準夜勤と夜勤の違いとは?準夜勤の仕事や過ごし方、メリットを解説
介護職にも3交代制を取り入れた「準夜勤」という勤務形態があります。
しかし、まだまだ2交代制の介護施設が多いため、準夜勤と夜勤の違いやどの時間帯に働くのかわからない、という方もいるでしょう。
そこで、この記事では、準夜勤と夜勤の違いや準夜勤の主な仕事内容、メリットなどをまとめてご紹介します。
1. 準夜勤とは
介護職における準夜勤とは、夕方~深夜まで働く勤務形態のことです。
一般的に16~翌1時頃までの勤務を準夜勤とする介護施設がほとんどですが、施設によっては14~23時や22~翌7時頃までの勤務を準夜勤としているところもあります。
なお、日本医療労働組合連合会の「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、1日の勤務を「日勤・夜勤」の2つに分ける2交代制を取り入れている介護施設が87.0%、「日勤・準夜勤・深夜勤」の3つに分ける3交代制を取り入れている介護施設は11.5%でした。
2. 準夜勤と夜勤の違いとは
ここでは、準夜勤と夜勤の違いについて詳しくご説明します。
■勤務時間が違う
準夜勤と夜勤では1回あたりの勤務時間が違います。
たとえば、3交代制の準夜勤の勤務時間は、以下の通りです。
● 16~翌1時(休憩1時間)
● 22~翌7時(休憩1時間)
1回の勤務時間が約8時間になるようにシフトが調整されています。
一方、2交代制の夜勤の勤務時間は、以下の通りです。
● 16~翌10時(休憩2時間)
● 17~翌11時(休憩2時間)
1回の勤務時間が約16時間でシフトが調整されていることがほとんどです。
そのため、準夜勤と夜勤では、1回の勤務時間が約8時間異なります。
■夜勤明けの日の扱いが違う
準夜勤と夜勤では夜勤明けの日の扱いも違います。
準夜勤の場合、勤務時間は約8時間で1日の労働時間に相当するため、翌日も出勤になることがあるでしょう。
しかし、2交代制の夜勤の場合は1回の勤務時間が約16時間になるため、労働基準法上、2日分の労働とみなされます。
このため、夜勤明けの日は勤務日の扱いとなり、翌日が公休になることがほとんどです。
■手当が違う
準夜勤と夜勤には手当にも違いがありますが、どちらも深夜の勤務を含むため、深夜手当がつきます。
そもそも深夜手当とは、深夜(22~翌5時)に勤務したときに受け取れる深夜割増賃金のことです。
深夜割増賃金は労働基準法で定められており、22~翌5時に勤務した際に本来の給与に25%が割増されます。
「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、正規職員の準夜勤と夜勤の手当の金額は下記の通りです。
● 3交代制(準夜勤):平均3,317円
● 2交代制(夜勤) :平均6,125円
手当の金額は夜勤のほうが高いですが、勤務時間が倍違うことを考えると準夜勤の手当のほうが割りもよいでしょう。
3. 介護施設における準夜勤のメリット
続いて、介護施設における準夜勤のメリットを3つご紹介します。
● 生活リズムが崩れにくい
● 通常の夜勤よりも勤務時間が短い
● 夜勤手当がつく
以下で詳しく説明します。
■生活リズムが崩れにくい
準夜勤のメリットは生活リズムが崩れにくいことです。
準夜勤は勤務時間が夕方から深夜となるため、日勤よりは退勤時間が遅くなるものの、退勤後にしっかりと睡眠時間を確保できるでしょう。
昼前に退勤する夜勤のように生活リズムが大きく崩れることはありません。
生活リズムが崩れると体調も崩しやすくなるので、生活リズムが崩れにくい点は準夜勤の大きなメリットと言えます。
■通常の夜勤よりも勤務時間が短い
準夜勤は、通常の夜勤よりも勤務時間が短いメリットもあります。通常の夜勤は約16時間の勤務時間後に公休が与えられますが、1回のシフトで2日分働くのは身体的な負担も大きいでしょう。
