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介護

2022年3月17日

主任ケアマネジャーとは? 役割や必要な資格・要件を解説

「主任ケアマネージャー」は、介護保険制度が改正されたことで新しく作られたケアマネージャーの上級資格です。専門性やサービスの質を向上するために作られた資格であり、今後、事業所の管理は主任ケアマネージャーのみが行えるようになります。そのため、主任ケアマネージャーは需要が高くなっている資格の一つです。本記事では、主任ケアマネージャーとは、どのような仕事をするのか、役割や資格の受講要件などについて紹介します。

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1. 主任ケアマネージャーとは


「主任ケアマネージャー」とは、通常の「ケアマネージャー」の上級資格であり、2006年に介護保険制度の改正が行われたことで新しく作られました。 以下、主任ケアマネージャーの役割や仕事内容について紹介します。主任ケアマージャーが担う3つの役割について確認した上で、ケアマネージャーとの違いについても理解しておきましょう。

■ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

「ケアマネージャー(介護支援専門員)」とは、老人ホームや居宅介護支援事業所の他、地域包括センターといった施設で介護サービスのケアプランを作る仕事をしています。さらに、介護保険サービスの中心となり、医療機関、自治体、利用者の家族との連絡、連携、調整を行います。

ケアマネージャーは、「施設ケアマネージャー」と「居宅ケアマネージャー」に分けられています。居宅ケアマネージャーは、自宅で介護サービスを受ける人を対象としており、施設ケアマネージャーは、デイサービスや老人ホームで介護サービスを受ける人を対象としています。

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2. 主任ケアマネージャーの役割


主任ケアマネージャーの役割は、主に3つあります。

1つ目は、介護に関するサービス、福祉、医療介護保険といったネットワークを向上させること、2つ目は、他のケアマネージャーに対して指導・アドバイスをすること、3つ目は、地域の特徴、課題を把握し、適切にケアできるシステムを作ることが役割として挙げられます。また、課題をクリアするためには、専門的なスキルも求められます。

つまり、これまでケアマネージャーが行っていた業務よりも、経験や知識が必要な業務であるといえるでしょう。

3. 主任ケアマネージャーになるには


主任ケアマネージャーの資格を取得するためには、主任介護支援専門員研修を受けなければなりません。ケアマネージャー試験と違って筆記試験はありませんが、都道府県で研修が実施されており、地域ごとに要件が若干異なります。そこで、主任ケアマネージャーになるための主な研修の内容、受講要件について見ていきましょう。

■主任介護支援専門員研修の受講要件

受講要件は、勤務・研修・実務経験の3種類に分けられます。

勤務要件は、地域ごとに異なりますが、東京都の場合、地域包括支援センターや介護施設で常勤のケアマネージャーもしくは主任ケアマネージャーに相当する立場で勤務していたことが条件です。なお、大阪府の場合、施設名は明記されていませんが、常勤ケアマネージャーとして働いており、週32時間勤務していたことが条件です。つまり、地域ごとに若干の差はあるものの、専任ケアマネージャーとして働いていた経験があることが条件であるといえるでしょう。

研修要件を満たすためには、申し込みした段階で都道府県が行っている介護支援専門員研修(専門研修課程Ⅰ、専門研修課程Ⅱの各コース)のうちの一つを修了していなければなりません。

詳細な要件は、都道府県ごとに違いますが、基本的に専門研修課程Ⅰ・Ⅱまたは実務経験者が受ける介護支援専門員更新研修を修了する必要があります

実務経験は、専任ケアマネージャーとして働いていた期間が5年以上あることが要件です。しかし、ケアマネジメントリーダーの養成研修を修了していること、専任ケアマネージャーとして働いていた期間が3年以上あることで、要件を満たせる場合もあります。自治体ごとに詳細の違いはあるものの、早めに研修を修了しておくことがおすすめです。また、主任介護支援専門員に相当するものとして、地域包括支援センターで働いている人も対象です。

■主任介護支援専門員研修の内容

研修内容は、「座学」「講義と演習」「実習」「事例検討」に分かれています。

座学
● 介護支援専門員としての基本的なルール、原理、考え方を説明する

● 基礎知識を解説する

● 知識を身に付けるだけではなく、基本的な考え方を理解する

● 講義で使う教材は、研修が終わった後の実践でも再確認する際に活用する

● 個人学習やグループワークを使って、学習効果を向上させる

講義と演習
● 実務を想定した訓練

● 演習と講義を合わせて行い、知識を定着させる

● 繰り返し実習を行う

● シミュレーションやロールプレイを行い、実践的な学習をする

● 主任介護支援専門員更新研修、主任介護支援専門員研修では、演習と講義の組み合わせ、スキルの修得で実践指導を行う

実習
● 実習で得る体験、座学、演習で身に付けた知識を組み合わせて実務展開する

● 実務経験のない人に向けて介護支援専門員の実務を経験することで、心の準備をさせる

● 利用者に協力をしてもらい、実習していることを理解する

事例の検討
● 考え方や知識をより深め、実務を想像して訓練を行う

● 主任介護支援専門員更新研修、主任介護支援専門員研修では、実践指導の振り返り、模擬訓練を行う

● 指導を振り返ったり、想定したり、判断の訓練を行う

主任介護支援専門員研修は、70時間以上、合計12日間程度実施され、全課程を修了すると資格を取得することができます。また、研修は、連日実施されるわけではなく、1週間に1回程度、数カ月にわたってスケジュールを組むケースが多いです。

