高齢者施設でおすすめの脳トレ系レクリエーション6選!注意点についても紹介
「施設のレクリエーションとして、高齢者に効果的な脳トレを取り入れたい」というスタッフの方も多いのではないでしょうか。レクリエーションに脳トレをうまく活用すると得られるメリットの数は豊富です。
この記事では、脳トレが高齢者にもたらす効果やおすすめの脳トレ系レクリエーションを紹介します。レクリエーションを行う際に気を付けたい注意点についても触れるので、ぜひ参考にしてお役立てください。
1. 脳トレ系のレクリエーションの効果
高齢者が脳トレ系のレクリエーションを行うと、どのような効果があるのか、この章で詳しく見ていきます。
■認知症予防
脳トレ系のレクリエーションは、高齢者の認知症予防に効果的です。簡単なクイズや計算を解くと脳が刺激されるので、認知機能の低下を防げるでしょう。
また、脳トレは一時的に行うのではなく、続けることが大切。継続して刺激を与えると脳がより活性化され、健康的な状態を保つことにつながります。
■コミュニケーションの活性化
脳トレを個人で行うだけではなく、レクリエーションとして複数人で行うと、コミュニケーションの活性化が図れます。加えて遊び要素や競技性を取り入れると、感情の起伏も大きくなり、脳に刺激を与えられるでしょう。
■生活にメリハリが生まれる
脳トレ系のレクリエーションを習慣にすると、利用者の生活にメリハリをつけられます。
施設で過ごしている利用者はどうしても自室に引きこもりがちなので、レクリエーションを習慣化すると、自室の外で活動する時間を必然的に増やせるでしょう。ただ同じような毎日を過ごすだけでなく、メリハリのついた生活が送れます。
2. 脳トレ系のレクリエーションのおすすめ6選!
ここでは、具体的な脳トレの内容を紹介していきます。高齢者施設での実施に適した脳トレを6つ厳選しているので、ぜひ参考にしてください。
■点つなぎ
点つなぎは、点と点を順番に線で結んでいく遊びです。
【効果】
頭で考えながら手を動かすことで、脳が活性化し、自律神経のバランスを整える効果があります。完成した形を想像しながら取り組むと、イメージ力のアップも期待できるでしょう。【手順】
- アルファベットや数字が書かれた線を順番に結ぶ(数字なら1から順に、アルファベットならaから順に)
- すべての点を結び終わると、一筆書きの絵や字が完成する
【ポイント】
- 完成系の絵や字を利用者が喜びそうなものにしておくと、楽しく取り組めます。
■漢字イラストクイズ
レクリエーションでよく行う漢字クイズには、穴埋めや部首探し、当て字づくりなどがありますが、今回は一瞬のひらめきを楽しみながら行える漢字イラストクイズを紹介します。
【効果】
いくつかの漢字から状況を推測するので、複数の作業を同時に行う注意分割能力が鍛えられます。また、空間を捉える能力の向上も期待できるでしょう。【手順】
複数の漢字を使って表現されたもの、または状況が何を示しているのかをクイズ形式で出題します。
【ポイント】
- 難しすぎる漢字を使用した問題は避けましょう。
■都道府県当てクイズ
都道府県当てクイズは、ヒントをもとに、都道府県名を当てるクイズです。
【効果】
自分の記憶をたどって答えを探すことで、認知機能が活性化されます。【手順】
- 各都道府県の名産物や観光地、その県出身の人物名などを3~5個用意する
- 1で用意したものをヒントとして1つずつ示しながら、都道府県名を当ててもらう
【ポイント】
- 少ないヒントで解けたら高得点を付与するなど、参加している高齢者同士で得点を競う形式は、対抗意識が生まれて盛り上がります。
■仲間外れ探し
仲間外れ探しは、複数の絵やキーワードの中から仲間外れを探すゲームです。
【効果】
集中力や判断力が鍛えられます。【手順】
- 絵やキーワードを4~5個用意して、その中に1つ仲間外れのものを紛れ込ませる 例:野菜の絵に1つだけ果物の絵を混ぜる
- 仲間外れのものはどれか、参加者に当ててもらう
【ポイント】
- 問題が解けたときの達成感を味わうことが大切なので、難しすぎる問題は避けてください。
- 難易度の低い問題から出題していき、慣れてきたら難易度を上げていきましょう。
■オノマトペクイズ
オノマトペとは、音や声、状態を表した擬音語のことで、「風」なら「ヒューヒュー」が当てはまります。単語からオノマトペを連想するゲームが、オノマトペクイズです。
【効果】
単語のイメージを思い浮かべる作業により、想像力が鍛えられます。【手順】
- ホワイトボードに「猫」「雨」などいくつかの単語を書き出す
- その単語から連想されるオノマトペを、参加者同士で意見を出し合いながら考える
【ポイント】
- 「冬」など、オノマトペの正解が1つではない単語もあるため、あくまで考える作業が大切です。
■歌クイズ
歌クイズは、脳トレ系レクリエーションの中でも特に人気のゲームです。
【効果】
過去の記憶を思い返すことで脳が活性化されます。【手順】 高齢者に馴染みがありそうな曲の音源を流して、曲名を当ててもらうクイズです。
【ポイント】
- 昭和の歌謡曲など、利用者がわかりやすい曲をなるべく選びます。
- なかなか正解が出ない場合はヒントを出して、自分の力で思い出せるように導いてあげましょう。
3. 脳トレ系のレクリエーションを行う際の注意点
高齢者に対して脳トレ系のレクリエーションを行う際は、注意しなければいけない点がいくつかあるので、把握しておきましょう。
■楽しみながら行えるようにする
高齢者が楽しんで取り組めるような脳トレを実施しましょう。脳トレの目的は、正解を出すことではありません。答えを間違えても、考える過程で脳を動かしているので、脳トレの目的は果たされています。
そのため正解や不正解にこだわらず、高齢者がもっとやりたい、と思えるようなレクリエーション企画を意識しましょう。
■簡単にできるものを継続する
簡単にできるゲームを選び、継続して行うようにしてください。難しすぎるクイズやゲームだと、正解を導き出したという達成感が得られず、参加者の意欲も低下してしまうでしょう。
簡単なゲームを選ぶと、参加者は答えを導き出す楽しさを感じるので、レクリエーションへの参加を継続しやすくなります。また、1つのゲームだけではなく幅広い分野のゲームに挑戦し、脳のさまざまな機能を活性化させることも大切です。
■利用者に合ったレクリエーションを選ぶ
高齢者施設には、認知症や片麻痺、起立性低血圧の方など、さまざまな境遇の利用者がいます。たとえば、起立性低血圧の方を長時間座った状態が続くレクリエーションに参加させてしまうと、体調が急変するかもしれません。
レクリエーションを実施するうえで、利用者の安全が第一なので、それぞれの健康状態をきちんと把握しておきましょう。
4. まとめ
脳トレ系のレクリエーションは、正しく取り入れれば脳の活性化や認知症の予防などさまざまな効果を生み出します。
しかし、脳トレの効果を得るためには続けることが大切です。高齢者が自ら進んで取り組みたくなるように、楽しい雰囲気作りや適切な問題作成を心がけましょう。