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介護

2023年3月28日

認知症の高齢者でも簡単にできるレクリエーションとは?レク中のトラブルへの対処法についても紹介

認知症がある高齢者の方にとって、レクリエーションは脳によい刺激を与えられる効果的な治療法の一つと言えます。レクリエーションを通してコミュニケーションの楽しさや生きがいを感じられるようになると、認知症の進行を遅らせることも可能です。この記事では、認知症の方に合ったレクリエーションを紹介します。レクリエーションを考えるうえで大切なことやトラブルへの対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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1. 認知症の高齢者向けのレクリエーションはどんなことを重視すればいい?


どんなレクリエーションをするか決める前に、まずは気を付けたいポイントを押さえておきましょう。認知症の方にとって存分に楽しめる活動にするために、重視したい点を6つ紹介します。

■これまでの生活や特技を活かせるレクを考える

特技を活かせるレクを考えることで、認知症の高齢者でも簡単に始められるでしょう。思い出そうとすることで、脳にとってよいトレーニングになり、達成できれば「できた」という自信につながります。

■個人の興味に合わせる

興味のないことをさせられるのは、誰でもつらいものです。特に、認知症の方は周囲からの刺激を受けやすいため、気持ちに寄り添い、本人の意思を尊重した対応が求められます。嫌がることはすぐにやめ、興味を示したらこちらがリードするのではなく、認知症の方に合わせてレクリエーションを進めましょう。

■時間設定を厳しくしない

レクリエーションの時間設定は短時間にすればいいというものではなく、利用者の気持ちに合わせるとよいでしょう。 「楽しい!もっとやりたい!」と思っているときに、急にそれを取り上げられてしまっては、逆にストレスになりかねません。 興味を示しているうちは続けてもらい、そろそろ疲れてきたというサインが見えたら少しずつ片付けを始めましょう。時間の区切りを毎回同じにすることも一つの方法です。次にやることが予想できるので安心感が得られるうえ、活動に慣れれば自信にもなります。

■難易度を難しくし過ぎない

認知症の方の自信を高めるためにも、あまりにも難しいことは避けましょう。認知症の方は周囲の反応を敏感に感じると言われており、難しいことができないと余計に体がこわばり、興味のあることにも反応しなくなってしまうかもしれません。 大切なのは認知症の方の気持ちを優先し、本人が楽しんでいるかどうかを基準に難易度を考えることです。

■要介護度が同じレベルの少⼈数で⾏う

認知症は進行状況によって症状が異なります。 介護をする側がきちんとサポートするためにも、要介護度が同じレベルで人数の少ないグループにしましょう。 同じレベルの人と組むことでケアがしやすくなるため、よりサポートが行き届きます。少人数であればレクリエーションの回を重ねるごとに同じ仲間に会えるため、利用者に安心感も与えられるでしょう。

■成果や記録が残るレクにする

活動そのものを記録として残し、レクリエーションの成果をはっきりと目に見えるものにすることで、利用者の自信につながります。 そのため、折り紙や絵などの作品に残しやすいもの以外にも、合奏や合唱など形に残らないものでも、活動の様子を写真や動画に残すようにしましょう。利用者があとで見返して思い出すことで、記憶力の保持にもつながります。

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2. 認知症の高齢者でも簡単にできるレクリエーション


以下では、認知症の高齢者でも簡単に楽しめるレクリエーションを紹介します。

■手芸や工芸などの手作業

手作業は脳によい刺激を与えるうえ、形に残ることから成果を実感しやすいのが特徴です。作業を教え合ったり完成品をプレゼントしたりすれば、交流が広がるでしょう。基本的に個人で行う作業が多いため、集団作業が苦手な方にもおすすめできます。 手作業には、折り紙・塗り絵・編みもの・手工芸品・お菓子作りなどがあり、経験のあるものが取りかかりやすいでしょう。初めてでも興味がありそうなら、簡単な作業から始められるように工夫してみてください。

■リラックスやリフレッシュ

以下のような心と体をいやすレクリエーションもおすすめです。

● ハンドマッサージ
● アニマルセラピー
● アロマセラピー

マッサージの中でも、ハンドマッサージは服を脱ぐ必要がなく、さまざまな香りやオイルの感触を手軽に楽しめます。アニマルセラピーといった動物との触れ合いやお世話も、リラックスできるレクリエーションの一つです。動物はやさしく接すれば素直に受け入れてくれる存在であるため、認知症の方の不安を解消する役割を果たすでしょう。

■回想法

回想法は、昔のことを思い出すことで脳を動かし、自身の人生を価値あるものだったと実感するためのレクリエーションです。認知症の方は昔のことをよく覚えている傾向にあるため、比較的簡単に無理なく行えるでしょう。
方法としては、職員と一対一で思い出をたどっていく個人回想法と、複数の人の前で語ったり質問を受けたりするグループ回想法があります。その際に、写真や日記などの実物があると、なお行いやすいでしょう。

■合奏や合唱

合奏や合唱で声を出すことで呼吸が深くなり、リラックス効果が期待できます。のどを鍛えれば、高齢者が食べものにむせる嚥下(えんげ)も防げるでしょう。
また、楽器演奏は自分だけでなく人を楽しませることもできるため、グループで演奏すれば、交流が深まります。合奏や合唱が難しい場合でも、音楽は聞くだけでもいやされます。知っているお気に入りの曲の歌詞を思い返してみるのもよいでしょう。

3. レクリエーション中のトラブルへの対処法


認知症を抱えている高齢者は、レクリエーション中にトラブルを起こすことも考えられます。大切なのは、介護する側が慌てたり騒ぎ立てたりしないことです。対処法をあらかじめ知っておくことで、いざとなったときも落ち着いて対応できるでしょう。

■レクの道具を口に入れようとする場合

特に多いのが、食べものではないものを口に入れようとしてしまうことです。レクリエーションの道具を口に入れてしまう場合、ご本人は食べものを食べようとしているだけなので、頭ごなしに注意してはいけません。食べものではないことをやさしく説明しましょう。

■作業中に別の話を始めてしまう場合

認知症の方は、脳がさまざまな情報を一度に処理するのが難しいため、会話がかみ合わないことがあります。大切なのは叱らず、ご本人のペースに合わせることです。忘れてしまっている言動や作り話も、本人にとっては本当にあったこととして話しているので、否定せず自尊心を傷つけないように配慮しましょう。

■大声を出してしまう場合

急に大声を出すのも、睡眠に関する障がいや不安感などからくる認知症の症状の一つです。ご本人の気持ちを尊重することはもちろんですが、大声は周りの方にも影響してしまいます。その場から離れてもらい優しく話を聞くなどして様子を見ましょう。
叫ぶ症状は、自己表現できない苦しさの表れでもあります。薬で抑える方法もありますが、レクリエーションを続けることで症状が落ち着くかもしれません。

4. まとめ

認知症の高齢者にとって、脳によい刺激を与えられるレクリエーションは効果的な治療法の一つです。その一方で、利用者の自尊心を傷つけず、トラブルなどに対応する必要があります。スタッフは利用者に配慮しつつも、1人の人として尊重することを忘れず、一緒に楽しむ気持ちでレクリエーションを企画してみましょう。

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栖原大輔

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。介護福祉士。福祉業界の実務経験に裏付けられた豊富な業界知識による現場目線での記事作成が得意。

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