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介護

2022年12月16日

特別養護老人ホームとはどんな施設?有料老人ホームとの違いは?

特別養護老人ホームは介護保険が適用され、民間の老人ホームより安い費用で入居できる公的施設です。
ご家族をどの老人ホームへ入居させるか考えている方の中には、特別養護老人ホームがどのような施設なのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、特別養護老人ホームとは何かについて詳しく解説します。

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1. 特別養護老人ホームとは


特別養護老人ホームとは一体どのような施設でしょうか?入居条件や種類、有料老人ホームとの違いを解説します。

■特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホーム(特養)とは、介護保険サービスが適用される公的施設の一つで、介護保険制度上は「介護老人福祉施設」と呼ばれています。
公的施設であることから、費用が安く、終身で介護が受けられるため、経済的負担が少なく、入居しやすいのが大きなメリットです。

しかし、費用が安いことで人気も高く、施設によっては入居待機が必要なこともあるでしょう。
また、入居条件も厳しいため、入居希望者は入居条件を満たすことが1番の課題です。

■入居条件

特別養護老人ホームは、原則として年齢65歳以上で、介護保険の要介護認定「要介護3」以上の認定を受けていることが入居条件です。
また、以下の場合は例外で認められています。

● 40~64歳で特定疾病が認められた要介護レベル3以上の方
● 特例により入居が認められた要介護レベル1~2の方

これらはあくまで原則であり、入居できる条件は施設やケースごとに異なるでしょう。
特別養護老人ホームでは、重介護者の保護を最優先すべく、厳しい条件が設けられています。
また、特別養護老人ホームでは医療スタッフの常駐が義務付けられていないため、医療ケアが24時間必要な方は入居できません。
認知症によって他の入居者やスタッフに危害を与える可能性がある方や、感染症にかかっている方も入居を断られるケースがあります。

■特別養護老人ホームの種類

特別養護老人ホームは条件により、次の3種類に分けられます。

・広域型特別養護老人ホーム

広域型特別養護老人ホームは、定員は30名以上の最も一般的な特別養護老人ホームです。
居住地にかかわらず申し込むことができるため、たとえば、都内在住でも地方の広域型特別養護老人ホームへの入居を希望できます。
場所にこだわらなければ空きがある施設から探せばよいため、早く入居できるでしょう。

・地域密着型特別養護老人ホーム

地域密着型特別養護老人ホームは、定員29名以下の地域に根ざした小規模の特別養護老人ホームです。
基本的にその地域に在住の方でなければ入居はできません。

地域密着型地区別老人ホームには、付近に広域型特養などの本体施設をもつ「サテライト型」と本体施設をもたない「単独型」の2種種類があります。
サテライト型は、人員の配置や設置基準が低い特徴があり、ケアマネジャーの配置義務や医務室設定義務などが設けられていません。
そのため、医療ケアを必要としない方が入居可能な特養です。
一方、単独型は本体施設が存在しないため、アットホームな雰囲気で生活できます。

・地域サポート型特別養護老人ホーム

地域サポート型特別養護老人ホームは、地域内の在宅で生活している高齢者に対して、サービスを提供します。
24時間365日見守り体制を採用しており、要介護認定を受けていて生活に不自由・不安のある方が対象です。
要介護認定を受けていない場合でも、65歳以上で見守りが必要な方はサービスを利用できます。

■有料老人ホームとの違い

要介護度が1~5で、介護の必要な65歳以上の方が有料老人ホームの対象です。
特別養護老人ホームが「重介護者の保護」を最優先にしているのに対し、有料老人ホームは、「高齢者が過ごしやすいよう配慮された住まい」を提供しています。入浴や排泄などの介護、洗濯・掃除などの家事支援、リハビリなどの自立支援の中から希望するサービスが受けられます。
入居条件が厳しくない一方、民間で運営されていることから、費用は比較的高めです。
しかし、さまざまな価格帯やサービスがあるため、自分のライフスタイルや希望するサービスを自由に選択できるのが大きなメリットと言えるでしょう。

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2. 特別養護老人ホームの居室タイプ


特別養護老人ホームの居室タイプには、以下の4タイプがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

■個室

個室(従来型個室)は、完全な1人部屋で、各部屋の中にベッドをはじめとする設備が揃っています。
プライバシーが確保されている点が1番のメリットで、自分1人の時間を確保したい人におすすめです。

■ユニット型個室

ユニット型個室は、キッチンやダイビング、ロビー、浴室、トイレなどを共有し、共有スペースを囲むように完全個室が配置されている居室タイプです。
共有スペースは10人以下で共有ることから、自宅での生活と似た感覚で生活ができます。
施設によっては、トイレやキッチンが各個室の中に設置されていることもあるため、ある程度のプライバシーが確保できるでしょう。

