介護施設での認知症予防には手遊びが効果アリ!レクリエーションのおすすめの手遊び6選を紹介
介護施設のレクリエーションで大切なのが、認知症予防や認知機能の改善に役立つ作業を取り入れることです。手遊びのレクリエーションなら、体が動かしにくい方でも手軽に楽しめるでしょう。
本記事では、手遊びが認知症予防におすすめの理由と、レクリエーションをするうえでの遊び方やポイントについて解説します。この記事を読むことで、高齢者が無理なく楽しめる認知症予防の方法を理解できるので、ぜひ参考にしてください。
1. 手遊びは認知症予防のレクリエーションにおすすめ
手遊びは、手や指先を動かすことでさまざまな効果が期待でき、特に高齢者にとっては認知症予防や認知機能の改善に役立つため、施設でのレクリエーションとしておすすめです。認知症予防として手遊びをおすすめする具体的な理由として、以下のものが挙げられます。
- 脳トレの効果がある
- 幅広い利用者が参加できる
- 特別な道具や準備が必要ない
■脳トレの効果がある
認知症の予防に手遊びを取り入れることで、指先の感覚を養い、脳の働きを活発にします。左右の手で違う動きをしたり掴んだりといった動作は、脳トレとして有効でしょう。
また意識して手指を動かすため、効率的に脳を活性化させることから、認知症予防だけでなく認知機能の改善にも効果的です。
■幅広い利用者が参加できる
手遊びは簡単な動作が多く、座ったままできるため、体が不自由な高齢者でも気軽に参加できます。施設の利用者たちと一緒に行うことで日常生活に刺激が加わり、新たな交流関係を構築する機会を得られるでしょう。
また、難易度別に手遊びを行うことで、多くの利用者がいたとしても運動能力や認知機能が図りやすく、認知症の早期発見につながります。
■特別な道具や準備が必要ない
特別な道具や準備が不要な点も、レクリエーションとしておすすめできるポイントです。手と指が使えればどこででも簡単に始められ、広いスペースは必要ありません。職員の負担が少ないことも、メリットと言えるでしょう。
無料会員登録はこちら2. レクリエーションに手遊びを取り入れる際のポイント
介護施設のレクリエーションに手遊びを取り入れる際は、これらのポイントを意識しましょう。
- 継続しやすい工夫をする
- コミュニケーションをできるだけ促す
- 難易度を徐々に上げる
- 準備体操と整理体操をする
■継続しやすい工夫をする
指先の感覚を養いながら脳を活性化させるには、ちょっとした時間でもできる簡単な動作を毎日続けることが大切です。そのため、認知症予防として手遊びを取り入れる際は、毎日継続できるように工夫をしましょう。
利用者が楽しく続けられるように新しい種類をこまめに取り入れることが、継続につながるポイントです。
■コミュニケーションをできるだけ促す
手遊びは、複数人とコミュニケーションを取りながら行うことで、より脳の活性化につながります。そのため、職員はチームで協力したり会話をしながら行なったりできる環境を用意し、新しい刺激を得られる工夫を取り入れましょう。
■難易度を徐々に上げる
手遊びレクリエーションに慣れてしまうと、作業的に手を動かすだけになり、脳トレの効果が薄れてしまいます。同じ種類の手遊びでもリズムを変えたり、左右で違う動きをしたりするなど、徐々に難易度を上げていくことが大切です。ただし、人によって難易度に差があるため、その人に合った遊び方を提供することも心がけましょう。
■準備体操と整理体操をする
手遊びをする際は、必ず準備体操をして手指をほぐし、終わったら手首のストレッチなどの整理体操を必ず行いましょう。しっかりとクールダウンさせて疲れを残さないことも、手遊びを毎日継続させるためのポイントです。
無料会員登録はこちら3. 道具を使う手遊び
