デイサービスでできる簡単レクってなに?種類別に詳しく解説
デイサービスでは、職員と利用者が一緒になって行う、レクリエーションが欠かせません。
利用者にとってレクリエーションは楽しい催しものであり、リハビリの効果も期待できる介護サービスですが、毎日似たような企画が続いてしまうと飽きてしまうかもしれません。
この記事では、デイサービスで簡単かつ楽しめるレクリエーションを目的別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1. デイサービスのレクリエーションとは?
デイサービスでは、体を使ったゲームや作品制作、季節のイベントなどのさまざまなレクリエーションを実施しています。
レクリエーションは単に楽しむだけでなく、機能訓練を兼ねていることから認知機能向上や筋肉の維持に役立つので、利用者には大きなメリットがあります。
そのため、スタッフはどんな目的をもって行うレクリエーションなのか、考えながら企画することが重要です。
■デイサービスの特徴
デイサービスは、「通所介護」の通称です。介護保険サービスの一つで、高齢者が可能な限り自宅で生活を送れるように、機能訓練や食事・入浴の見守りなどのさまざまなサポートを提供しています。
自宅から通いながらQOL(クオリティオブライフ)の向上が目指せ、利用時間中にさまざまなレクリエーションが行われるのが特徴です。
■レクリエーションの目的
デイサービスのレクリエーションの主な目的は、以下の2つです。
● 脳機能の活性化
● 身体機能の維持・回復
体や指先を使うことで脳神経の活発化や介護予防につながり、普段の生活で得られない刺激が気分転換やリフレッシュを促すことができるでしょう。また、介護職員や他の利用者とのコミュニケーション手段としても活用できます。
以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
・脳の活性化を図る
手先を使ったり頭で考えて言葉を発したりするレクには、脳の活性化を図る目的があります。
レクリエーションは集団で行いますので、人とコミュニケーションを取ることで脳が多くの刺激を受けます。普段の生活では使わない脳神経を刺激することで、認知症の予防や進行をおさえることが期待できるため、デイサービスに欠かせないプログラムです。
・健康の維持
レクリエーションは、身体機能の訓練が同時にできるため、運動不足を解消しつつ、健康を維持する効果が期待できます。
また、ゲームを楽しんだり利用者同士で笑いあったりすることで、精神的にもよい影響があります。
・利用者や職員間の交流を促す
レクリエーションを通して、介護職員や利用者同士のコミュニケーションを促すことができます。人と触れ合う機会が増えると、気分が明るくなっていきいきとしてくるため、楽しい時間を共有することで、生きがいを感じることにつながるでしょう。
・QOLの向上
レクリエーションに参加することで、コミュニケーション機会の増加や脳・身体機能の向上によって、日常生活に張りが生まれ、生活の質が向上します。
また、利用者が自立した生活を送れるようになることで、日頃から生活の介助をするご家族の負担を軽減することも可能でしょう。 無料会員登録はこちら
2. 脳トレになるデイサービスでおすすめのレク
脳のトレーニングになるレクリエーションは、座ったままでも楽しめて、知的欲求に働きかけるプログラムが多い傾向にあります。簡単なものから徐々に難易度を上げていきますが、無理のない範囲で行いましょう。
レクリエーションを通じて思考力や判断力が鍛えられ、脳が活性化されると、認知症予防にも効果があります。
■テーマ付きしりとり
その日のテーマを決めて行う、しりとりゲームです。「食べもの」や「動物」などテーマを絞ることで、テーマに関する単語を思い浮かべます。通常のしりとりより縛りがあることで、脳への刺激が増えるでしょう。
■文字シャッフルゲーム
ホワイトボードに文字の順番を入れ替えた単語をひらがなで書き、並び替えて正解を当てるゲームです。
3文字の言葉からスタートし、徐々に文字数を増やしたり別の単語を組み合わせたりして難易度を上げていきます。
■さかさ文字ゲーム
出題者がお題となる単語を決め、ホワイトボードなどに終わりの文字から徐々に書き出していき、さかさになっている単語が何かを当てるゲームです。
想定した単語と違う言葉が出てきても間違いにはせず、思いついた発想をみんなで楽しむことが重要です。
3. 健康維持に最適なデイサービスでおすすめのレク
適度な運動を習慣にするために、体を動かすレクリエーションも定期的に取り入れましょう。
楽しみながら体を動かすので、ストレスを感じることなく参加でき、自然に体力の向上や健康維持の効果が見込めます。
■バトン渡しゲーム
バトンを時計回りに渡していき、音楽が止まったときにバトンを持っていた人が罰ゲームを受けるゲームです。楽しみながらバトンを受け渡すことで、握力を鍛えられます。
罰ゲームは、誰でもできて全員が笑えるような内容を考えましょう。
■新聞戻しゲーム
丸めた新聞紙を用意し、手を使わずに足の指や裏を使って広げる速さを競うゲームです。競争性があるため、盛り上がるレクリエーションと言えるでしょう。
足の細かな動きが求められ、太ももなどの筋肉を鍛える効果が見込めます。また、下半身だけでなく、姿勢を支える腹筋も鍛えられ、全身の運動効果が期待できるでしょう。
■オリジナル体操ゲーム
お題に合わせて参加者がオリジナルの振り付けを考え、体操に取り入れるゲームです。
足踏みをしながら号令とともに振り付けるので、動作の瞬発性やとっさの判断力が養われます。指先だけでできるポーズから、大きな動きのある振付まで、参加者に合わせて設定するとよいでしょう。
4. ADL・IADLに関するデイサービスでおすすめのレク
ADL・IADLは、日常の基本的な動作を指す言葉です。
● ADL:食事・排泄・入浴などの最低限の生活動作
● IADL:家事や買いもの、金銭管理など判断力の必要な生活動作
ADL・IADLが困難になると、QOLも著しく下がります。レクリエーションに組み込むことで、無理なく機能維持訓練が可能になるでしょう。
■衣服の着脱トレーニング
フェルトとボタンを使った着脱トレーニングで、机の上でも簡単にできます。
ボタンを「はずす⇔とめる」動作を繰り返すことで、服を脱いだり着たりする動きのトレーニングになり、ADLの低下予防に効果的です。フェルトの切れ目を大きくしてボタンも持ちやすい大きさや形にすると難易度が下がるため、指先の使い方が不自由な人でも取り組めます。
■パソコンのタイピング
練習用の言葉やことわざなどを、パソコンに打ち込んでもらいます。紙とキーボードを交互に見て、文字を探しながらキーを打つことで指の運動になり、脳の活性化が期待できるレクリエーションです。
■Googleストリートビューを用いた回想法
Googleストリートビューは360度のパノラマ写真で見ることが可能なので、世界の名所や利用者のふるさとを見て楽しめます。画面の中にいるような体験ができるので、施設に居ながら旅行気分が味わえるでしょう。昔話を聞きながら画面を進め、話をどんどん引き出したり行ってみたかった場所の写真をプリントしたりすることが可能です。
また、ふるさとや懐かしい場所を回想することで脳を刺激し、リハビリやレクリエーションに取り組むやる気を引き出すことが期待できます。
5. まとめ
デイサービスのレクリエーションは、手軽にできるものながら機能訓練になり、楽しみや生きがいにもつながるため、高齢者にとってたくさんのメリットがあります。
認知症の予防や健康寿命を延ばすためにも、レクリエーションを積極的に取り入れましょう。