■多床室

多床室は、定員2名以上の居室に複数のベッドがある居室で、4人部屋であることが一般的です。
食堂やリビングが居室と独立しているのが特徴で、費用も他に比べて安いという特徴があります。
プライバシーの確保はあまり期待できませんが、費用をなるべく安く抑えたい方におすすめです。

■ユニット型個室的多床室

ユニット型個室的多床室は、「ユニット準個室」とも呼ばれ、多床室をパーティションで区切るなどして個室のように作り替えた居室です。
完全個室ではないため、隣の物音や声が聞こえることもありますが、多床室と比べてプライバシーが確保できます。
ユニット型個室的多床室でも、共有スペースは10人以下で共有します。

3. 特別養護老人ホームのサービス内容


特別養護老人ホームで受けられるサービスは、法令で定められています。
サービス内容は日常生活の補助に加え、自立支援、看取りまでさまざまです。

■栄養を考えた食事の提供

栄養士が考えた献立をもとに、入居者の栄養バランスやそのときどきの健康状態、個々の嗜好(しこう)などを踏まえた食事が提供されます。
咀嚼(そしゃく)機能が低下している場合は、硬い食材をミキサーにかけるなどの配慮もしてもらえるため、安心です。
また、食事は毎日同じ時間に提供されることから、規則正しい生活にもつながります。

■清掃や洗濯

居室・共有スペースは、委託業者によって定期的に清掃や洗濯をしてもらえます。
自分で掃除をする必要がなく、洗濯にもクリーニングに出す際以外は、料金はかかりません。
ただし、定期的に体を動かして日常生活に必要な動作を維持したい場合は、スタッフのサポートのもと、掃除や洗濯にチャレンジできます。
日常生活を送るための自立支援を希望の方は、スタッフに相談してみましょう。

■入浴

特別養護老人ホームでは、週2回以上の入浴があります。
入浴時は、介助を受けることができ、施設によっては機械浴槽を設定している場所もあるため、寝たきりの方でも入浴が可能です。
必要に応じて入浴剤を入れてくれるため、快適に入浴できます。
また、健康上の理由で入浴ができないという方は、清拭によって体を清潔に保ちます。

■排泄介助

要介護度が高くなるにつれて、1人で排泄が難しくなる場合は、排泄介助を行います。
尿意や便意を感じるのが難しくなっている方でも、排泄の間隔を考慮して定期的にトイレに誘導し介助を行うため、安心です。
寝たきりの方の場合には、ベッドの上での排泄介助を行います。
特別養護老人では、どの施設も一定レベルで排泄介助を行なってくれるため、快適に過ごせるでしょう。

■自立支援

特養では、リハビリやレクリエーションを通して、日常生活を送れるよう自立支援を受けられます。
「生活リハビリ」が主流で、食事や洗濯、掃除、排泄など日常生活に必要な動作を自身で行うことがリハビリやケアにもなります。
他にも、定期的に行われるレクリエーションや行事なども自立支援の一環です。
施設によっては、理学療法士や作業療法士によって本格的なリハビリが行われることもあります。

■娯楽の提供やイベントの開催

リハビリとは別に、自立支援を目的としないイベントの開催が多いことも、特別養護老人ホームの特徴です。
お花見や祭り、クリスマスなど、生活に楽しみができるように季節ごとのイベントから、誕生日会、美術館・公園への外出、出演者を招いてのお笑いや音楽イベントなども開催されます。
また、小学校や幼稚園と提携して、子どもとふれあう時間も用意されており入居生活を楽しめるでしょう。

■看取り

特別養護老人ホームは、看取りまで対応してくれるため、医師や看護職員と連携して終末期ケアも行います。
ただし看取りには、看護職員の十分な知識と技術、スタッフチームワークが必要不可欠です。
個室の確保など、看取りに必要な環境が揃わない場合もあるため、すべての施設で十分な看取りが行われるわけではありません。
看取りまでを希望される場合は、あらかじめ施設に確認をしておきましょう。

■買いもの代行

必要なものがあれば買いものを代わりにしてもらうことができます。
スタッフに代金を渡して依頼するだけなので、お金の管理が不得意な方や健康状態などの問題で外に出られない方でも安心です。
なかには、コンビニなどと提携して移動販売を行う施設もあるため、特別養護老人ホームで買いものに困ることはありません。

4. まとめ

特別養護老人ホームは、費用が安く、重介護者の保護を最優先に行うため、入居者とご家族の両方にとって親切な施設です。
年々入居条件は厳しくなっているため、入居をお考えの方は、早めのお申し込みをおすすめします。

今回の記事を参考に、特別養護老人ホームへの入居を検討してみてはいかがでしょうか?

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井上優喜

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。 介護士として様々な施設形態での勤務実績あり。求職者目線での記事作成が得意。

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