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介護

2022年2月18日

介護福祉におけるスーパービジョンとは?種類や目的も解説

介護現場でトラブルが起こったとき、どのように対応すれば良いのか分からず、スムーズに問題を解決できない場面があります。通常は、事業所の責任者が指導したり、アドバイスしたりすることで問題を解決します。アドバイスをする人がアドバイスをもらう人に対し、一定期間に一度指導を行うことを「スーパービジョン」と呼びます。しかし、スーパービジョンに似た用語はいくつかあるため、意味を理解していなかったり、使い分けができなかったりする人も多いのではないでしょうか。本記事では、スーパービジョンの種類、役割、似ている用語との違いなどについて解説します。

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1. スーパービジョンとは

スーパービジョンとは、介護業界で働き始めたばかりの従業員や、異動したばかりで新しい部署の仕事内容を理解できていない従業員が、事業所の管理者や施設の責任者から指導・教育をしてもらうことです。スーパービジョンを理解する上で、「スーパーバイジー」と「スーパーバイザー」の意味を確認しておくことが重要です。

■スーパーバイジーとは

スーパーバイジーとは、新人の従業員、サポートを必要とする従業員、異動で新しい部署に配属された人のことを指します。つまり、異動したばかりで、これまで行ったことのない業務をする人や、介護業界に就職したばかりの人など、指導してもらわなければならない人のことをいいます。

なお、スーパーバイジーから経験を積んで、スーパーバイザーになる人も多いです。指導を受ける立場から指導する立場になることによって仕事の幅が広がり、スキルアップにもつながります。

■スーパーバイザーとは

スーパーバイザーとは、介護施設の責任者、管理者チームのリーダー、教育責任者、外部に依頼しているコンサルタントのことを指します。スーパーバイザーは、問題を解決するためのアドバイスや、一定期間に一度面談を行い、精神面でのサポートをすることが一般的です。また、介護施設そのものの経営や、従業員の教育を行うなど、さまざまな種類のスーパーバイザーがおり、現場で経験を積んだスキルを生かし、独立して働いている人もたくさんいます。

2. スーパービジョンを行う目的


スーパービジョンは、新人の従業員、サポートの必要な従業員、異動で新しく仕事を覚えなければならない従業員に対して、アドバイスやスキルアップのための指導をする目的で行われます。介護の仕事に就いた理由や仕事に対するやりがいは、従業員一人一人によって異なります。スーパービジョンは、それぞれの従業員が介護や福祉に関する仕事にやりがいを持って従事し続けられるよう、スーパーバイザーがサポートする機会でもあります。

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3. スーパービジョンの機能


介護や福祉のスーパービジョンの機能は、管理機能、教育機能、指示機能の3種類に分けられます。それぞれの機能や役割について、チェックしてみましょう。

■管理機能

管理機能は、施設が決めた手続きや運営方法を厳守するための機能のことを指します。従業員のスキルを生かせるように、職場環境を見直したり、従業員が活躍できるようにしたりすることが挙げられます。

■教育機能

教育機能は、従業員が業務を行う際に必要なスキル、知識、業務態度など、足りていない部分をサポートすることを指します。経験の少ない新人従業員、新しく仕事を覚えなければならない従業員に対して、スーパーバイザーがスキルや知識を共有し、問題が起こった際に正しく対応できるように指導します。

■支持機能

支持機能は、サポート・指導をされる新人従業員が、仕事をする上でやりがいを感じられるようにすることを指します。介護の仕事に就いた理由や仕事に対するやりがいは、従業員一人一人によって異なります。「働き始める前に抱いていたイメージとは違う」「業務をうまくこなせない」など、仕事に対してのやる気がなくなるケースも少なくありません。そこで、介護や福祉に関する仕事にやりがいを持ってもらえるよう、仕事に対する精神的な負荷を軽減し、従業員が自分のスキルや知識を生かせるようにフォローします。

4. スーパービジョンの種類


スーパービジョンにはいくつかの方法があり、主に4種類に分けられています。それぞれの目的、メリット、デメリットに違いがあるため、職場や従業員に適した方法を見極めながら実施しなければなりません。スーパービジョンの種類ごとの目的、メリット、デメリットについて紹介します。

■個別スーパービジョン

個別スーパービジョンは、スーパーバイザーと新人従業員およびサポートの必要な従業員が1対1で実施します。1対1でスーパービジョンを行うことで、特定の課題に対してじっくりと向き合い、解決できるといった点がメリットです。1対1の方が話しやすく、サポート・指導もしやすいでしょう。また、関係性を深め、信頼関係を築けることも良い点です。ただし、課題を深掘りして解決策につなげていく必要があるため、スーパーバイザーのスキルが重要です。また、ある程度の信頼関係をあらかじめ築けていなければ、1対1で話しても課題を解決できないといった点がデメリットであるといえます。