ここからは、手遊びの遊び方とそれぞれのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
■あやとり
紐を輪にして指にかけ、さまざまな形を作っていく手遊びです。
【遊び方】
- ほうきやゴムなどはあやとりの中でも簡単なので、1人で楽しめる
- あやとりを交互に取っていく二人あやとりもある
【ポイント】
- 歌いながら行うと、よりよいリハビリになるでしょう。
- 昔の遊びを懐かしむことで、脳の活性化につながります。
■お手玉
手で握れるサイズの小さな袋に米や大豆を詰めたお手玉を、片方の手で投げ、反対の手でキャッチする遊びです。
【遊び方】
- お手玉を用意する
- 3人以上で輪になり、左手にお手玉を置く
- 左手のお手玉を右手で投げて取り、隣の人の左手に置いていく
- みんなで歌を歌いながら、リズムに合わせてテンポよくお手玉リレーをする
【ポイント】
- リレーは左回りが終わったら右回りも行いましょう。
- 動作に慣れてきたらテンポを速めるのもおすすめです。
- 歌いながらお手玉を手でキャッチするという複数の作業を同時に行うことで、脳を刺激します。
4. 音楽やリズムに合わせて行う手遊び
以下では、音楽やリズムに合わせて楽しく行える手遊びの遊び方とポイントを解説します。
■むすんでひらいて
歌に合わせて、手をグーやパーに動かす遊びです。ゆっくりとしたテンポでも遊べるため、手遊びに慣れていない方や、手指の動きに自信がない方も安心して取り組めます。
【遊び方】
- 「むすんで」のときに手をグーに、「ひらいて」のときにパーにする
- 「手をうって」のところでリズムに合わせて拍手をする
- 「その手を上に」で手を高く上げる
【ポイント】
-
● 慣れてきた場合は、手の動きを歌詞とは反対に動かすアレンジを加えると、難易度が上がって楽しめるでしょう。
■あんたがたどこさ
椅子に座って楽しめる手遊びです。大勢で輪になって「あんたがたどこさ」を歌いながら、膝を叩いたり手拍子をしたりします。
【遊び方】
- 「あんたがたどこさ」を歌いながら、「さ」が出てきたときだけ膝を叩く
- 膝を叩いたあと、素早く胸の前で手拍子を1回する
【ポイント】
- 最初は膝を叩く動作だけにして、徐々に手拍子を入れたりテンポを速めたりするなど、難易度を調整しましょう。
- 瞬発力が鍛えられるほか、歌うことで口まわりの筋力アップにも効果的です。
5. 体操系の手遊び
最後は、指体操の遊び方とポイントを解説します。
■指折り体操
両手の指を1本ずつゆっくりと折っていく体操です。
【遊び方】
- 両手をパーにして、両方の親指から順に小指まで折り曲げていく
- 指を折り曲げるときは「1.2.3…」と数字を数えながら曲げる
- すべて折り曲げてグーの状態になったら、今度は小指から順に開いていく
【ポイント】
- 折り曲げるときや開くときは、他の指が動かないように注意しましょう。
- 指を動かしづらい方でもできるように、1本ずつゆっくりと行います。
- レクリエーションの前に行う準備運動としてもおすすめです。
■指離し体操
両手の指を合わせ、1本ずつ離していく体操です。
【遊び方】
- 両手を胸の前に出し、同じ指同士を合わせる
- 親指から小指まで1本ずつ指先を離していき、小指から親指まで繰り返す
【ポイント】
- 脳の活性化や指先の感覚を養うのに役立ちます。
- 簡単な動作ではあるものの、スピードアップすると指が離れてしまうため、注意しましょう。
6. まとめ
手遊びのレクリエーションは、認知症予防にとても効果的です。高齢者が懐かしむ歌や遊びを取り入れることでより脳を活性化し、記憶力の向上や認知機能の改善に役立つでしょう。
ただし、手遊びは多くの方に簡単に楽しんでもらいやすいですが、慣れると作業的なレクリエーションになってしまいがちなので、施設の利用者に継続して一緒に楽しんでもらえるような工夫をすることが大切です。