寝たきりでも楽しめるレクリエーションを紹介!進行方法や注意点を解説
介護施設のレクリエーションは、利用者の方が周りの人と楽しいひとときを感じられる時間です。
しかし、利用者さんの中には、寝たきり状態の方もいるため、どういったふれあいを提供すべきか悩んでいる介護職員の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、寝たきりの方でも楽しめるレクリエーションを紹介します。それぞれの寝たきり度に合う方法を紹介するので、レクリエーション選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 寝たきりでもレクリエーションの効果はあるの?
寝たきりの状態の方でも、レクリエーションの効果はあります。レクリエーションをすると、寝たきりの人にどのようなよい効果を与えるのか、以下で具体的に見ていきましょう。
■寝たきりの進行を防止できる
寝たきりの状態が長期間続くと、体中の筋肉が衰えてしまうだけでなく、考えることも少なくなり、脳の働きも悪くなっていきます。そうなると、寝たきりの状態がさらに進行していき、重症化する悪循環になってしまうでしょう。
他の人との会話やゲームを楽しめるレクリエーションは、寝たきりの進行を防止するのにうってつけの機会です。
■ストレスを発散しQOLの向上が期待できる
体を自由に動かせず寝たきりの状態というのは、とてもストレスがたまるものです。楽しい時間を周りの人と共有できるレクリエーションは、たまったストレスを発散させる絶好の機会であり、QOL(生活の質)向上にも効果的だと言われています。
レクリエーションを行うことで、寝たきりの人の気持ちをより豊かにできるでしょう。
■利用者同士の交流が期待できる
レクリエーションは、普段会話の少ない寝たきりの人が、他の人との交流を深める貴重な時間です。コミュニケーションをとっているときは、脳の働きも活性化されている状態であるため、寝たきりの人の認知症予防にもつながります。
無料会員登録はこちら2. 寝たきり度が低い方におすすめのレクリエーション
寝たきり度が低い方に向けて、おすすめのレクリエーションを紹介します。
誰かからの助けがあれば座位の状態を保てる、比較的寝たきりの症状が軽めの方は、こちらで紹介するレクリエーションを参考にしてください。
■音楽レクリエーション
音楽には、気持ちを穏やかにしたり気分をリフレッシュさせたりする効果があります。参加者の好きな歌や懐かしい歌を施設内の人と合唱すれば、ストレス発散にもなるでしょう。昔の歌を聞くことで脳が活性化され、刺激も与えてくれます。
■映画鑑賞
映画好きの方なら、一緒に映画鑑賞をするのもおすすめです。好きな映画を一緒に鑑賞すれば、向こうから積極的にコミュニケーションをとってくれるかもしれません。
利用者同士で好きな映画について情報を共有して、みんなで鑑賞会を開けば、会話もより一層弾むでしょう。観賞後も感想を言い合う機会を設けることで、コミュニケーションを図ることが可能です。
■折り紙
細かい指先の運動を繰り返す折り紙は、脳の活性化に有効なレクリエーションです。続けていけば、認知症の予防効果も期待できるでしょう。
鶴や星、カエルなど、折り紙は難易度やバリエーションも豊富なので、好きな人は熱中してくれます。カラーだけでなく、近年はさまざまな絵柄もあるため、折り紙を選ぶだけでも楽しんでもらえるでしょう。
■アニマルセラピー
アニマルセラピーは、動物とのふれあいの機会を設け、心身を癒やすレクリエーションです。デイサービスや介護施設に、アニマルセラピーを提供する団体は数多くあります。
ただし、なかには動物が苦手な方や、アレルギーをもっている可能性もあるため、本人やご家族へ重々確認してから行うようにしましょう。
膝の上に乗せて触れ合える小動物や大人しい性格が多い大型犬など、利用者の好みも反映して検討してみてください。
■じゃんけん肩たたき
じゃんけんをして負けたほうが勝った人の肩たたきをするというゲームです。シンプルなルールでわかりやすいうえ、直接ふれあいを行うため、自然と身も心も癒やされます。座位の状態が長時間にならないように、参加者の体調を見ながら進めてください。
3. 寝たきり度が高めの方におすすめのレクリエーション
寝たきり度が高い方に向けた、おすすめのレクリエーションを紹介します。無理に状態を起こさなくても楽しめるため、ぜひ参考にしてください。
■アロマセラピー
空間にアロマの香りを広げて、癒やし効果を与える方法です。精油の香りは脳への刺激になり、より活性化させる効果があるとされています。
デイサービスや介護現場で用いられることの多い香りは、下記の通りです。
●ローズマリー:集中力の増加
●ラベンダー:不安な気分を癒やす効果
●レモン:リフレッシュ効果
■読み聞かせ
利用者さんからリクエストのあった本や昔好きだった本、複雑な内容のない絵本などを代読するレクリエーションです。耳から脳へ適度な刺激を与えることで、精神の安定や脳の働きをよくする効果が期待できます。
高齢者の方は耳の遠い方も多いため、はっきりとした声でゆっくり発音するよう心がけましょう。
■タッチケア
やさしく触れるだけでも、寝たきりの方にとっては一つのレクリエーションです。誰かの手にやさしく触ってもらうと「大切にされている」という感覚が生まれ、精神的な満足感が得られます。
話しかけても反応が乏しい、表情の変化も少ないなど、寝たきりの症状が重ための方には、タッチケアを取り入れてみてください。
4. まとめ
レクリエーションは、脳の活性化を促す、筋力低下防止、ストレスの発散、リラックス効果など、さまざまなメリットがあり、利用者さんの心と体をより豊かにしてくれるものです。
寝たきりの方へのレクリエーション選びは、悩んでしまいがちですが、ぜひ本記事の内容を参考に、利用者さんがさらに楽しいひとときを過ごせるよう、触れ合いの機会を増やしてみてください。
無料会員登録はこちら