高齢者向けの盛り上がるゲーム大会ってなに?種類別に詳しく解説
介護施設では、利用者が楽しめるようさまざまなレクリエーションを定期的に実施しています。健康を維持目的だけでなく、さまざまなメリットがあるレクリエーションですが、どのようなレクリエーションを実施したらよいか悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか。
今回は、個人でも複数人でも楽しめるレクリエーションのやり方やポイント、効果について詳しく紹介します。
1. 高齢者施設で行うゲーム系レクリエーションの目的
高齢者施設でレクリエーションを実施するときは、取り組む意図を理解するとより効果を得やすいため、目的や意義をしっかりと理解しましょう。
■利用者同士の交流を促す
高齢になると、他者とコミュニケーションをとることが少なくなってしまう人も多くいます。レクリエーションは、他の利用者や介護職員とコミュニケーションをとる場を提供できるため、新たな親交や交流が生まれやすいでしょう。
■脳に刺激を与える
脳トレ系のレクリエーションやゲームは、普段使わない脳の部位に刺激を与え、脳の機能向上や認知症の予防に役立ちます。
■身体的な機能の維持・向上
レクリエーションの大きな目的の一つに、身体的な機能の維持・向上があります。体を動かすレクリエーションに参加することで、筋力の低下を防ぎ日常的な生活を送るための運動機能が向上するでしょう。
■利用者の生きがい・楽しみにつながる
人と触れ合うことで孤独感から解放され、日々の生活に楽しみが生まれます。また、気分転換やストレス発散にもなり、生活の質の向上につながるでしょう。
無料会員登録はこちら2. 盛り上がる!チーム対抗のゲーム系レクリエーション
この章では、チーム対抗でできるレクリエーションを紹介します。
■棒サッカー
【用意するもの】
● 棒(クッションをつけた60cm位のもの)
● ゴムボール
● ゴール(ダンボール)
● 椅子
【ルール】
1. 5~6人のチームに分かれて、横一列に向き合って座る(幅90cm程度)
2. 手に持った棒を使って、相手ゴールへ向けてボールを打ち合いながら得点を競い合う
3. 棒で人を叩くなどの行為は退場となる
試合時間は前半3分、休憩1分、後半3分です。
【ポイント】
● 棒は、新聞紙で作った棒にクッション材を巻きつけて手作りする、または市販のスポンジ製の剣などを用意しましょう。
● 施設に合わせて人数の調整は可能です。
● 椅子からの転倒や転落に注意してください。
【効果】
棒サッカーは、シンプルなルールで施設でも人気のあるレクリエーションです。座ってできるスポーツのため、ハンディキャップがある方でも参加できます。反射神経や動体視力を鍛えられ、手や腕を動かすことで健康にも効果があるでしょう。足に力を入れて踏ん張ることで、身体機能の向上にもつながります。
■ボーリング
【用意するもの】
● ピン(500mlペットボトル×6本)
● 水
● ボール(カラーボール)
● 椅子
【ルール】
1. ボールを転がして倒したピンの数を競う
2. ピンは6本で、1人2回ずつ投げる
【ポイント】
● 椅子に座って実施できるため、参加しやすいでしょう。
● チーム対抗戦やコースに障害物を置くなど、アレンジも可能です。
【効果】
ボーリングは経験がある人も多いので、ルールなども理解しやすいレクリエーションです。どこを狙うか考えながらボールを転がすことで、上半身の運動と脳のトレーニングにもなるでしょう。
■玉乗せゲーム
【用意するもの】
● お手玉
● 台となるダンボール
【ルール】
1. ダンボールで作った箱の上にお手玉を投げて競い合う
2. 多く乗せられたほうか、相手のお手玉を落としたほうが勝ち
【ポイント】
● チームワークが大切なので、声をかけながら応援するとよいでしょう。
● 一気に投げるとぶつかるので、1人ずつ投げるなど工夫してください。
【効果】
単純なゲームですが、投げる動作で腕を動かすため、上半身の運動につながります。チーム戦にすることで、協調性や判断力も高められるでしょう。
■紙飛行機ゲーム
【用意するもの】
● 折紙
● ビニールテープ
● 得点を書いた紙
【ルール】
1. スタートラインから紙飛行機を飛ばし、飛距離で得点を競い合う
