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介護

2022年3月16日

介護認定調査員は辛い!? なるための条件や資格、給料を解説!

「介護認定調査員」は、介護保険の介護認定の1次判定の際に、必要な情報を集めるために聞き取りを実施する調査員のことを指します。対象者の家に足を運び、本人や家族から身体や心の状態をヒアリングし、調査票を作成する仕事です。
また、要介護度の認定を左右する仕事でもあり、重要な業務であるといえるでしょう。2020年4月には、資格を取得するための条件が緩和され、実務経験のある介護福祉士も調査員として働けるようになりました。実務経験を生かし、現場と異なる方法で利用者と接する仕事に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護認定調査員の仕事内容、必要な要件、資格などについて詳しく紹介します。

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1. 介護認定調査員とは


「介護認定調査員」は、「要介護認定」を決定するに当たって調査する仕事です。要介護認定は、介護サービスを利用したい人に対して、どのくらいの支援をするかについて判断する基準であり、段階ごとに調査を行い、1次判定の際の聞き取り調査を介護認定調査員が実施します。

要介護認定をする際の調査は、1次判定、2次判定に分かれています。最初に、1次判定の参考となる情報を収集するために、介護認定調査員がサービスの利用を申し出た人に対し、聞き取り調査を実施します。これは、審査に関わる情報を調査し提供する重要な仕事であり、サービス利用を希望する高齢者の状況を正確に届けるために、意見書や調査書を作成します。

しかし、介護認定調査員が1次判定の全責任を負うというわけではありません。聞き取り調査を行うだけで正確に個々の状況を判断するのは極めて困難であり、聞き取り調査の内容と主治医の意見書を基に、パソコンのシステムで1次判定を実施します。その後、システムによる1次判定の情報を基に、介護認定審査会が2次判定を行い、要介護度を認定します。

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2. 介護認定調査員の仕事内容


介護認定調査員が行う調査には、概況調査、基本調査などがあり、項目が非常に細かく分かれています。実際に仕事する際には、何を調査するかについて確認しておきましょう。

■調査の内容

以下、介護認定調査員の仕事とは、どのようなものなのか、実際に調査すべき内容を紹介します。

・概況調査

「概況調査」とは、現在受けているサービス、自宅、家族、既往歴といった対象者の状況を調査するものです。概況調査票には、調査実施者、調査対象者、サービスの状況、家族、自宅などの環境を記載します。

・基本調査

「基本調査」では、身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応について調査します。それぞれ6〜15項目に分かれているため、調査項目についても確認しておきましょう。

【身体機能・起居動作】
● まひ等の有無
● 拘縮の有無
● 寝返り
● 起き上がり
● 座位保持
● 両足で立ったままでいられるか
● 歩行できるか
● 立ち上がり
● 片足で立つ
● 身体を洗う
● 爪切り
● 視力
● 聴力

【生活機能】
● 移乗
● 移動
● 食事を飲み込む
● 食事を取る
● 排尿
● 排便
● 歯磨きやうがい
● 洗顔
● 髪を洗う
● 上着の着脱
● ズボンの着脱
● 外出頻度

【認知機能】
● 意思の伝達
● 毎日の日課を理解
● 生年月日や年齢
● 短期記憶
● 自分の名前
● 季節を理解する
● 場所の理解
● 徘徊
● 外出して帰ってこられない

【精神・行動障害】
● 被害妄想
● 作り話
● 感情が不安定
● 昼夜の逆転
● 同じ話を繰り返す
● 大声を出す
● 介護を拒否する
● 落ち着きがない
● 外に出たがる
● 物を集めたり無断で持ってきたりする
● 物を壊したり服を破いたりする
● 物忘れ
● 独り言や独り笑いをする
● 自分勝手に行動する
● 話がまとまらず、会話できない

【社会生活への適応】
● 薬の内服
● お金の管理
● 意思決定
● 集団に適応できない
● 買い物
● 調理

【過去 14 日間にうけた特別な医療】
①処置内容
● 点滴の管理
● 経管栄養
● 中心静脈栄養
● 透析
● 酸素療法
● レスピレーター(人工呼吸器)
● ストーマ(人工肛門)の処置
● 気管切開の処置
● 疼痛の看護

②特別な対応
● モニター測定
● カテーテル
● 褥瘡(床擦れ)の処置

・特記事項

「特記事項」とは、聞き取り調査と確認調査書に記載されている内容が一致していない場合や、説明しなければならない場合に記載されます。例えば、基本調査票の能力に関して、実際に確認した動きと普段の状態が異なるケースなどが挙げられます。