■5年ごとの更新研修

主任ケアマネージャーの資格は、一度取得すれば永久に保有できるわけではなく、更新しなければなりません。主任介護支援専門員研修を修了した年月日から5年間という有効期限が定められており、資格を更新する場合は、主任介護支援専門員更新研修を修了する必要があります。

主任介護支援専門員更新研修のカリキュラムは、以下の通りです。

● 介護保険制度と地域包括ケアシステムの動向:講義4時間
● 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導、支援の実践・リハビリテーションと福祉用具の活用の事例:講義・演習6時間
● 看取りにおける看護サービスの活用の事例:講義・演習6時間
● 認知症の事例:講義・演習6時間
● 入退院時における医療との連携の事例:講義・演習6時間
● 家族への支援の視点が必要な事例:講義・演習6時間
● 社会資源の活用のための関係機関との連携の事例:講義・演習6時間
● 多様なサービスの活用の事例:講義・演習6時間

合計時間:46時間
主任介護支援専門員更新研修は、期間満了の2年前から、受講することが可能です。修了証明書で有効期限を確認できるため、必ず主任介護支援専門員更新研修を受けましょう。

4. 主任ケアマネージャーの就職先・職場


主任ケアマネージャーが働く場所としては、介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、介護療養型医療施設などが挙げられます。それぞれの事業所では、ケアマネージャーの育成、指導、ケアプランを作る際のアドバイスを行います。

また、他の機関や職種との連携、調整をすることで、スムーズにサービスを提供する仕事も任されるでしょう。

さらに就職先としては、地域包括支援センターも挙げられます。地域包括支援センターは、総合相談支援業務や予防ケアマネジメントを実施するのが特徴です。幅広い視点でケアマネジメント支援をする地域包括支援センターでは、主任ケアマネージャーを常駐させることが義務付けられています。つまり、資格を持っていると、さまざまな就職先や職場を選択できるようになるでしょう。

5. 主任ケアマネージャーになるメリット


主任ケアマネージャーになると、「専門的知識の証明になる」「転職が有利になる」などといったメリットがあります。時間をかけて資格を取得することには、どのような意味があるのか、メリットから考えてみるのも良いでしょう。

■専門的知識の証明になる

資格を持っていることで、専門的知識の証明になるため、実務経験が豊富で技術もあると評価されます。周囲の評価が上がることで、責任のある仕事を任されるため、やりがいを感じることにつながるのもメリットです。また、介護職におけるキャリアアップにも役立ちます。

■転職が有利になる

専門知識や実務経験があることの証明となり、ハイキャリア求人に応募できる可能性も高いです。また、主任ケアマネージャーの配置を義務付けられている施設もあり、転職する際には、さまざまな選択肢から職場を選ぶことができるでしょう。

6. 主任ケアマネージャーの給料事情


「賃金構造基本統計調査」では、主任ケアマネージャーの給料を抽出したデータがありません。なお、ケアマネージャーは、勤務年数を重ねると基本給が上がるため、主任ケアマネージャーも同じ傾向にあるといえるでしょう。
また、主任ケアマネージャーは、ケアマネージャーと比較して責任のある業務を任されるため、役職手当が付く可能性もあります。専門性の高い資格であることから、ケアマネージャーよりも収入が上がることが一般的です。

● ケアマネージャー:35万7,850円
● 介護職員:31万5,850円
● 生活相談員・支援相談員:34万3,310円

なお、主任ケアマネージャーの給料が介護業界の他の職種と比較してみても高いのは、介護職員処遇改善で加算されたことが理由であるといえるでしょう。

7. 主任ケアマネージャーの魅力・やりがい


主任ケアマネージャーは、資格を取得する際、時間も手間もかかりますが、ケアマネージャーと比較してみると就職先をさまざま選べることがメリットです。責任の重い仕事ではありますが、収入アップが期待できるため、仕事のモチベーションが上がり、やりがいを感じられることもあります。
病院や行政と連携し、地域の福祉や医療を充実させることにつながったときには、さらにやりがいを感じられるでしょう。

また、後輩への指導やアドバイスもすることになり、さまざまな人と関わることができます。人との活発なコミュニケーションや人材育成に関わることにやりがいを感じられる人も多いです。

8. 主任ケアマネージャーを目指そう!


主任ケアマネジャーになるには時間がかかりますが、人材不足であることもあり、さまざまな事業所から求められている職種でもあります。ケアマネージャーの上級資格であるため、高い専門性や知識量、対応力、後輩の指導力なども必要となりますが、責任ある業務を任されることにやりがいを感じられる人も多いです。自分の適性を確認し、主任ケアマネージャーの資格取得を目指しましょう。

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