で5年の実務経験を経て「介護支援専門員実務研修試験」に合格しなければならないため、最短でも8年かかります。

6. 主任介護支援専門員の求人情報


主任介護支援専門員の就職先は、先ほど紹介した地域包括支援センターや介護老人福祉施設、介護療養型施設などがほとんどです。
雇用形態は正社員、パートなどさまざまな働き方が募集されているため、これから主任介護支援専門員になりたいと考えている方にも働きやすい職場が見つかるでしょう。
「求人あるある 介護」では多様な施設、雇用形態の求人が豊富にあります。
ぜひホームページを確認してみてください。

https://st-navi.jp/kyujinaruaru/

7. 主任介護支援専門員の年収


業務はもちろん、収入が気になる方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省が出している「介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ケアマネジャーの月収が約350,000円、年収で4,200,000円であるとわかりました。
主任介護支援専門員の収入は厚生労働省では調査していないため、具体的な金額はわかっていません。ただし、ケアマネジャーのリーダー的存在であるため、事業所によっては役職手当が加算されている場合も考慮すると、年収はケアマネジャーより高いことが多いでしょう。

8. 主任介護支援専門員のやりがい


主任介護支援専門員の仕事は広い視野や知識、経験が必要であり、大変そうと思う方もいると思いますが、その分やりがいを感じられるとも言えます。
主任介護支援専門員としての仕事のやりがいを2つ紹介しましょう。

1. 介護保険制度や社会資源など専門知識が得られることで、アドバイザーとしてのやりがいを感じられます。介護・福祉分野のプロとして困っている療養者をはじめ、ケアマネジャーの育成にも携わることも可能です。
2. さまざまな職種や事業所と交流することで、たくさんの人とコミュニケーションが取れます。主任介護支援専門員を目指す方には「人と話すのが好き」「いろいろな人とコミュニケーションが取りたい」と思っている方が多いのではないでしょうか。多様な職種や事業所の方と交流をすることで得られる経験は、介護に携わる方にとってやりがいとなるでしょう。

9. まとめ


主任介護支援専門員とは何か、仕事内容や役割、資格を取るための流れについて説明してきました。
ケアマネジャーの上位資格である主任介護支援専門員は、ケアマネジャーの育成や悩みを解決したり、福祉サービスなどの社会資源について情報を集めたりなど、仕事内容は多岐にわたります。
主任介護支援専門員の資格を取るためには、ケアマネジャーの実務経験が5年以上もしくは認定ケアマネの資格を取って3年以上の実務経験が必要ですが、研修を受講して修了すれば資格が取れるため、難易度は高くありません。
ケアマネジャーよりも収入が上がり、仕事内容にもよりやりがいが感じられる主任介護支援専門員はスキルアップに最適な資格のため、あなたに合った方法でぜひ資格取得に挑戦してみてください。

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