言葉遊びとは?ねらいやメリット、年齢別の言葉遊びのアイデアを紹介!
幼児期の成長は著しく、生きていく上で必要な基礎を培う大切な時期です。親や周りの大人から手を借りて生きてきた乳児期に対して、幼児期は自我が芽生え、身の回りのことを自分で行い、少しずつ学習能力を習得していきます。
そのため、発達スピードの早い幼児期に保育現場で行う言葉遊びは、ことばを習得し、集団生活の中でコミュニケーション能力を培うのにうってつけです。さらに、他の遊びとは異なり、道具不要で遊べるというメリットがあります。
今回は保育現場での言葉遊びのねらいやメリット、年齢別におすすめの遊び方アイデアを紹介していきます。
1. 保育での言葉遊びとは?
言葉遊びとは、しりとりやなぞなぞゲームなどのように言葉を使って連想させたり、言葉のリズムを楽しんだりする遊びのことです。
言葉遊びをすると、自然と語彙力や表現力を養うことができます。また、言語能力の発達が目覚ましい幼児期から言葉遊びを行うことで、コミュニケーション能力や思考力を身に着けることにも役立ちます。
使うものは基本的に言葉のみなので、幼稚園や保育園など制約がある場所でも手軽に遊びを取り入れられることがメリットです。
無料会員登録はこちら2. 言葉遊びのねらい
言葉遊びは、主に以下のような効果があると言われています。
● 表現力が身につく
● 語彙力が養われる
● コミュニケーション能力が向上する
● 思考力が高まる
順番に解説していきます。
■表現力が身につく
言葉遊びは幼児期の子どもにとって言葉の表現力を学ぶきっかけとなります。
幼児期は、大人のように言葉を使って的確に気持ちを表現することが難しく、まだまだ自分の気持ちを全て言葉で説明するのは難しい時期です。そのため、言葉遊びの中で言葉のシャワーを浴びることで、「こんな表現をすれば良いんだ」「こんな言葉があるんだ」と知るきっかけになり、表現力が身につくと言われています。
■語彙力が養われる
幼児期は知らない言葉をどんどん吸収し、語彙力を養う時期です。
言葉遊びをすることで、通常の会話だけでは得られない、新しい言葉を知ることができます。言葉を使って遊んでいるうちに、いつの間にかいろいろな単語をインプットできるため、自然と語彙力も養うことができます。
■コミュニケーション能力が向上する
言葉遊びをするうえで、遊びのルールを理解したり、協力してゲームを行ったりするために会話は不可欠です。そのため、自然と言葉のキャッチボールが生まれ、コミュニケーション能力の向上が期待できます。
また、言葉遊びは複数人で行うことが多いため、一度に多くの友達や先生と関わることができ、コミュニケーション能力も磨かれていきます。
■思考力が高まる
しりとりや逆さ言葉遊びなどを行うと、答えを導き出すために思考し、発想し、回答するプロセスが発生します。言葉遊びの答えを導き出す過程には考える力が必要とされるため、思考力も高められます。
無料会員登録はこちら3. 保育で言葉遊びを取り入れるメリット
保育現場で言葉遊びを取り入れるメリットは、準備が不要でいつでもどこでも遊べることです。
言葉を使用する遊びのため、道具を用意する必要がありません。保育の現場は屋外活動でしかできない遊びも多くありますが、言葉遊びは基本的に場所を選ばず、どこでもできる遊びです。そのため、雨の日などの室内保育のときにも楽しめます。また、遠足のバスのレクリエーションとしても取り入れることが可能です。
無料会員登録はこちら4. 3歳児向けのおすすめ言葉遊びアイデア
3歳児(年少)は、自我がだんだんと芽生えてきて「なんでも自分でやりたい」という自立心が高まる時期です。また、自分中心の遊びから、少しずつ周りの友達を意識して社会性が育まれる時期でもあります。
■3歳児の特徴と言葉遊びの選び方
3歳児は話し言葉の基礎ができる時期です。
いろいろな言葉に興味を持ち、覚えていく段階なので、「しりとり」や「言葉集めゲーム」などのかんたんな言葉遊びを通じて語彙力を養っていきましょう。
■しりとり
しりとりは単語の語尾を取ってことばを繋げていく遊びです。
例えば、「しりとり」「りんご」「ごりら」といったように、単語のおしりについている語尾を取って順番に答えていきます。「ん」で終わる単語を言ったら負けというシンプルなルールのため、3歳児の子どもでも理解して遊ぶことができます。
言葉の始めの音と終わりの音を意識する遊びなので、ひらがなの音について知るきっかけとなり、同時にいろいろな単語を覚えることで語彙力が養われます。
■言葉集めゲーム
言葉集めゲームは、最初にひらがな1文字を決め、その文字がはじめにつく言葉を多く集めた人が勝ちというゲームです。
