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保育

2022年3月8日

ジェスチャーゲームのお題とルール!保育のねらいやアレンジ方法も紹介

出題者の振る舞いだけで、回答者にお題が何なのかを伝える「ジェスチャーゲーム」は、「声を出してはいけない」というルールがあるため、出題する側は「どうすればうまく伝えられるか」「どのように表現すれば良いか」と試行錯誤する様子が見られ、回答する側も見ている側も楽しめるゲームです。子どもから大人まで、幅広い年代で楽しめるジェスチャーゲームは、基本的なルールを守ることで、さまざまなジャンルのお題を扱うことができる他、ルールにアレンジを加えることで、より楽しむことができます。本記事では、保育にジェスチャーゲームを取り入れるねらい、基本となる決め事、保育所における年齢別のおすすめのお題について説明します。ジェスチャーゲームを保育所で導入する際の参考にしてみてください。

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1. ジェスチャーゲームとは?


ジェスチャーゲームとは、出題する側が回答する側に身振り手振りのジェスチャーで、お題の内容を伝えるゲームのことです。もちろん、声を出すことも物を使うこともできません。どの年代でも楽しむことができるので、子どもたちにとっては、比較的分かりやすいお題を提供することで、保育所でも気軽に取り入れることができます。

ゲームには、決め事や一連の流れがあります。このゲームは、2人1組以外に、複数人数など大勢で行う場合もあるので、参加人数を問わず行える点がメリットの一つです。お題を準備するための紙とペンさえあれば、室内・屋外問わず、どこでも行えるので、悪天候により外で遊べない日のレクリエーションとしても、代用することができます。また、年齢別や子どもたちの理解度に合わせて、難易度を変更できる点も魅力です。

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2. 保育でのジェスチャーゲームのねらい


保育にジェスチャーゲームを取り入れる最大のねらいは、コミュニケーション能力、想像力、表現力を養える点です。具体的には、以下の3つがあります。

● 頭の中で想像したことを、身体を使って表現することで、楽しいと感じられる
● ルールに従って遊ぶ楽しさを学べる
● 友達とコミュニケーションを図る楽しさを知ることができる

出題する側は、声を出さずに体の動きだけで、回答する側にお題の内容を伝える必要があります。そのため、どのように表現すれば相手に伝わるか、想像力を働かせ、試行錯誤しながら表現しようとします。また、回答する側からすると、出題する側が何を表現しようとしているのだろうとイメージを膨らませて答えるため、出題する側と回答する側それぞれの想像力や表現力を養うことができます。

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3. ジェスチャーゲームの基本的な流れとルール


まずは、ジェスチャーゲームの基本的な流れについて、説明します。

 1.事前準備として、保育士がスケッチブックにお題を書いておく
 2.子どもたちを出題する側と回答する側に分ける
 3.保育士は回答する側の子どもの後ろに立ち、出題する側の子どもにお題を見せる
 4.出題する側の子どもは、声を出さずに身振り手振りのジェスチャーでお題を表現する
 5.回答する側の子どもは、お題を出す側の子どもの動作を見て、何を表現しているのか回答する(回答は、正解するまで何度でもOK)
 6.正解が出たら、次のお題を出題する
 7.逆に正解が出ない場合であっても次のお題に進む

各チームで制限時間を設けることで、テンポよく進めることができるでしょう。次に、ゲームでの決め事に関して説明します。

● 出題する側はしゃべらない
● 子ども達にとってわかりやすいお題を選ぶ
● 順番を守る

ルールについては、参加する子どもたち全員が楽しめるように、きちんと理解させることが大切です。子どもたち全員に理解してもらうまでは、時間がかかるかもしれませんが、ゲームを始める前に保育士同士でお手本を見せたり、「ジェスチャーする人は、おしゃべりしてもいいのかな?」と、ルール自体をクイズ形式にしたりすることで、子どもたちの理解を深めることができます。

一方で、難しすぎるお題を選んでしまうと、正解が出づらくなり、ジェスチャーゲームが予定通りに進まなくなるだけではなく、子どもたちが飽きてしまう可能性も出てきます。保育所でジェスチャーゲームをする際のおすすめのお題に関しては、後述しますので参考にしてみてください。

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4. ジェスチャーゲームの遊び方のポイント


ジェスチャーゲームを行う人数別での遊び方のポイント、特徴的なルールについて説明します。人数に違いがあったとしても、基本的なルールは、以下のように変わりません。

● 出題する側の子どもはしゃべらない
● 回答する側の子どもは何度でも回答できる
● 走ったり、物を使ったりしてはいけない

人数ごとでの遊び方のポイントについて、説明します。

■2人の場合

2人1組で楽しむ場合の基本的な遊び方は、以下の通りです。

 1.2人を向かい合わせ、出題する側の子どもに保育士がお題を伝える
 2.出題する側の子どもは、回答する側の子どもに対し、身振り手振りの動きでお題の内容を伝える
 3.回答する側の子どもは、お題の答えが何かを答える