2. 指定回数投げ終わった後の合計得点を競う
【ポイント】
● 障害物を置いたり枠から外れたりしたらマイナスにするなど、アレンジが可能です。
● 利用者同士で当たらないように十分なスペースをとる必要があります。
● うまく折紙が折れない利用者は、スタッフがサポートしてあげるとよいでしょう。
【効果】
紙飛行機を折る作業は手先の細かい作業になるうえ、飛行機を飛ばす動きは上肢の運動になり、身体機能の維持や向上に役立ちます。
■ボッチャ風ゲーム
【用意するもの】
● 大きなビーチボール
● お手玉
【ルール】
1. 的となるボールにチーム交互にお手玉を投げる
2. 大きなボールに1番近づけたチームの勝ち
【ポイント】
ペットボトルを置いてゾーンとなる円を書き、お手玉やカラーボールを投げて楽しむこともできます。
【効果】
お手玉を投げることで適度な運動になるほか、チーム戦にすると一緒になって戦略を考えることも可能なので、コミュニケーションも活発になるでしょう。
3. 頭を活性化!脳トレゲーム系レクリエーションを紹介
ここでは、脳トレゲーム系レクリエーションを紹介します。脳トレは脳の機能を活性化させ、認知症の予防やリフレッシュ効果が期待できるため、多くの高齢者施設で取り入れられています。
■イントロクイズ大会
【用意するもの】
● 音楽プレーヤー
● CD
● 椅子
【ルール】
1. 曲のイントロ部分を再生する
2. わかった人は手を挙げて回答する
【ポイント】
● 参加者が知っているような懐かしい曲を、年代別に用意しておきましょう。
【効果】
イントロクイズは、曲を聴いて記憶をたどるため、脳の活性化や認知症の予防効果につながります。また、一緒に歌うことで、リフレッシュ効果も望めるでしょう。
■以心伝心ゲーム
【用意するもの】
● 紙
● ペン
● 椅子
【ルール】
1. いくつかのチームに分かれて出題者を1人決め、「〇〇といえば」というお題に対する答えをそれぞれ考える
2. 一致した回答の数で得点を競い合う
【ポイント】
● 人数が多いと難易度もあがり、より盛り上がります。
【効果】
連想することで思考力や記憶力、読解力の向上につながります。椅子に座ってできるため、誰でも参加しやすいゲームです。
■間違い探しゲーム
【用意するもの】
● 2枚が一組になった間違い探しの絵
【ルール】
1. 2枚の絵を見比べて、異なる箇所を当てる
【ポイント】
● 季節の絵柄や親しみを感じる絵のほか、色や線がはっきりわかるものを選ぶのがおすすめです。
● チーム戦にすることで、交流も増えるでしょう。
【効果】
間違い探しは観察力のほか、記憶力や注意力、集中力が必要になるため、脳の体操になるでしょう。また、運動や計算が苦手な利用者も楽しめます。
4. 今話題の高齢者でもできるeスポーツ
eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームを使用した対戦型の競技です。近年、eスポーツが認知機能や運動機能の改善に期待できると、高齢者施設でもブームを呼び大会も実施されています。
また、お孫さんや若い世代との交流が生まれるきっかけになるのも魅力の一つです。ここでは、高齢者に人気のeスポーツを紹介します。
■太鼓の達人
音楽に合わせて画面に出てくるマークを太鼓で叩くというシンプルなゲームは、若い世代から高齢者まで楽しめるゲームで、複数人でのプレイも可能です。多数の曲が収録されているため、音楽が好きな人や楽器が好き人も満足でき、みんなで盛り上がれることから、レクリエーションに最適と言えるでしょう。
■スペースインベーダー
スペースインベーダーは、1978年にリリースされ、一大ブームを巻き起こしたシューティングゲームです。移動砲台でインベーダーを撃ち落としていき、点数を競います。思考力や判断力が瞬時に求められるため難しいですが、脳への刺激にもなり、次第に難しくなるステージにチャレンジする意欲が沸いてくるでしょう。実際にプレイした経験をもつ人も多いため、親しみやすさが特徴です。
5. まとめ
高齢者向けの施設で行うレクリエーションは、身体機能の向上や脳の活性化にとどまらず、さまざまな意義があります。根底の意味を理解し、利用者が自ら参加したくなるようなレクリエーションやゲーム大会を実施しましょう。