生活支援員とはどんな職業? 仕事内容や1日の流れについて紹介!
生活支援員は、誰かの役に立てるような仕事をしたいと考えている方におすすめの職業です。
それに加えて、経験を積むことで仕事の幅も広がるため、将来のキャリアアップにもつながります。
以下では、生活支援員の仕事内容や主な勤務先、給料などについて詳しく解説します。
記事の後半では、生活支援員が向いている人の特徴についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 生活支援員とは?
生活支援員とは、自立した日常生活を送ることが難しい方や身体的・知的障害を持っている方、高齢者などの生活をサポートする職種です。
具体的には以下の支援を行います。
● 入浴
● 排せつ
● 身体介助(食事など)
● 調理
● 洗濯
● 掃除 など
その他、家族や各種関係者との連携・調整やマネジメント業務なども生活支援員の仕事です。
2. 生活支援員の仕事内容と勤務する施設について
生活支援員の主な勤務先は、グループホームと就労継続支援(A型・B型)事業所、 就労移行支援事業所、 高齢者施設・老人ホームです。
以下では、各所の具体的な仕事内容を紹介します。
■グループホーム
グループホームとは、障害を持った人々が共同生活を送る事業所です。
「介護サービス包括型」と「サテライト型」、「外部サービス利用型」、「日中活動サービス支援型」の4種類に分けられ、生活支援員はそのうちの「介護サービス包括型」と「サテライト型」で勤務します。
主な仕事内容は、入浴・排せつ・食事介助などの介護業務で、買いものや病院への同行、日誌をつけるなどの業務も行います。
■就労継続支援(A型・B型)事業所
就労継続支援(A型・B型)事業所は、働く意欲はあるが一般企業に勤めるのが難しい人々をサポートする場所です。
A型とB型の2つには、対象となっている人や支援の内容、雇用形態などの違いがあります。
就労継続支援A型事業所は、障害や難病などによって一般企業で働くことが難しい人を対象にした施設で、支援を受けながら働けます。
事業所と雇用契約を結べるため、最低賃金が保証されているのが特徴です。
就労継続支援B型事業所は、就労継続支援A型の仕事内容がより難しい人を対象としています。
事業所との間に雇用契約を結ばないため非雇用ですが、利用者は一般就労や就労継続支援A型事業所への移行に必要な知識と能力を習得できるでしょう。
これらの事業所で生活支援員は、利用者の健康管理指導や面談、作業の指導などの業務を行います。
■就労移行支援事業所
就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を目指す人々を支援する事業所です。
職業訓練や職場探しだけではなく、職場定着のサポートも行います。
就労移行支援事業所での生活支援員の業務内容は、利用者の健康管理指導や相談業務、サービス管理責任者の補助などです。
■高齢者施設・老人ホーム
高齢者施設・老人ホームでの生活支援員の業務内容は、日常生活の中で必要となる基本的な身体介助や利用者の相談業務、家族と各種関係者との連携・調整です。
場所によっては、介護の仕事が中心となる場合もあります。
3. 生活支援員になるには?
生活支援員になるためには、どんな資格や要件が必要なのでしょうか。
そこで以下では、生活支援員になるための方法や持っていると有利な資格を詳しく解説します。
■資格などは必要ない
生活支援員になるために必要な資格や経歴などは、特に定められていません。
未経験者を募集している求人も多く見受けられるため、初めて福祉業界で働く方は生活支援員から始めてみるのもおすすめです。
ただし、公的施設で働く場合は、地方公務員試験に合格する必要があります。
■持っていると有利な資格
生活支援員には無資格でもなれますが、以下のような資格を持っていると就職・転職の際に有利に働きます。
● 社会福祉士
● 精神保健福祉士
● 介護福祉士
● 介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級/基礎研修)
● 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
● 普通自動車運転免許 など
社会福祉士と精神福祉士、介護資格は福祉系・介護系の国家資格です。
所有していると、福祉や介護について十分な知識を持っていることの証明となり、高い信頼を得ることができます。
介護職員実務者研修と介護職員初任者研修は民間の資格ですが、先述の国家資格同様、豊富な知識とスキルがあることを証明できるため、就職・転職が有利に進むでしょう。
この2つの資格は無資格でも研修を受けることによって取得できます。
4. 生活支援員の給料はどのくらい?