準夜勤なら1回の勤務時間は約8時間なので、通常の夜勤よりも疲労がたまりにくいと言えます。
■夜勤手当がつく
夜勤手当がつくことも準夜勤のメリットです。
22~翌5時の勤務では労働基準法で定められた深夜割増賃金が1.25倍つくため、同じ時間働いても給料は日勤よりも高くなります。
さらに、介護施設によっては法律で定められた深夜割増賃金に加えて、任意の夜勤手当が支給されることもあり、日勤よりも給料が期待できます。
4. 介護施設における準夜勤のデメリット
反対に、介護施設における準夜勤のデメリットもご紹介します。
● 勤務間隔が短くなることがある
● 退勤時に公共交通機関が使えない
以下で詳しく説明します。
■勤務間隔が短くなることがある
準夜勤をすると、シフトによっては勤務間隔が短くなることがあります。
たとえば、準夜勤が終わり退勤した翌日(退勤時間が0時や1時であれば当日)に日勤が入ると、勤務時間までの間隔が短くなるでしょう。
職場と家が遠かったり、退勤後にすぐ休むことができなかったりすると、満足に休息がとれない場合があります。
シフトの調整ができるのであれば、準夜勤の翌日は日勤を入れないようにする、休みにするなど勤務間隔が短くならないように調整するのがおすすめです。
■退勤時に公共交通機関が使えない
準夜勤の場合、地域によっては退勤時に公共交通機関が使えない可能性もあります。
準夜勤の退勤時間は深夜のため、電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤している場合は、帰宅するのに別の移動手段を利用しなければなりません。
介護施設によっては深夜に退勤する場合、タクシーチケットを支給することもありますが、支給されない施設であれば大きな支出になるでしょう。
なるべく徒歩や自転車、車などで通勤できる介護施設を選んだり、タクシーチケットなどが支給されるところを選んだりすると負担になりません。
5. 介護施設における準夜勤の仕事内容
続いて、介護施設における準夜勤の仕事内容についてご説明します。
下記のタイムテーブルは、16~翌1時までの準夜勤の主な仕事内容です。
準夜勤の仕事内容 | |
16時 | 出勤・申し送り |
17時 | 夕食準備・夕食介助・服薬介助 |
18~19時 | 口腔(こうくう)ケア・排せつ介助・利用者の自由時間助 |
20~21時 | 排せつ介助・就寝準備 |
22時 | 消灯・入眠確認 |
23時 | 見回り・コール対応 |
0時 | コール対応・記録業務 |
1時 | 申し送り・退勤 |
介護施設や勤務の時間帯によっても仕事内容は異なりますが、主に夕食の準備や介助・口腔ケア・就寝準備・消灯後の見回り・コール対応などを行います。
準夜勤の勤務中は、利用者が夕食をしっかりと取っているか、食後に体調の変化はないかなどに注意しましょう。
何か気になることがあれば、深夜勤務の従業員に必ず伝えてください。
また、準夜勤が夜から翌朝までの勤務時間の場合は、起床後の排せつ介助・着替え介助・朝食の準備や介助などを行います。
6. 介護施設における準夜勤日の過ごし方
介護施設における準夜勤日は、なるべく生活リズムを保てるように過ごすことをおすすめします。
準夜勤は、夜勤ほど生活リズムは崩れませんが、帰宅時間が深夜になるため、帰宅後になるべく早く休めるよう、勤務前に家事や私用を済ませておきましょう。
特に、就寝前にスマートフォンを見る人が多いですが、ブルーライトの刺激は体内時計に影響を与えます。
スマートフォンは寝る前の約1時間前には使用を止めて、生活リズムを整えることを意識しましょう。
7. まとめ
準夜勤と夜勤では、1回の勤務時間や夜勤明けの日の扱いなどが異なります。
準夜勤のある3交代制を取り入れている施設はまだ少ないですが、通常の夜勤よりも勤務時間が短く、生活リズムが崩れにくい点がメリットです。
準夜勤の仕事内容やメリットを知り、ライフスタイルに合った勤務形態を選びましょう。