3. 介護認定調査員に必要な要件・資格


介護認定調査は、自治体を主体に行われています。しかし、自治体の職員のみでは調査しきれないことから、介護保険施設や指定居宅介護支援事業者に調査を委託しており、自治体の職員や自治体から委託されたケアマネジャーなどが調査を実施しているのが現状です。

以下、介護認定調査員として働くための要件や資格の有無について、解説します。

■必要な資格

介護認定調査は、介護支援専門員の他、一定の条件を満たす人によって行われます。一定の条件とは、都道府県が行っている調査員研修を修了し、委託元の自治体が行う研修を受けることです。また、以下の資格を持っており、資格取得後5年以上、資格に関わる業務に従事していることも条件です。対象の資格としては、以下のようなものが挙げられます。

● 医師
● 歯科医師
● 薬剤師
● 保健師
● 助産師
● 看護師
● 准看護師
● 歯科衛生士
● 理学療法士
● 作業療法士
● 言語聴覚士
● 社会福祉士
● 介護福祉士
● 視能訓練士
● 義肢装具士
● 柔道整復師
● あん摩マッサージ指圧師
● はり師
● きゅう師
● 栄養士
● 精神保健福祉士

なお、該当資格に関する業務とは、それぞれの資格に関する実務経験のことではなく、介護での実務経験のことを指します。

4. 介護認定調査員の主な就職先


介護認定調査員は、自治体の職員や業務を受託する法人が行っています。地域によって異なりますが、自治体の非常勤職員で求人を募集しているケースもあるでしょう。給料や雇用形態は、受託する法人や自治体によって異なり、雇用期間が決まっているケースもあります。

法人は、自治体が事業所を指定し、業務を委託している組織のことを指します。地域ごとに異なりますが、基本的には、社会福祉法人や社会福祉協議会といった組織が多いでしょう。

なお、介護支援専門員として働いている場合は、更新や区分変更の調査を実施することが可能です。

5. 介護認定調査員に向いている人


実際に働き始めたとしても、自分に向いていない仕事だと長続きせず、働くこと自体が苦痛になったり、関わる人に迷惑をかけたりしてしまう可能性もあります。そのため、自分に適性があるかどうかについて、確認することが大切です。そこで、介護認定調査員に向いている人の特徴について紹介します。

■コミュニケーションが得意な人

介護認定調査員は、基本的に初対面の対象者や家族からの聞き取りを行います。相手が話しやすいように配慮し、正しい調査を行うことが大切です。そのため、初対面の人ともコミュニケーションを取れる人や、コミュニケーションが得意な人に向いているでしょう。

コミュニケーションが得意な人とは、相手が話した言葉のみではなく、価値観や本当の気持ちなどについて深く理解することができ、スムーズにコミュニケーションを取れる人のことを指します。少し意識するだけでも、コミュニケーションスキルを上げることが可能です。

例えば、1対1で会話する際、「自分:相手=4:6」、もしくは「自分:相手=5:5」の割合で話すと会話が弾むといわれています。自分の話している時間が6割以上になると、相手は「自分の話を聞かない」と感じ、4割以下になると「自分に興味がない」と感じる可能性が高いです。

つまり、自分が話す、言葉を発する割合を4~6割にすることがポイントです。自分の会話を見直し、話す際のバランスが悪い場合は、話す割合を念頭に置いてみると良いでしょう。

■観察力、注意力の高い人

介護認定調査員は、聞き取りしながら調査票に状況を書き込まなければならないため、対象者や家族が話していることをスムーズに要約できる人、観察しながら状況をスピーディーに把握できる人にも向いています。また、申請内容の誤りや相違がないかについて注意深く観察し、調査するスキルも求められます。なお、在宅介護の経験者であれば、家での生活や困っていることについて理解しやすいため、介護認定調査員に向いているでしょう。

6. 介護認定調査員の給料事情


介護認定調査員は、時給や日給などの雇用形態や給与形態が異なります。例えば、時給1,400円、日給1万5,000円、1件につき3,500円などの給料形態はさまざまであり、フルタイム、週数回のアルバイト、パートなどの働き方も多様です。収入が高く、ライフスタイルに合わせて働き方を選べることもメリットであるといえるでしょう。

7. 需要が高まる介護認定調査員を目指そう


介護認定調査員は、介護保険の支給を希望する人が増加傾向にあることからも需要の高い職種です。認定調査員の数は不足しており、2020年4月には、調査員になるための条件が緩和されました。
人の話を聞くのが得意、コミュニケーションが得意、介護職の経験を生かしたい、介護職としてスキルアップしたいという人は、介護認定調査員の仕事に就くこともぜひ検討してみましょう。

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