求人ボックスの給料ナビによると、生活支援員の仕事の平均年収は約309万円で、月給で換算すると約26万です。
また、正社員の年収は最も高くて277〜343万円となっています。
全体の給与幅は277〜807万円と幅広く、実際の給与は勤務先や経験、求められるスキルによっても異なります。
参照:求人ボックス 給料ナビ
5. 生活支援員の1日のスケジュール
生活支援員の1日のおおまかなスケジュールは以下の通りです。
● 8:50|朝礼・引き継ぎ
● 9:15|利用者の活動支援
● 12:00|食事補助・昼食
● 13:00|利用者の活動支援
● 16:30|業務終了・引き継ぎ
● 17:00|帰宅
1日の流れは勤務先によって異なるため、就業前によく確認しましょう。
■夜勤対応について
勤務先によっては、夜勤に対応する必要があります。
夜勤として働く場合の生活支援員のスケジュールは以下の通りです。
● 16:30|夕礼・日勤スタッフからの引き継ぎ
● 17:00|夕食ケア・夕食
● 19:30|就寝準備・整容ケア
● 21:00|消灯
● 22:00|2時間おきに見回り・ケース記録、業務日報作成・夜間の利用者対応
● 2:00|仮眠
● 4:00|見回り
● 6:30|起床・整容ケア
● 7:30|朝食ケア・朝食
● 8:50|朝礼、日勤帯スタッフへ引き継ぎ
6. 生活支援員の仕事のやりがい
生活支援員の仕事のやりがいは、利用者やその家族から感謝されることです。
毎日あたり前のようにこなす業務でも、改めて感謝されると誰かの役に立てているという実感が湧き、大きなやりがいを感じるでしょう。
また、生活支援員として経験を積んでいくと、できる仕事の幅が広がり、サービス管理責任者へのキャリアアップもできます。
将来的に国家資格取得を見据えて働ける点も、生活支援員のやりがいにつながるはずです。
7. 生活支援員はどんな人が向いている?
生活支援員に向いている人は、利用者の立場に立って物事を考えられる人や一人ひとりに対して誠実な対応ができる人です。
利用者によって障害の重さや抱えている困難などは異なります。
そのため、生活支援員には利用者に寄り添い、何に困っているのか、また不安に思っていることは何かなどを、敏感に察知する能力が求められるのです。
さらに、利用者の家族や各種関係者との連携・調整なども行う必要があるため、コミュニケーション能力が高い人も生活支援員の仕事に向いています。
8. 家庭生活支援員や地域生活支援員との違いは?
生活支援員と似た職種に、 家庭生活支援員と地域生活支援員という職種があります。
以下では、この2つの職業の概要と生活支援員との違いを見ていきましょう。
■家庭生活支援員との違い
家庭生活支援員は、「ひとり親家庭等日常生活支援事業」に基づいて設置されている職種で、乳幼児の保育や児童の生活指導を行うのが仕事です。
そのため、障害を持った人々が対象の生活支援員と家庭生活支援員では、支援対象が異なります。
■地域生活支援員との違い
地域生活支援員は、国が「地域生活支援拠点」の整備を進めるうえで誕生した職種です。
障害を持った人や高齢者を対象に支援を行うという点は生活支援員と同じですが、支援範囲は地域生活支援員のほうが広く、福祉サービスに関する相談や助言、医療機関との連携、利用者の見守りなども行います。
9. まとめ
生活支援員は、障害を持っている人々や高齢者の身体介助や相談業務、利用者の家族や各種関係者との連携・調整などを行う職種です。
主に、グループホームや就労継続支援(A型・B型)事業所、 就労移行支援事業所、 高齢者施設・老人ホームなどに勤務します。
無資格・未経験の状態からでも生活支援員になれますが、現場では福祉や介護の知識と技術が求められるため、初めて福祉系の仕事に就く場合は、介護職員実務者研修や介護職員初任者研修を事前に取得しておくのがおすすめです。
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