■グループスーパービジョン

グループスーパービジョンは、数人でアドバイス・指導をする方法です。数人で実施するため、1対1で行うケースと比較すると、一つの課題に対して深掘りしにくい点はあるものの、業務を担当する従業員へのアドバイス・指導を共有できるため、効率は良いでしょう。また、さまざまな意見交換ができるため、視野が広がったり、客観的に物事を捉えたりすることができる点もメリットです。一方、発言しにくい従業員がいる可能性や、数人の前で話しにくい内容を共有できないなど、課題を深掘りしにくい点がデメリットであるといえます。

■ピアスーパービジョン

ピアスーパービジョンは、スーパーバイジーとスーパーバイザーに役割を分けて行われます。一般的なスーパービジョンは、指導される立場のスーパーバイジーと、上の立場になるスーパーバイザーで行われるため、スーパーバイジーが会話しにくかったり、発言しにくかったりすることもあります。ピアスーパービジョンは、グループ内において、仮の役割で実施されるため、会話しやすいことがメリットです。ただし、一般的なスーパービジョンと異なり、経験のあるスーパーバイザーからのアドバイスを受けられないといった点がデメリットであるといえます。

■ライブスーパービジョン

ライブスーパービジョンは、スーパーバイジーが業務を行う際、スーパーバイザーが付き添ってアドバイス・指導をする方法です。スーパーバイジーの立場からすると、緊張感はあるものの、すぐにアドバイス・指導をしてもらえるため、効果を得やすいといった点がメリットです。また、問題が起こった際には、その場で回答してもらえたり、サポートしてもらえたりすることもメリットであるといえます。しかし、スーパーバイザーがいることで緊張から普段通りに仕事ができないケースもあり、スーパーバイジーに恐怖心を与えてしまうといった点がデメリットであるといえます。

■セルフスーパービジョン

セルフスーパービジョンは、特定の課題について自分の感情、状況、行動、結果を記録し、その記録を生かして過去の行動を客観的に分析し、自分に対して客観的にアドバイスする方法です。継続することで、自分を客観視するスキルが身に付き、課題をスムーズに解決できるようになるでしょう。

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5. スーパービジョンの流れ


スーパービジョンは、具体的にはどのように実施すれば良いのか、効果を得やすいのか、分からない人も多いでしょう。そこで、スーパービジョンを行う流れや、各課程におけるポイントについて紹介します。

■事前準備

まずは、スーパーバイジーが自分の状況をどう捉えているかについて、自己分析します。その上でスーパーバイザーが自己分析をチェックし、スーパービジョンの方法を検討します。

■実施

スーパービジョンは、問題をヒアリングし、協議した上で、アドバイス・指導を行います。通常は、数カ月に一度、スーパービジョンを行います。

■総評

1年間スーパービジョンを行った後、状況や考え方がどのように変わったのかについてチェックします。成果を明確にし、次の年のスーパービジョンへとつなげることが大切です。

6. スーパービジョンのポイント


スーパービジョンを実施する際には、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

● スーパーバイジーを中心にする
● スーパーバイジーが緊張しすぎないように意識する
● スーパーバイジーがアドバイスの内容を理解しているかどうかを確認する
● スーパービジョンと指示・指導は違うものであると捉える
● スーパーバイザーが一方的に話さない

スーパービジョンをスムーズに行うためには、スーパーバイジーとスーパーバイザーの信頼関係が築けているかどうかが重要です。そのため、スーパーバイジーが会話しやすいように、高圧的な態度や緊張感のある雰囲気を作らないようにしましょう。また、スーパーバイジー本人に目を向け、スーパーバイザーが一方的に話さないようにすることも大切です。スーパービジョンを行うことで、モチベーションの維持、マンネリ化の予防、退職を防ぐことにもつながります。

7. スーパービジョンを活用し働きやすい職場に!


スーパービジョンは、指導を受ける側と指導する側の役割を明確にし、1年間を区切りとして行います。数カ月に一度、話し合いの場を設け、1対1もしくはグループ、個人でスーパービジョンを実施することがポイントです。スーパービジョンは、叱責・指摘・指導をするものではありません。目的をしっかりと理解し、スーパービジョンを活用して、従業員が働きやすい職場環境を作りましょう。

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井上優喜

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。 介護士として様々な施設形態での勤務実績あり。求職者目線での記事作成が得意。

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