介護レクリエーションアイデア集
介護の現場経験者の方々の悩みの一つに、介護施設でのレクを行うのが億劫という声が良く聞かれます。
確かに、大勢の前でテンション高く、声を張り上げて盛り上げ役に徹するというのは、苦手な人は億劫ですよね。
得意な方だったとしてもバリエーションが少ない、マンネリ化している、などの悩みも出てくると思います。
ここではそんな方のために、弊社の介護現場経験者から集めたレクリエーションのあれこれをお伝えさせて頂きます。
介護施設で働いている方だけではなく実際にこれから介護職として働こうとお考えの方にもぜひご参考にして頂ければと思います。
なぜレクが大事なのか
レクが大事な理由はレクを通じて体を動かすこと、頭を使うこと、が実現出来るからです。言うまでも無く体を動かさなければ少しの運動(動くこと)も億劫になりますし、頭を使わなければボーっとしている時間が長くなってしまいます。結果として元気が無くなり、より動かず、考えないというサイクルになってしまいます。
刺激を与えるというと大げさかもしれませんが、利用者様が活き活きと生活するためにレクを通じて利用者様だけでは無く、私たちも頭を使い、体を使いましょう。
レクそれぞれに異なったコツがありますが、全体に共通して言えるのは、自分たちも楽しめるモノの方が最終的に楽しくなると思いますので少しはそうした要素を入れると皆が楽しいレクになるのではないかと感じます。
無料会員登録はこちら2. チーム対抗戦
・物送りゲーム
①うちわをたくさん用意して、2列になって利用者様一人ひとりに持っていただきます。
②なんでも良いので角ばっているもの、丸いもの、ふわふわしたもの、など、うちわからうちわへものを送っていきます。
③早く最後まで送れたほうが勝ちとなります
ポイントはこぼれたりした際にすばやく対応してあげる事になります。
・数字埋めゲーム(メダル置きゲーム)
①A3くらいの少し大きめな板(ボード)をダンボールで作ります。
②そこに5×8くらいのマスをつくり適当に40個の数字を書きます。
③それと別に、一マスに乗るサイズのメダルをダンボールや厚紙で40個作り、メダル一つ一つに1〜40の数字を入れます。
④2チームに分かれた利用者様に適当な枚数のメダルをお渡しします。
⑤2人の職員がボードを持って利用者様一人ひとりの前に順に移動し、利用者様にマスと同じ数字のメダルを探して、置いていただきます。
⑥早くボードが埋まったチームが勝ちです
・フープ玉入れ
①利用者様の椅子を円形に配置して、適当な大きさのフラフープを真ん中に置きます。
②利用者様にボールを渡します。(1人5個くらい)
③何個ボールが入ったかをボードに書いていきます。
④たくさんボールが入った人もしくはチームが勝ちです。
・玉入れ
①2チームに分かれて利用者様にボールまたはお手玉を一人3個くらいお持ちいただきます。
②職員一人がタイムキーパーとなり、30秒くらい玉入れをしていただきます。
③多く入ったほうが勝ちです。
・ボーリング
①ペットボトルを10本用意してボーリングのピンを作ります。
②倒れたピンの数を数えて、多く倒したほうが勝ちです。
・輪投げ
①ダンボールやサランラップの芯などで輪投げの目標の棒を作ります。
②棒を一つ作って輪が何本入るか競ったり、ボードに数字を書いてストラックアウトの形式で点数を競ったり、様々な方法があります。
③輪をたくさん入れたチームが勝ち。もしくは点数を稼いだチームが勝ちです。
・ペットボトル立たせゲーム
①ペットボトルにおもりをいれます。
②ペットボトルに紐を付けて、引っ張って早く立たせることができた方が勝ちです。
3. 個人戦
・すごろく
①職員手作りで大きな模造紙などにすごろくを作ります。見やすく、分かりやすく作りましょう。
②「1マス戻る」「職員と歌を歌う」「いいことがある」など・・・利用者様にできる範囲で考えます。
③1番にゴールした人が勝ちです。
・つぎはぎ川柳
①各自、手元に紙を6枚用意し、各紙の右上に2枚ずつ「上・中・下」のどの句用かをメモします。
②音節の数(5・7・5)を意識しつつ、お互いにつながりのない句を6枚ぞれぞれ書いていただきます。
③書き終わったら「上・中・下」に分けて内容が見えないように全員の紙を集めます。
④誰でもよいので「上・中・下」からランダムに1枚ずつ取って句を並べ替えます。
⑤句を合成して発表します。
⑥投票制にしたり、「ベスト賞」などで対抗戦にしてもよいです。
・ピンポン玉ゲーム
①空のティッシュ箱を用意します。
②利用者様大勢でテーブルを囲んで、ピンポン玉を打ち返すゲーム。
③みんなでテーブルから落とさずに100回打ち返せるように数を数えます。テーブルに壁を作ってエアホッケーのように、チーム対抗にしてもよいです。
・ホワイトボード使用ゲーム
代表的なのは以下のゲームです!