例えば、「か」がお題だった場合、「かさ」「かみ」「からす」「カンガルー」といった「か」で始まる単語をできるだけたくさん答えていきます。
紙などに書いて集める方法もありますが、3歳児はひらがなが書ける子は少ないので、先生がボードに書く、順番に答えていくなど工夫して遊びましょう。
言葉集めゲームをすることで、同じ1文字のひらがなから始まる単語にもいろいろなものがあることを知り、語彙力向上のきっかけとなります。
5. 4歳児向けのおすすめ言葉遊びアイデア
4歳児(年中)は、日常会話が上達し、想像力が豊かになり、空想してお話を作ることができます。また、友達や保育者などの気持ちをくみ取れるようになり、より周りとのコミュニケーションが取れるようになっていきます。
■4歳児の特徴と言葉遊びの選び方
4歳児までに話せるようになる言葉は、約1,700語と言われています。
語彙数が増えるだけでなく、目の前にないものを言葉だけで想像できるようになってくる時期なので、「連想遊び」や「私はだれでしょうゲーム」などの表現力や思考力が鍛えられる遊びがおすすめです。
■連想遊び
連想遊びは、抽象的なお題に対して、想像力を使って連想されるものを答えていく遊びです。
例えば、「大きくて丸いものはなんだ?」というお題であった場合、「つき」「ちきゅう」「とけい」「ボール」など、お題に対して連想できる単語をたくさん答えていきます。
その場にないものを想像して答えを導き出していくので、想像力や思考力が養われます。
■私はだれでしょうゲーム
私はだれでしょうゲームは、ある物になりきってヒントを出していき、まわりの人がその正体を当てるゲームです。
例えば、出題者が「くつ」をお題に決めてなりきるとします。
「私は、いろいろな色と柄があります」
「私は、保育園に行くときに使います」
「私は、お外に行くときに使うものです」
上記のように出題者はいくつかヒントを出したら、最後に「私はだれでしょう?」と尋ねましょう。回答者は、ヒントから導き出されるものを答えてください。
出題者はお題に対するイメージを膨らませながらヒントを出していくので、表現力が鍛えられます。一方で、回答者は抽象的なヒントから答えを想像するので想像力・思考力の両方が養われます。
無料会員登録はこちら6. 5歳児向けのおすすめ言葉遊びアイデア
5歳児(年長)は、食事や排泄など身の回りのほとんどのことを自分で行うことができるようになります。論理的な思考力や言語能力、記憶力が向上し、周りの友達と関わって遊ぶといった社会性がより身についていく時期でもあります。
■5歳児の特徴と言葉遊びの選び方
5歳児は言語能力が発達し、単語ではなく文章で自分の気持ちを伝えられるようになります。
記憶力や思考力も向上してくるため、「なぞなぞゲーム」や「逆さ言葉遊び」などの少し高度な言葉遊びを取り入れると良いです。
■なぞなぞゲーム
なぞなぞゲームは、問題文を聞いて答えを推測するゲームです。
例えば、出題者が出した「食べると安心するケーキってなんだ?」というなぞなぞに対して、回答者は「ホットケーキ」と答えます。なぞなぞの出題文を考えるのは難しいので、最初は問題を出すのは保育士が行い、慣れたら子どもたちにもチャレンジさせましょう。
出題者はなぞなぞを考える思考力や表現力、回答者はなぞなぞから答えを想像する発想力や思考力が磨かれます。
■逆さ言葉遊び
逆さ言葉遊びは、その名の通り言葉を逆さから読む遊びです。上から読んでも下から読んでも同じ音になる「回文」を見つけて楽しむ遊び方もあります。
例えば、お題が「ほいくし」であれば「しくいほ」、「ようちえん」であれば「んえちうよ」のように逆さから読んで回答していきます。「しんぶんし」「とまと」のように回答も同じになるものを回文と言いますが、遊びの中で回文を見つけて楽しむのも良いです。
発想力・記憶力が必要になる遊びで、周りの友達とコミュニケーションを取りながら逆さ言葉を言い合うシーンも生まれます。
7. 言葉遊びのまとめ
幼児期である3~5歳の年齢別に言葉遊びのアイデアを紹介しました。言葉遊びは、多くの言語を吸収する幼児期において、語彙力だけでなくコミュニケーション能力の発達にも役立ちます。年齢に応じた言葉遊びを取り入れることで、子どもたちの意欲向上と成長段階に合わせた能力を発揮して遊ぶことができます。
保育の現場では、「準備時間はないものの、次の活動を始めるまで余裕がある」「雨が降ってきて、急きょ外に出られない」といったシーンに活躍する遊びです。言葉遊びを取り入れることで、楽しみながら健やかな幼児期の心身の発達を促しましょう。
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