子どもが1人の場合は、保育士とペアになると、ひらめいたお題をお互いにジェスチャーしながら楽しむことができます。また、制限時間を設けることで、「時間内に何問正解できたか」など、盛り上がることができるでしょう。

■複数人の場合

3人以上の複数人で楽しむ場合の遊び方のポイントは、以下の通りです。

● 出題する側の子どもにのみお題を伝える
● 例えば「雨」「猫」など、表現しやすいお題を用意する
● 次に順番が来る子どもには、名前を呼んだり、肩に触れたりして合図をしてあげる

子どもにお題を伝える際には、スケッチブックや紙に書くのも良いですが、耳打ちで伝えてあげる方法もあります。ゲームに慣れるまでは、比較的表現しやすく、答えやすいお題を準備しておくと、参加する子どもたち全員が楽しむことができます。

■大人数の場合

大人数で複数のグループを作り、チーム戦にして楽しむ方法です。人数が多いため、お題を伝える際は、回答する側の子どもの後ろ側から、事前にスケッチブックに書いたお題を出題する側の子どもだけに見せます。お題は、出題する側の子どもが理解できるように、大きく書きましょう。

ただ、回答する側の子どもたちが後ろを振り向いてしまうと、お題の答えが分かってしまいます。そのため、回答する子どもたちには、「出題する順番になるまでは、後ろを振り向かないように」と、ルールを教えておくことが大切です。

その他にも、正解が出ない場合は、「パス」をしてジェスチャーする子どもを変えても良いなど、事前にルールを決めておくのもおすすめです。

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5. ジェスチャーゲームにおすすめのお題


ジェスチャーゲームにおすすめのお題について、3歳児(年少)から5歳児(年長)までの年齢別、ジャンル別にまとめてみました。年齢別での園児の特徴を踏まえてお題を載せているので、参考にしてみてください。

■3歳児(年少)におすすめのお題

3歳児(年少)におすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● ネコ
● ウサギ
● イヌ
● カタツムリ
● チョウ
● アンパンマン
● カエル
● ミッキーマウス
● ゾウ
● ゴリラ
● サル

3歳児は、話し言葉の基礎ができてくる時期のため、子ども同士だけだと言葉のやり取りがうまく行えない場合があります。そのため、3歳児がジェスチャーゲームを行う場合は、動物や人気キャラクターなど、理解しやすいお題にすることが大切です。

3歳児の中には、お題を伝えようと一生懸命になるあまりに、声を出して動物のまねをしてしまうことがあります。その場合は、声を出さないように注意するのではなく、「お題さえ言わなければ、動物の声をまねしてもOK」と、臨機応変にルールを変更し、対応するようにしましょう。何度もゲームを行うことで、子どもたちも次第に慣れてきて、声を出さずに出題できるようになります。できることが徐々に増えてきたら、元の「しゃべらないというルール」に戻し、遊んでいくのも良いでしょう。

■4歳児(年中)におすすめのお題

4歳児(年中)におすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● はさみ
● 野菜
● 料理
● テレビ
● サッカー
● 野球
● 車
● お昼寝
● 水泳

4歳児は、3歳児と比べて理解度が上がるため、より多領域のお題を選ぶことができます。一方で、仲間意識も発達するため、子どもたちだけで遊ぶ中、トラブルが生まれることもあります。そのため、保育士がうまく関わりながら、ルールを守って遊ぶことの大切さや、想像力を働かせて相手に伝える楽しさを共有できると良いでしょう。

■5歳児(年長)におすすめのお題

5歳児(年長)におすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● 太鼓
● ラッパ
● 歌手
● イモムシ
● バイオリン
● 芸人
● お寿司屋さん
● 美容師さん
● ケーキ屋さん
● お医者さん
● 電車の運転士さん
● 「誰が」「何をしているところか」という内容のお題

5歳児は、知識量がより増えてくるため、少し難しいお題を出すと、挑戦する気持ちや好奇心を高めることができます。「誰が」「何をしているところか」という内容のお題は、例えば「ウサギが」「ダンスを踊っているところ」や、「犬が」「車の運転をしているところ」などが挙げられます。実際には起こらないような場面を想像できるお題を出すことで、想像力が掻き立てられ、より盛り上がることができるでしょう。

一方で、難しすぎるお題を出してしまうと、答えられない子どもや飽きてくる子どもが出てきます。そのため、ジェスチャーゲームに参加する子どもたちの理解度、流行っていること、興味のあること、また発達の状況を把握した上で、お題を選ぶと良いでしょう。

■ジャンル別のおすすめのお題

ジャンル別におけるおすすめのお題について、説明します。どの年齢の園児にもなじみがあり、ジェスチャーしやすいお題をジャンルごとにまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

