要介護状態の予防には外出レクがおすすめ!目的・メリット・注意を解説!
外出レクは、介護予防や認知症予防、ストレスの軽減などさまざまな効果が期待できます。しかし、高齢者の中には、外へ出ることに不安を抱えている方も多いかもしれません。
今回は、外出レクをおすすめする理由や目的、メリットについて詳しく解説します。さらに、安心して実施できるよう、レクの内容や注意点なども紹介しますので、外出レクを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1. 外出レクとは
外出レクとは、介護施設の外に出て行うレクリエーションのことを言います。外に出ることで季節の移り変わりを肌で感じ、屋外ならではの刺激に触れられるのが魅力です。高齢者は家や施設にこもりがちになるため、外出レクによって利用者同士の交流を深めたり適度な運動をしたりと、気分転換をするよい機会になるでしょう。
無料会員登録はこちら2. 外出レクの目的やメリット
外出レクはただ楽しむだけでなく、認知症予防などの効果が期待できます。ここでは、外出レクの目的やメリットについて詳しく解説します。
■介護予防
外出レクは、生活意欲の維持・向上やストレス解消に役立ちます。行動範囲が屋内に限定されると、身体機能が低下するだけでなく、食事や入浴などの日常生活をこなす力まで徐々に失われてしまうでしょう。
外出レクに参加することで適度な運動と気分転換ができ、要介護状態になるのを防ぐことができます。
■認知症予防
外出レクは、認知症予防の効果が期待できます。外出先ではいつもと違った風景を見たりさまざまな人と触れ合ったり、季節の移り変わりを五感で味わえるほか、認知機能の低下を予防する助けとなるでしょう。また、すでに認知症を発症している方の場合は、進行を遅らせる可能性があります。
■孤独感の軽減
外出レクによって孤独感を軽減できるのも、メリットの一つです。
生活の変化がきっかけで、生きがいや外出の意欲がなくなって孤独を感じてしまい、引きこもってしまう高齢者も少なくありません。要介護や寝たきりの状態を防ぐためには、週に3回ほど外出することが大切と言われています。外出レクによって人や社会とのつながりが感じられると、孤独感を軽減できます。
3. 外出レクの内容
利用者のニーズが反映されることも多い外出レクですが、どのようなレクリエーションが喜ばれるのでしょうか。ここでは、外出レクの内容を詳しく紹介します。
■近隣地域への散歩
近隣地域への散歩は、多くの施設で頻繁に行われる外出レクで、初詣やお花見、紅葉狩りなど、季節を感じられる場所は特に人気があります。1人では出かけにくい季節の行事でも、スタッフがしっかりサポートすることで利用者の孤独感を軽減し、生活意欲を向上させることができます。近場の外出でも、利用者の満足度につながるように工夫をするとマンネリ化を防げるでしょう。
■近隣店舗への買いもの
外出レクは散歩だけでなく、近くのスーパーやショッピングモールで買いものをすることもあります。好きなものを買う行為はわくわくした気分になり、ストレスの解消や自分を大切にする心を育てることにもつながるでしょう。
店内を歩いて運動量を増やしたりお金の計算で脳を刺激したりと、さまざまな効果が得られるのも魅力です。
■地域イベントへの参加
外出レクの一環で、地域イベントに出向いて参加することもあります。イベントへの参加は、利用者が多くの人と交流をもてるよい機会です。さらに、地域イベントは家族も参加しやすく、一緒に楽しい時間が過ごせるかもしれません。
餅つきや夏祭り、バザーなど、地域によってさまざまなイベントが開催されているので、ぜひチェックしてみましょう。
4. 外出レクをするときの注意
外出レクは、工夫次第で有意義な時間を提供できますが、時期や時間、開催頻度への配慮が必要です。外出レクを実施するときの注意点について、しっかり確認しておきましょう。
■無理強いをしない
外出レクで重要なポイントは、利用者に無理強いをしないことです。心身の状態はその日によって異なるので、体調が悪そうなときや気分が乗らないときは本人の意志を最優先にしましょう。
■開催頻度に注意する
外出レクは、少なからず参加者の体力を消耗させます。頻繁に開催すると、体に疲れが残ってしまう可能性があるので注意しましょう。
外出レクが負担になってしまうと、デイサービスに行くこと自体が楽しく感じられなくなります。利用者がきちんとデイサービスに通い、充実した生活を送れるようにするためにも、無理のないスケジュールを検討しましょう。
■デイサービスの外出レクは目的に注意する
デイサービスのサービス提供は、事業所の中で実施するのが原則です。
そのため、近場への散歩や買いものは機能訓練の一つとして認められますが、娯楽目的の外出レクは介護保険の適用外となる可能性があります。
機能訓練としての位置づけは地域によって異なるので、心配な場合は各デイサービスに問い合わせましょう。
5. 外出レクの前に確認しておくポイント
外に出たい気持ちがあっても、不安感がまさって外出を控えてしまう高齢者も少なくありません。外出レクを実施する前に、外出中の不安要素を解消するポイントをチェックしておきましょう。
■熱中症対策
こまめに水分と塩分が補給できるよう、しっかり準備をしましょう。また、日傘や帽子の使用、日陰を歩くといった呼びかけも大切です。事前に暑さ指数を確認して、気温が高い日は外出を控えましょう。
■事前にトイレや休める場所を確認する
トイレが気になって外出を避ける利用者もいるため、事前にトイレの場所を確認しておく必要があります。また、外出中に休める場所やバリアフリーになっているところもチェックしておきましょう。
外出レクの前に、トイレや休憩ができるポイントを利用者に伝えておくと、安心して参加してもらえます。
■食事メニューや椅子の有無を確認する
外食の予定がある場合は、事前に飲食店のメニューや椅子の利用状況を確認しておきましょう。
参加者の中には、硬いもの苦手としていたり膝が痛くて座敷に座れなかったりする方もいるかもしれません。みんなで気持ちよく食事ができるように、参加者の身体状態に合ったお店を選んでおくことが大切です。
■用事や目的をつくる
参加者の外出意欲を高めるためにも、外出レクの用事や目的を明確にしましょう。高齢になるにつれ、次第に外出を面倒と感じてしまいます。「桜が咲いたらお花見に」「料理を作るから買いものに」など、事前に用事を作っておけば外出レクが楽しみに感じられるでしょう。
6. まとめ
外出レクは、人との交流を深めたり適度な運動をしたりするよい機会です。また、外に出てさまざまな刺激を受けることは、認知症や介護の予防、孤独感の軽減につながります。利用者が安心して参加できるように、目的の設定や事前確認をしっかり行いましょう。