①赤いもの・白いものどちらが多く言えるかまたはチーム戦にしてどちらが多く言えるか。
②虫食い(穴あき)埋めゲーム。
③山手線ゲーム 「果物」「駅名」「国」「食べ物」「都道府県」「さかなへんの漢字」など。
④しりとり。
⑤重複する数字1組を含む10個の数字を書き、重複する数字を当ててもらうゲーム。
・ゴム体操
①ゴムバンド(適度に硬さがあるもの)の両端を持ちます。
②左右に腕を開きます。
ポイントは掛け声をリズミカルに行うことです。
クイズ形式にして左右に引っ張らせても良いかもしれません。
足で左右に引かせるのも身体の良い運動になります。ただし余り無茶はさせないよう注意を払ってくださいね。
・漢字ゲーム
①ボードに漢字と辺や冠を書きます。
②分かる利用者様に書いて頂きます。
利用者様に限らず、高齢者の皆さんは漢字が好きです。また実際に行う職員にも漢字の勉強になり一石二鳥です。漢字ゲームから派生して、歴史モノのクイズやことわざのクイズなども面白いと思います。
コツは指名して書かせない事です。優劣をつけてしまったり、間違えた人を笑ってしまうなど、施設内での思わぬ軋轢を生んでしまいますので、全員から回答を頂くのであれば白紙を渡して回収して正解者を発表すると良いでしょう。
4. その他
・カラオケ
・塗り絵(出来れば大人を意識したタイプ)
・童謡踊り
・映画鑑賞会(石原裕次郎、吉永さゆり、美空ひばり出演作品、綾小路きみまろのDVD鑑賞など)
・書道(おすすめです)
・外食ツアー
・神社おまいりツアー
5. まとめ
たかがレク。されどレク。
施設でレクをやる意味はなんでしょうか。職員にとっては手間になることもあり、時間を作るものも難しい。それでもレクをやる意味とはなんなのでしょう。
レクリエーションの本来の意味は「仕事や勉強などの疲れを癒して、精神的にも肉体的にも新しい力を盛り返すための休養や娯楽」とされています。
こと、介護施設の利用者様にとってのレクリエーションとは、利用者様自身の頭脳やからだを使って、楽しみながら行う、遊びを手段とした心身の機能の維持、回復、向上へのアプローチとなります。
この3つの目的が果たせると考えられます。
・多方向から利用者様の五感に刺激を与える。 ・孤立しがちな人のコミュニケーション作り。 ・利用者様の現有能力を確認し、その力を高める。
施設によってはレクリエーションに対する取り組み方、考え方も多様だと思います。
特養や老健などの介護度の高い施設では、「忙しくて時間がない...」「やりたくても出来ない...」
なかなか思うようなレクは難しいかもしれません。
一方、デイサービスでのレクは、それこそ毎日バリエーション豊かにやっていかなければいけないところもありますね。
少しでも参考にしていただいて、利用者様により良いサービスを提供したいものです。
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