・動物

動物に関するおすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● イヌ
● ネコ
● ウサギ
● ゴリラ
● キリン
● ゾウ
● サル
● カエル
● ペンギン

なじみ深い動物のお題を取り入れることで、ジェスチャーする側だけでなく、回答する側のテンポも良くなり、ゲームの流れがスムーズに進みます。

・楽器

楽器に関するおすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● 太鼓
● ピアノ
● 笛
● ラッパ
● ドラム
● バイオリン
● ギター

太鼓、笛、ピアノは、実際に保育所にある楽器なので、お題にしやすい内容であるといえます。特に、楽器を弾いている様子をジェスチャーすると、回答が得られやすくなります。

・スポーツ

スポーツに関するおすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● 水泳
● 野球
● サッカー
● テニス
● 剣道
● 跳び箱
● 卓球
● バスケットボール
● ボクシング

跳び箱やサッカーなどといった実際に保育所で取り入れている物から、テレビで見たことのある競技まで、目にする機会の多いスポーツは、比較的答えやすいお題であるといえます。例えば、ボクシングの場合は「キックやパンチを繰り出すまねをする」、野球の場合は「ピッチャーのように構えてボールをバットで打つまねをする」など、スポーツをプレイする人の動きをまねすることで、ジェスチャーする側も表現しやすく、かつ回答する側も答えやすくなります。

・職業

職業に関するおすすめのお題としては、以下のような例が挙げられます。

● お医者さん
● 歯医者さん
● 美容師さん
● ケーキ屋さん
● 電車の運転士さん
● お寿司屋さん

子どもたちにとって店や病院は、実際に関わることの多い職業なので、なじみ深く、答えやすいお題でもあります。答えが出づらい場合には、「髪を切ってくれる人は誰?」「病気を治してくれる人は誰?」といったような形で、保育士がヒントを提供するのも良いでしょう。

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6. ジェスチャーゲームのアレンジ方法


ジェスチャーゲームに子どもたちが慣れてきたら、ゲームの内容をアレンジすると、さらに盛り上がります。以下、3つのアレンジ方法について、まとめてみました。基本的なルールは変えずに楽しめるアレンジ方法となっています。

■制限時間を設ける

「1人当たり60秒」「1チーム当たり3分」など、ジェスチャーゲームに対して制限時間を設けると、時間内にたくさん答えようとする子どもたちの頑張る姿が見られます。「時間内に、どの友達までジェスチャーで伝えられるか」といった伝言要素を取り入れてみるのも良いでしょう。とはいえ、いきなり短い時間を設定すると、子どもたちが戸惑ってしまうことがあるため、制限時間を徐々に狭めていくのがおすすめです。「あとどれくらいで時間が来るよ」と、保育士が声を掛けることで、ゲームに参加していない子どもたちも、ドキドキ感を味わいながら楽しむことができます。

■くじ引きを導入する

複数人でジェスチャーゲームを行う際は、くじ引きで当たった人がお題を提供できるなど、ルールをアレンジすると、より楽しむことができるでしょう。例えば、出題する側を希望する子どもが多い場合でも、くじ引きで事前に決めておくと、ゲームをスムーズに進めることができます。5歳児(年長)クラスの場合は、「自分でお題を決めても良い」「回答者か出題者か、好きな方を選べる」など、ルールを追加してみるのも良いでしょう。

■大きな紙を使う

画用紙やスケッチブックなど、大きな紙に答えを書いておき、回答しない子どもたちにだけ答えが見えるようにする方法です。出題する側と回答する側以外の子どもたち全員が、答えを知りながら楽しむことができます。一方で、紙に書いたお題を、出題する側の子ども以外に見せないようにする方法も、回答しない子どもたちも含めて、みんなで答えを考えることができます。

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7. 盛り上がるジェスチャーゲームのまとめ


ジェスチャーゲームは、出題する側が回答する側に対して、お題の内容を身振り手振りで伝えるゲームです。保育にジェスチャーゲームを取り入れることで、コミュニケーション能力、想像力、表現力が養うことができます。どの年代でも楽しむことができるので、保育所においても気軽に取り入れることができます。ルールは、至ってシンプルです。出題する側はしゃべらないようにし、順番を守るよう、子どもたちには事前に伝えておきます。比較的簡単なお題から始め、慣れてきたら少し難しいお題にレベルを上げる他、制限時間やくじ引きのルールもアレンジとして加えると、より楽しむことができます。ジェスチャーゲームを保育に取り入れる際には、本記事で紹介した遊び方のポイントやおすすめのお題など、ぜひ参考にしてみてください。

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小野寺和菜

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。保育士。 保育士として認可保育園で5年間勤務。保育士経験に基づく求職者目線での記事作成が得意。

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