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介護

2023年3月28日

介護施設でレクを行う際に確認しておきたいポイントや注意点とは?それぞれ詳しく解説!

介護施設では、介護することだけでなく、介護される方の本来の力を引き出すことも重要視されます。代表的な方法が、レクリエーションです。手作業や歌などさまざまなレクリエーションがあり、生活への意欲につながります。効果を最大限に引き出すためにも、レクリエーションの目的と適切な方法を押さえておきましょう。

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1. 介護施設のレクの目的


楽しいレクリエーションを考えても、目的に合わなければ意味がありません。レクリエーションの具体的な内容を考える前に、まずは目的を見直してみましょう。

■体や脳の機能を活性化させる

運動系のレクリエーションは、身体機能の向上や体力の維持に効果があります。介護されるという立場上、介護施設の利用者は日常生活の中で体を動かす機会が減ってしまいがちです。体が思うように動かないと、精神的に落ち込むこともあるでしょう。それらを解消するきっかけになるのが、レクリエーションです。
折り紙や編物などの手作業や言葉のゲームなどは、脳によい刺激を与えます。物忘れなどの防止にもなり、達成感や自信も得られるしょう。

■コミュニケーションの促進

レクリエーションを通して、人との交流が生まれます。何もない状態で知らない人と話すことは難しいですが、少しのきっかけで自然に会話ができることがあります。カードゲームでやり方を教え合ったり、合唱で直接話さなくても一体感が得られたりするなどがその例です。人と何かをすることで、孤独感を和らげ前向きな気持ちになるでしょう。
また、個人作業でもコミュニケーションが生まれるきっかけになることがあります。描いた絵に対して感想を言ってもらえたり自分で作ったお菓子を交換したりすることでも、コミュニケーションを図ることが可能です。

■QOLの向上

レクリエーションを通して他人とコミュニケーションをとることで、QOL(生活の質)が向上します。人との交流が「楽しい!」と思えると、自然と体が動くようになり、体が動くと心も元気になるという好循環が生まれるためです。
介護施設で他の利用者やスタッフとコミュニケーションをとることが、生きがいにつながることも珍しくありません。そのため、レクリエーションはQOLの向上に効果的な方法と言えます。

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2. レクを始める際のポイント


レクリエーションの準備の際に、注意しておきたいポイントを挙げます。

■シミュレーションをしっかり行う

事前にレクリエーションの流れをシミュレーションしましょう。シミュレーションによって、必要な道具や時間配分が見えてきます。頭の中で実際の介護者を想像しながら、始めから終わりまで通しでやってみるだけでも構いません。できれば1人ではなく、複数のスタッフが行いましょう。さまざまな危険を予測しやすくなり、事故防止につながります。

■アイスブレイクを取り入れる

レクリエーションの流れを考える際に、初めにアイスブレイクの時間を入れるようにします。アイスブレイクとは、その場の雰囲気を和らげるための、準備運動のようなコミュニケーションのことです。
あくまでも雰囲気をよくするための時間なので、順番に手をたたく、小さい声や大きい声を交互に出すなど、簡単にできるものがよいでしょう。これから始まるレクリエーションに対して、利用者がわくわくした気持ちになれれば成功です。

■ルール説明をしっかり行う

せっかくレクリエーションを用意しても、介護者側にルールが伝わらなければ十分に楽しめません。ルールの説明ややり方の伝え方も、シミュレーションの中で行なっておきましょう。話すスピードに気を付けるほか、ジェスチャーを使ったり実際にスタッフがやってみせたりするなど、言葉以外での説明があると伝わりやすくなります。

3. レクを行ううえでの注意点


要介護の方の症状は人によって異なるため、安全面においてそれぞれの対応の方法を考えておきます。何よりも大切なのは、介護する・されるという立場に関係なく、相手を尊重する気持ちをもって接することです。

■言葉遣いに注意する

介護者に多いのが、子どもを相手にするような話し方をすることです。しかし、介護施設の利用者は人生経験を長く積んでいる方です。介護が必要な状況になった自分自身に対して、気後れしている方もいるかもしれません。利用者と接するときは、さまざまな困難を乗り越えてきた先輩として、丁寧な言葉で話しかけるよう心がけましょう。
話し方で尊敬の気持ちを示すことができれば、利用者の自信を高め、心のケアにもつながります。

■安全性への注意


レクリエーションは、安全な状態で行う必要があります。特に、以下の症状に該当する方には、相応の注意が必要です。

・車いすの方の場合

車いすを利用者している方の場合、周りとのスペースを考えて車いすを固定しておくことが大切です。レクリエーションを行うる位置が決まったら、車いすが動かないように忘れずにロックをかけましょう。
ボール投げなど上半身を動かすレクリエーションの際は、体が倒れる可能性もあるため、サポートするスタッフを2人以上配置します。姿勢がずれないようタオルを用意しておくと、安全に楽しめるでしょう。
緊急時は、車いすにロックがかかっていると逃げ遅れてしまう可能性もあります。火を使わない調理など、安全面を考慮したレクリエーションを考えてみましょう。

・片麻痺のある方の場合

体の片側が麻痺している片麻痺の方も、レクリエーションの際には車いすを利用します。ただし、レクリエーションを楽しめるようにするためには、車いすの乗り方に注意が必要です。
麻痺している側の腕の皮膚は繊細なので、車いすのアームレストが直接当たらないようにやわらかいものを間に入れておきます。足が麻痺している方は、ぶつかっても気付かず、ケガしてしまうかもしれません。
なお、移動する場合は、手すりの近くに椅子を用意しておくとよいでしょう。

・耳が遠い方の場合

耳が遠い方は、レクリエーションの説明がよく聞こえず、やる気を失ってしまうことがあります。説明をわかりやすくするために、スタッフがジェスチャーで表現したりボードに書いたりして説明しましょう。利用者が最終的に理解できたかどうか、スタッフが1対1でしっかりと確認することで、レクリエーションを楽しんでもらえます。

■無理強いをしない

利用者がレクリエーションをしたくないようであれば、その気持ちを尊重し、無理強いしないようにしましょう。心が動かなければ体も動きません。周りの人が楽しそうにしているのを見て、自然に参加する可能性もあります。レクリエーションの見える範囲で、しばらく待ってみるのも一つの方法です。

4. まとめ

体を動かすことや他人と交流することは、楽しい気持ちを呼び起こします。ただし、レクリエーションを行う際は、要介護者の症状によって安全面に十分に配慮しましょう。事故が起こらないように、準備の段階でシミュレーションや動線を考えておくことが大切です。

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栖原大輔

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。介護福祉士。福祉業界の実務経験に裏付けられた豊富な業界知識による現場目線での記事作成が得意。

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